JBCC:年率10%超のリターンを期待、ストック型クラウドとセキュリティで収益性向上
同社は1964年創業、日本初の漢字変換可能なオフィスコンピューターなど、オリジナル製品の開発を源流とし、1980年代には日本アイ・ビー・エム株式会社との提携によりビジネス基盤を強化。現在はサービス主体の事業構造へ転換。全国48拠点と海外4拠点を展開、約2,000名の専門人材で顧客DXを支援している。独立系として機動力を保ち、クラウド・セキュリティ・システム開発を三位一体で提供する体制が特色である。
同社事業においては、情報ソリューション事業が売上高の97%を占める。その中で、システム開発(SI)25%、サービス57%、システム販売18%が構成比となっている。システム開発事業は、独自のアジャイル型開発手法「JBアジャイル」とローコード開発を組み合わせた「超高速開発」で企業の基幹システムを構築している。500件を超える導入実績があり、ここ数年で案件規模が拡大している。開発を受注すると長期にわたって役務を提供するため、収益も複数年の間発生する。
サービス事業については、近年成長著しいクラウド、セキュリティが注力分野である。同社は独立系の強みを活かして、顧客の事業・ニーズを診断した上で、最適なクラウドサービス(IaaS、PaaS、SaaSなど)を提供している。また、セキュリティにおいては、成長性の高いクラウド分野において、脅威の未然検知やリスク診断ができる専門性の高いエンジニアを自前で育成しており、高付加価値なサービスを提供している。さらに、システム開発、クラウド、セキュリティにおいて顧客におけるクロスセルが可能であるため、ワンストップで顧客ニーズに応えることができる。
クラウド・セキュリティで特筆すべきは、双方ともストック型のビジネスであり、積み上がるほどに収益性が向上する好循環が続いている点であろう。同社の売上高におけるストックビジネス割合は、2024年3月期には40%であったが、2025年3月期は46%まで上昇しており、中期経営計画では2027年3月期に60%を目標としている。営業利益率においても2024年3月期は7%であったが、2027年3月期には11%まで上昇する計画である。
事業環境においては、IT人材不足、クラウドシフト、サイバー攻撃高度化を背景に企業からの需要拡大は継続しており、同社にとっては追い風。注力するクラウド・セキュリティにおいて、ストック収益を積み上げることで、更なる収益力の強化が見込めるだろう。
2026年3月期の業績予想については、売上高は前期比2.3%増の71,500百万円、営業利益は同10.5%増の6,800百万円、純利益は同4.3%増の4,800百万円としているが、サービス領域拡大とクラウド移行需要が牽引する見込み。足元の底堅い需要、ストックビジネスの安定収益を踏まえると、達成の蓋然性は高く、上振れ余地があると考える。なお、足もと中間期は、売上高で前年同期比4.6%増の37,461百万円、営業利益で同13.3%増の3,605百万円となった。4期連続の増収増益、5期連続の増益・過去最高益の更新、過去最高の新規月額受注高を更新など、好調な推移となった。
同社は、中期経営計画として「CHALLENGE 2026」を発表しているが、足元業績を踏まえて2025年5月に上方修正している。最終年度の目標は、売上高74,500百万円以上、営業利益率11%以上、ROE20%以上となっている。また、ストック売上比率60%、クラウド年平均成長率36%、セキュリティ年平均成長率30%と注力分野において高い成長目標を設定している。また、クラウド移行の先にあるデータ&AIを活用した付加価値の創出などを新たな成長分野としている。
株主還元については、配当性向45%以上を基本方針とし、2026年3月期予想は1株当たり35円から42円に上方修正された。なお、同社は2025年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っているため、今期は分割後ベースで1株当たり8.5円の増配となる予定。また、市場買付で上限30億円規模、取得期間2025年10月31日~2026年3月31日の予定で自社株買いも実施される。
同社は、IT人材不足や企業のDXニーズを追い風にストックビジネスへの転換に成功し、右肩上がりの成長を遂げてきた。足元株価は年初来高値圏にあるものの、PERは17.5倍と大きな過熱感はなく、さらなる収益性の向上が実現すれば、更なるアップサイドも見込める。ストックビジネスとしての安定性や増配銘柄としての魅力も株価を下支えすると考える。
参考までになるが、IDC定義のITサービスが含まれる事業セグメントの売上が概ね500億~1,500億円であり、かつIDCが推定する国内ITサービス市場の2022年~2024年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)7.3%を上回る中堅ベンダーの中から、同社は高成長中堅ベンダー5社の1社として紹介されている。ITサービスベンダーとしての総合力を持ちながら、競合動向などの外部環境分析から、提供サービスや顧客アプローチの差異化を図り、そこに経営資源を積極投入することで高成長を実現しているという。
<HM>
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