一正蒲 Research Memo(1):2025年6月期は増収もコスト増で減益。2026年6月期は増収増益見込み
一正蒲鉾<2904>は、主力のカニ風味かまぼこ(以下、カニかま)商品を中心に水産練製品を製造・販売する食品メーカーであり、業界第2位のシェアを占める。また、まいたけの生産・販売事業も展開しており、まいたけの生産量では国内第3位である。スーパーなど量販店の全国統一チェーンオペレーションに対応できる営業・生産体制を整え、消費者や生活環境の変化に応じた消費者視点の「モノづくり」に挑戦し続けている。
1. 2025年6月期の業績概要
2025年6月期の連結業績は、売上高34,579百万円(前期比0.3%増)、営業利益891百万円(同29.9%減)、経常利益907百万円(同27.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益746百万円(同22.0%減)と、増収減益となった。主力商品である「サラダスティック」「小判てんぷら」の販売数量が伸長し、売上高は前期を上回った。損益面では、合理化・省人化投資によるコスト削減を進めたが、すり身価格の高止まり、副材料・補助材料費、エネルギーコストの上昇により売上総利益率は20.2%と前期を0.5ポイント下回り、売上総利益は同1.9%減少した。販管費は60周年キャンペーンなどの販促費、人件費、物流費、減価償却費の増加により同4.2%増加し、営業利益は2ケタ減益となった。
2. 2026年6月期の業績見通し
2026年6月期の連結業績は、売上高36,200百万円(前期比4.7%増)、営業利益1,100百万円(同23.4%増)、経常利益1,150百万円(同26.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益750百万円(同0.4%増)と、増収増益を見込む。好調な「サラダスティック」のさらなる拡販、「小判てんぷら」の生産能力向上などによる水産練製品・惣菜事業の販売伸長、並びにきのこ事業の安定栽培、業務用商材などの販売強化により売上高の成長を図る。すり身価格や副材料価格などの高止まりや人件費・物流費の増加を見込むも、2025年3月の価格改定、販売数量増、生産の効率化やコストダウンなどにより吸収し、営業利益は2ケタ増の回復を目指す。
3. 中長期の成長戦略
同社は2046年6月期のありたい姿を描いた「ICHIMASA30ビジョン」を掲げ、10年ずつ3つのステージに分け、各ステージを5年ごとの“第一次・第二次中期経営計画”に分けている。現在は1stステージ(2017年6月期~2026年6月期)で、「成長軌道への5年」と位置付けた第二次中期経営計画(2022年6月期~2026年6月期)を推進している。第二次中期経営計画は、国内外のマーケットへの果敢なチャレンジを通じ、事業の成長力・収益力基盤を確立することを基本方針に取り組んできたが、足元の経営状況を勘案して2026年6月期の数値目標として掲げてきた売上高400億円、営業利益26億円、ROE10%、ROIC9%を、売上高362億円、営業利益11億円、ROE5%、ROIC4%に下方修正した。この計画達成のために、「事業構造の改革」「合理化設備投資の推進」「インドネシア合弁会社の子会社化」「新規事業開発の促進」「組織風土改革」に向けた施策を展開中だ。
■Key Points
・2025年6月期は主力商品の販売好調で増収となるも、コスト増により減益
・2026年6月期は、商品の拡販や価格改定などにより増収増益を見込む
・第二次中期経営計画の仕上げとして事業構造改革、組織改編を実行し、利益体質強化を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘)
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