KaizenPF Research Memo(3):顧客体験DXを実現する「KAIZEN PLATFORM」サービス
1. 事業概要
同社グループは顧客体験DXで企業課題のカイゼンを支援する「KAIZEN PLATFORM」サービスを展開している。多くの企業がDXによって自社の業績を伸ばそうとしているが、DXの推進にあたっては人材不足や旧式のシステムの存在など3つの壁(ノウハウの壁、リソースの壁、インフラの壁)があり、思うようにデジタル化に対応できていないのが現状である。また、生成AIの登場により「顧客体験」と「業務プロセス」のDXをAIが接続する時代が到来し、人員不足で生じる一連の顧客接点のボトルネックをすべて解決して生産性を高めることが重要になっている。
こうした状況に対して同社は、顧客自身(システム管理部門ではなく、営業や顧客管理などの現場のビジネス部門)がDXによるKPI改善を体験することが必要という考え方に基づき、上流のコンサルティングから下流のデジタルマーケティング・制作・開発までグループで顧客ニーズに徹底的に応えるワンストップサービス体制を構築し、顧客に伴走して攻めのDXを加速するマーケティング&ITパートナーとして、顧客のKPI改善や、DXのROI向上を実現する顧客体験DXを提供している。子会社のディーゼロはWebサイト制作・改善ソリューションを、子会社のハイウェルはトランスフォーメーションのSESを展開している。
同社は、従来から生成AIを活用した様々な新サービスの開発を進めており、2024年3月に生成AIを活用したUX(User Experience=顧客体験)改善の新メニュー「KAIZEN AI-UX」をリリース、同年11月にUX改善の技術基盤である「KAIZEN ENGINE」をアップデートした。同年12月には同社とディーゼロがアピリッツ<4174>と協業し、Webサイトに投稿された口コミ・レビューデータへの生成AIを活用した「自動検閲機能」を開発した。2025年1月には東証プライム市場の英文開示義務化に先駆けて、同社のUX・AI技術とディーゼロのIRサイト支援ノウハウを組み合わせ、IR活動のグローバル化(IRサイトの多言語化や運用体制構築など)を支援するパッケージの提供を開始した。また、生成AIの実用化に向けた新たなアプローチとして「KAIZEN AI STUDIO」を設立した。生活や仕事の様々な場面で、まるで魔法をかけたかのように体験をアップデートする様々な機能の開発に加え、企業のAI実装パートナーとしてそれぞれのサービスやツールに最適な形でAI機能を組み込むための伴走支援を行う。同年2月には企業の生成AI活用を支援するワークショップ&プロトタイプ開発パッケージの提供を開始した。
そして同年4月には新たな成長戦略の一環として、従来の個別ソリューション群(UX・CRM・集客・コンサル・開発/SES等)を再編し、生成AI主導のサービスラインナップへ全面的に刷新した。また、従来のプロジェクトごとの月額定額契約に加え、成果が安定的に見込めるフォーム改善やLINEを活用したCRM施策など一部サービスにおいて、初期投資リスクを抑えながらROIの見込める形でUX改善を支援する成果報酬型プランの提供を開始した。このサービスラインナップ刷新は、従来の個別領域ごとのKPI改善ではなく、誰もが自然に使える新しいUX体験を提供することによって顧客収益の最大化を目指し、生成AIを活用して“魔法のような顧客体験”を実現する「Magical UX」を戦略コンセプトとして、顧客企業ごとにカスタマイズされたマネージドクラウド「Kaizen Cloud Service」及び専門家集団の伴走支援サービス「Professional Solution」を提供することにより、AI技術と専門人材がハイブリッドで顧客体験を最適化する。すべてのサービスに生成AIを活用し、クラウドサービスを通じて“まるで魔法のような顧客体験(Magical UX)”を提供するとともに、プロフェッショナルサービスと併せてトータルで企業のDXを支援することを目指す戦略である。
同年6月には「Magical UX」シリーズの新サービスとして、生成AIを活用してフォーム入力を自動化するフォーム入力支援AIエージェント「Kaizen Conversion Agent」、及び検索条件・LINE通知・レコメンドを循環させて“ひとつながりのUX”にするパーソナライズAIエージェント「Kaizen Personalize Agent」の提供を開始した。「Kaizen Conversion Agent」は名刺・履歴書・車検証などの画像/PDF/URLを解析し、入力作業そのものを生成AIが自動で対応する。「Kaizen Personalize Agent」はユーザーのWeb上での検索条件を保存し、データベース更新を検知して最適なタイミングでLINEへプッシュ通知する。今後も「Magical UX」の各アプリや「KAIZEN ENGINE」と連携し、サイト内検索や多言語対応など他エージェントとの組み合わせによる自律型UX改善ワークフローの実現を目指す方針だ。
なおセグメント区分については、従来はグロース(サイト改善・制作や集客・CRM改善などデジタルマーケティングのBPOサービスで顧客の売上成長を支援するソリューション)、及びトランスフォーメーション(DXコンサルティングとIT開発で顧客のDXの投資対効果の改善を支援するソリューション)としていたが、2025年12月期よりプロフェッショナル(コンサル・制作・開発など旧 グロースのクラウド関連サービス以外と旧 トランスフォーメーション)、及びクラウド(旧 グロースのクラウド関連サービス)へ変更した。2025年12月期中間期の売上高構成比はプロフェッショナルが89.9%、クラウドが10.1%だった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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