ナック Research Memo(3):2025年3月期は増収、最終利益以外増益。クリクラ、レンタル事業等が伸長(2)
2. セグメント別の動向
(1) クリクラ事業
売上高は15,668百万円(前期比2.8%増)、営業利益は1,650百万円(同3.3%減)となった。なお、営業利益には2025年3月期に子会社化した(株)コンビボックスに係るのれん償却額4百万円を含む。計画比で売上高は2.7%未達、営業利益は4.0%未達となった。ボトルの宅配不要で定額かつ安価な浄水型ウォーターサーバーへの需要が増加し顧客獲得競争が激化するなか、小型の浄水型ウォーターサーバー「putio」に関する積極的なWeb広告や、ショッピングモールでのイベント営業強化による顧客獲得を進め、販売が堅調だった。また、「ラストワンマイル」を担い顧客と接点を持つ配送員のスキルアップを目的に教育体制を強化した。従来「クリクラカレッジ」では社内の営業担当者や委託先、加盟店スタッフに対する教育活動を行っているが、これまでの対面型に加え、動画等を活用したオンライン型を推進し、効率化により定着を高めた。その結果、顧客サービスの品質向上が「クリクラ」ブランドの価値向上につながり、宅配水「クリクラ」は1顧客当たりのボトル利用本数の増加という成果を上げた。なお、加盟店部門では、加盟店向けサーバー販売数が増加した。また、ブランド全体で取り組んでいる副商材販売も好評で、増収に寄与した。利益面では「putio」への広告投資等を集中的に行ったことで、前期比減益となった。
2024年12月に子会社化したコンビボックスは、元来クリクラのフランチャイズ加盟店として宅配水事業を中心に飲食関連事業等を営んでいる。東北地方を主要営業エリアとし、クリクラ水の製造を行うプラント(工場)を有する地域の主要拠点となっている。事業承継対策として子会社化し、今後は同社との連携強化により事業拡大の拠点となることが期待される。
(2) レンタル事業
売上高は17,850百万円(前期比2.2%増)、営業利益は1,552百万円(同2.8%減)となった。営業利益にはキャンズののれん償却額12百万円を含む。計画比では売上高は0.3%超過、営業利益は14.2%未達となった。ダスキン事業は、売上高13,436百万円(同3.6%増)と増収となった。ダストコントロール部門では顧客件数が減少したものの、ケアサービス部門における価格改定や販促部門での販促企画の強化による受注件数増のほか、ヘルスレント部門におけるダスキンとの資本業務提携に基づく新規出店等による定期顧客数の増加、及び副商材の販売が好調であったことが増収要因となった。害虫駆除器「with」を取り扱うウィズ事業では、売上高2,167百万円(同2.9%増)と増収となった。上期に実施したキャンペーンによる新規顧客数増加に加え、副商材のクロスセルを既存顧客だけでなく新規顧客にも拡大したことが増収に寄与した。また(株)アーネストでは、インバウンド需要の増加を背景に宿泊施設のベッドメイキング等を強化して定期売上が増加した一方、コロナ禍に伴う水際対策支援事業の終了により売上高1,975百万円(同9.3%減)と減収となった。(株)キャンズでは、賃貸物件の原状回復工事においてダスキン事業の法人営業部との連携により受注数を拡大し、売上高417百万円(同46.8%増)と業績に寄与した。利益面では、ダスキン事業での新規出店や人員増、ガソリン価格の高騰に加え、ケアサービス部門の販売管理システム導入に伴う販管費の増加がネックとなり減益となった。
(3) 建築コンサルティング事業
売上高は5,385百万円(前期比4.9%減)、営業利益401百万円(前期は28百万円の利益)となった。なお、営業利益にはナックハウスパートナー(株)ののれん償却額41百万円を含む。計画比では売上高は40.2%未達、営業利益は70.2%未達となった。コンサルティング部門では、ターゲット顧客である地場工務店では、住宅業界の着工棟数減少や、建築基準法改正への対応、コロナ融資の返済開始等の課題を抱え、財務的な事情から経営改善への投資を行う余裕のない状態が続き、複数の商品投入による販促活動のテコ入れを行うも売上高は3,040百万円(同2.0%増)と伸び悩んだ。またナックハウスパートナーではスマートエネルギー事業での売上減、並びに住宅フランチャイズを展開するエースホームブランドにおける上棟数減少といった要因により売上高2,368百万円(同14.2%減)と減収となった。利益面ではコンサルティング部門における拠点統合(全国10拠点を5拠点に集約)や納品物のデータ化(紙媒体のデジタル化)によるコスト削減策が奏功して、営業利益は前期比で大幅に増加した。
(4) 住宅事業
売上高は13,640百万円(前期比44.4%増)、営業利益は426百万円(前期は27百万円の利益)となった。なお、営業利益には秀和住研ののれん償却額37百万円を含む。計画比では売上高は25.1%超過、営業利益は33.2%超過となった。秀和住研の連結効果のほか、ケイディアイでの東京23区内の土地の仕入や販売が好調だったことや、(株)ジェイウッドにおける建売住宅の販売加速が売上面で奏功した。ジェイウッドの売上高は4,504百万円(同4.5%増)と微増だったが、秀和住研及び子会社の(株)秀和による売上高は2,554百万円、(株)ケイディアイの売上高は6,308百万円(同23.8%増)であり、これらの要因が大きい。利益面は秀和住研の増収効果に加え、ジェイウッドでの運営効率化による販管費縮小からの黒字転換が大きく貢献し増益となった。
(5) 美容・健康事業
売上高は7,420百万円(前期比11.0%増)、営業利益は332百万円(同11.4%増)となった。営業利益にはJIMOS、(株)トレミー、TOMOEワインアンドスピリッツ(株)ののれん償却額150百万円を含む。計画比では売上高は7.2%未達、営業利益は7.6%未達となった。化粧品・健康食品の通販等を行うJIMOSでは、「MACCHIA LABEL」ブランドでのファインバブルを活用した化粧水がヒットし主力製品に成長したほか、「SINN PURETE」ブランドのヘアケアアイテムやフレグランスの売行きが好調で売上高5,013百万円(同0.9%増)と増収となった。(株)ベルエアーは会員の高齢化に伴う退会が増加し売上高275百万円(同2.9%減)と減少した。(株)アップセールはヘアケア商品の供給不足による仕入減の影響を他の取扱商品のバリエーション拡充によりカバーすべく仕入を強化したが、売上高532百万円(同25.9%減)と減収となった。またトレミーでは主要顧客からの受注の減少により売上高828百万円(同10.1%減)となった。しかし、2025年3月期より通期で連結対象となったTOMOEワインアンドスピリッツが、これまでの卸販売に加え、シナジーを活用して同社グループ顧客への販売を展開し、売上高930百万円を上げ全体売上を支えた。利益面ではJIMOSの増収が寄与し増益につながった。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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