ネクスグループ Research Memo(7):成長性の高いデジタルコンテンツ領域に注力し、成長を加速
1. 2026年11月期の業績見通し
2026年11月期の連結業績は、売上高が4,383百万円(前期比23.1%増)、営業利益が103百万円(前期は223百万円の損失)、経常損失が184百万円(同250百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が111百万円(同728百万円の損失)を見込んでいる。参考指標として、M&Aによるのれん償却額を加味したEBITDAは628百万円としている。利益面では営業段階での黒字化を見込む一方、経常段階では引き続き損失計上を想定しているが、最終利益では黒字転換を計画している。
M&Aにより獲得した事業の成長を着実に推進するとともに、既存事業の収益力強化を進めることで、連結ベースでの収益力向上を図る。今後は、各事業におけるサービスと商品ラインナップの拡充、顧客基盤の拡大に加え、グループ内における機能連携や、外部パートナーとの協業を通じたシナジー創出を重要な成長ドライバーと位置付けている。あわせて、EBITDAを主要指標とした投資回収計画の可視化を進め、M&Aに伴うのれん償却額を上回る利益創出を実現することで、持続的な価値創造を目指す。
実業之日本デジタルについては、2025年11月期時点ではのれん償却額97百万円が対象法人の創出する利益を上回っており、連結業績への寄与は一時的にマイナスとなっている。ただし、同社が属するデジタルコンテンツ分野は成長性が高く、2026年11月期以降の業績寄与が期待される。現段階においても安定的なキャッシュ・フローを創出しており、今後は研究開発や新規事業への投資を通じて成長加速を図る。
これらの点を踏まえると、同社は複数の成長市場をターゲットとした積極的な施策を展開しており、事業全体として将来的な収益拡大が見込まれる。特に、デジタルコンテンツ領域における成長ポテンシャルは高く、同社の戦略が順調に進捗すれば、さらなる業績向上が期待できると弊社では見ている。
2. セグメント別見通し
(1) メタバース・デジタルコンテンツ事業
子会社の実業之日本デジタルにおいては、電子コミック市場が引き続き堅調に推移するとの前提のもと、既刊作品の再活性化と新規読者層の獲得を進める。主要電子書店との共同施策や露出強化を通じ、作品認知の拡大と販売機会の最大化を図る。特に、2026年4月にアニメ化が予定されている「霧尾ファンクラブ」については、映像化を重要なプロモーション機会と位置付け、放送時期に合わせた電子書店での販促施策などを通じて、売上拡大を図る。文芸・実用書領域では、電子図書館向けの作品提供拡大により構築された流通基盤を活用し、ラインナップの拡充を進めることで、安定的かつ継続的な収益獲得を目指す。流通チャネルの最適化と提供作品数の拡大を通じ、事業の下支えとなる収益基盤の強化に取り組む。
スケブが運営するコミッションサービス「Skeb」については、いわゆるオタク市場が引き続き成長していることを背景に、国内外でのユーザー拡大を見込んでいる。既に多言語翻訳機能を導入している点は、海外ユーザー獲得における競争優位性となっており、アニメやマンガといった日本文化を海外に発信する構想との親和性も高い。加えて、リアルイベントについては回を追うごとに集客数が拡大していることから、毎年恒例のイベントとしての定着を目指し、プロモーション強化を通じてユーザー接点及びファンベースのさらなる拡大を図る。
(2) ソリューション事業
ケーエスピーにおいては、外食チェーン店や介護施設向けの食材、副資材、消耗品等のトータルサプライヤー業を中核とし、物販チェーン向けのSPツールの企画・制作を継続する。今後も取引社数と商品販売数の拡大を通じて、ストック型売上の積み上げを図る。あわせて、仕入先への販売を含めた双方向の売買強化や、商品力を生かしたクロスセル施策により、1社当たりの取引額増加を目指す。さらに、環境問題や世界的な人口増加に伴う原料不足といった社会課題に対しても、商社機能を活用した多面的なソリューション提供を進める。フードテックを組み合わせた加工食品の開発などを通じ、原料・加工といったサプライ側から、外食や介護といったサービス提供側まで、食品バリューチェーン全体を対象とした新たな事業領域への展開を図る。
ネクスソフトにおいては、引き続き市場規模の大きいSES事業を軸に、経験者採用の強化とチーム体制によるSESアサインモデル※を推進する。また、受託開発事業ではASTERIA Warp関連案件を含む開発及び運用保守を通じてノウハウ蓄積を進め、SES事業との連動を強化することで、収益機会の拡大を目指す。
※ SES(System Engineering Service)アサインモデルとは、エンジニアのスキルや希望を考慮しつつ、営業担当が案件(クライアントの現場)とマッチングさせ、準委任契約に基づき常駐・技術提供を行う仕組みのこと。
(3) 暗号資産・ブロックチェーン事業
暗号資産・ブロックチェーン事業では、Zaifにおいて「Zaifカード」や「ステーキングサービス」など、認知が進みつつあるサービスを安定的な収益源へと成長させることを目標に、営業活動を強化する。あわせて、これまで進めてきたコスト最適化によって確保したコストバランスを維持し、市況変動の影響を受けにくい収益構造の構築を進める。
さらに、暗号資産交換所事業で培った運営ノウハウを活用し、暗号資産及びWeb3領域における事業活用の導入支援など、BtoB及びBtoBtoC分野への展開にも取り組む。これにより、既存事業の枠にとどまらない事業領域の拡張と、新たな収益機会の創出を図る。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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