ネクスグループ Research Memo(3):Web3領域やデジタルコンテンツなど成長分野への積極投資で成長を目指す
1. メタバース・デジタルコンテンツ事業
同事業は、デジタルコンテンツ分野とメタバース分野により構成される。DXとの親和性が高く、政府によるDX推進の提唱やDX認定及びDX銘柄の普及などの施策とも相まって、成長可能性が高い事業であると弊社では見ている。
(1) デジタルコンテンツ分野への取り組み
IoT市場の中でも今後の成長率が高い「デジタルコンテンツ分野」への取り組みとしては、実業之日本デジタルを2022年3月に子会社化したことで事業参入し、電子書籍の取り扱いを開始した。電子書籍市場は2014年には1,144億円だったものが、2023年には6,500億円規模と5倍以上に成長しており、デジタル系分野全体の中でも底堅く伸長している。将来的には、自社での電子書籍出版やコンテンツビジネスへの展開も想定している。
2024年7月には、国内外のクライアント(ファンなど)が日本のクリエイターに対して「イラスト」「コミック」「ボイス」「テキスト」「ムービー」「ミュージック」「アドバイス」から、有償でリクエストできるコミッションプラットフォーム「Skeb」を運営するスケブを子会社化した。同プラットフォームは、クライアントが任意のクリエイターにリクエストして報酬を支払うが、報酬はプラットフォーム上で一旦預かり、クリエイターが作品を納品したときに、預かっている報酬からリクエスト手数料を徴収した残額を報酬として支払うビジネスモデルである。「Skeb」は「クリエイターの立場を尊重」したサービス設計を特徴としており、同プラットフォームが始めた「見積もりなし」「打ち合わせなし」「リテイクなし」の一発描き方式は、国内において最も一般的なコミッションの方式として定着している。自動翻訳機能により世界中のクライアントと簡単にやり取りができるほか、報酬の未払いを避けるため制作開始時に報酬を預かるシステムなど、クリエイターはコミュニケーションを最小限に抑えて創作活動に集中することができる。2018年のサービス開始以降、クリエイターとクライアント、両者からの支持を集め、総登録者数は2025年5月末時点で361万人を超え、月間取引高は7億円を超えるまでに成長している。
(2) メタバース分野への取り組み
同社は「メタバース分野」へ進出するため、2022年2月に、メタバース内でのアバター販売・改変プラットフォームを開発・運営する(株)ポリゴンテーラー及び国内企業のメタバース分野への参入支援を行う(株)ポリゴンテーラーコンサルティングに資本参加した。また、VR(仮想現実)ゲームコンテンツの開発、VR関連機器の開発、VRサービスのサポートを行う(株)ワイルドマンと協業体制を構築している。ワイルドマンはVR上でアバターのフルトラッキングを安価に行うための下半身トラッキングデバイス「Haritora」をプロダクトオーナーとして開発し、(株)Shiftallと全身トラッキングデバイス「HaritoraX」を共同開発するなど、メタバースに必要なVR開発技術とゲームコンテンツ開発のノウハウを持つテックカンパニーである。ワイルドマンが行うメタバース分野におけるサービスや情勢などの情報収集力と、同社のデジタルコンテンツ事業とのシナジー効果、及びNCXCを活用した新たな商品の共同開発など、今後の同社の事業拡大及び企業価値向上に寄与すると見ている。
2. IoT関連事業
同事業は同社とネクスが担っている。同社が設立以来培ってきたモバイル通信機器に関する技術を中核として発展してきた事業で、各種無線方式を適用した通信機器の開発・販売や、それらに関わるシステムソリューション及び保守サービスの提供、さらには農業ICT事業、ロボット事業のR&Dなども扱っている。同社はIoT関連事業を戦略的注力領域としており、当面は資金を投下し中長期の成長を目指す。培ってきた自動車テレマティクスをはじめとする様々な分野に対するIoT技術をベースに、「IoT×ブロックチェーン技術」「IoT×AI技術」など「IoT×新技術」を活用した新たなサービスの提供を目指している。
3. ソリューション事業
同事業では、2024年5月に株式交換によりケーエスピーを完全子会社化した。ケーエスピーは外食産業・コスメティックショップ向けの、消耗品・備品・パッケージ・厨房備品の供給や、各種SPツールから企業向けギフトの提案までを手掛ける総合商社である。1991年6月の設立から30年以上の業歴を誇り、一定の売上規模と継続的な利益を生み出しており、コロナ禍においても安定した業績を維持した。
また、2025年2月にZEDホールディングスを子会社化したことに伴い、システムエンジニアリング・開発企業であるネクスソフトが同事業に加わった。ネクスソフトの主な事業領域は、ASTERIA Warpを用いたDX支援、データ連携、システムエンジニアリングサービス(SES)、受託開発、セキュリティコンサルティング、教育講師派遣などであり、ISO/IEC 27001認証を取得するなど情報セキュリティにも注力している。
4. 暗号資産・ブロックチェーン事業
2018年7月に開始したマイニング事業から、現在は暗号資産に関する投資、暗号資産の売買・消費貸借、暗号資産に関する派生商品の開発・運用などを取り扱っている。暗号資産市場の動向と資金効率を踏まえた安定的な運用を行う。2022年7月より、NCXCの価値向上に取り組んでいる。
また、2025年2月にZEDホールディングスを子会社化したことに伴い、暗号資産交換業者のZaifとWeb3コンサルティング企業のチューリンガムが同事業に加わった。Zaifは、暗号資産の売買仲介をはじめとする幅広い交換業務を行っており、販売所方式による「かんたん売買」や板取引ができるOrderbook tradingを提供し、ビットコインをはじめ多数の暗号資産売買機能を揃えている。販売所では数百円単位の少額取引が可能で、手数料が無料の点が特色だ。また、自動売買(おてがるトレード/ランキングトレード)、コイン積立(最低1,000円から)、信用取引、FXなど多様な取引手段に対応しており、ユーザーは取引スタイルに応じて柔軟に運用できる。さらに、暗号資産保有に応じて報酬を得られるステーキングサービスや、利用額に比例してビットコインが付与されるZaifカードなど、資産形成を支援する仕組みも取り揃えている。チューリンガムは、Web3領域、特にブロックチェーンやトークンエコノミーにおける企画・開発・運用を一貫して提供するコンサルティング企業である。30件のWeb3プロジェクト支援実績を有し、トークノミクス設計、NFT・トークン発行、パブリッシング支援、MVP構築などを行っている。さらに、2025年3月には「Turingum Labs」を発足し、秘匿化技術、AI、BTCFi等の分野を研究開発する体制を整備しており、研究開発と技術領域における強化を図っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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