ヤマノHD Research Memo(4):事業ポートフォリオ最適化に向けセグメント変更(2)
(2) コアバリュー
a) ヤマノホールディングス<7571>の美容事業
同社グループの美容事業は、首都圏、関西圏を中心に全国67店舗、FC契約型で6店舗を展開する美容室と、「手足手入れの専門店」という高い品質で都内好立地に4店舗を展開するネイルサロンで構成している。美容室は、顧客の年齢や価格に応じた「My jStyle」「PLAZA HAIR」「La Bonheur(ラボヌール)」の3ブランドを運営する。「MY jSTYLE」は中高年層を中心としたアンチエイジングサロンとして、低価格帯で関東を中心に地域をドミナントする形で店舗展開している。アンチエイジングとして天然食材使用の『山野式ヘッドスパ』を提供する。美容室ではスタイリストに顧客が付いて回るケースが多いが、「MY jSTYLE」は地域密着型であり店舗に顧客が付いているところが強みとなっている。「PLAZA HAIR」は小さい子どもが遊べるキッズルームと子どものカットも行うキッズコーナーを店舗内に設置したファミリーサロンとして、ファミリー層をターゲットに商業施設内において中価格帯で店舗展開をしている。2019年10月にL.B.Gを買収することでグループ入りした「La Bonheur」は、20代〜30代の女性をターゲットにして顧客のライフスタイルに合わせた個性的なヘアスタイルを提案するサロンを東京、埼玉を中心に11店舗を展開するほか、ヘアトリートメントなど美容商品を販売するオンラインショップも手掛けている。高価格帯であるほか、ホットペッパーから効率的に誘客している点が強みだ。同社グループとしては、「La Bonheur」が加わったことで全年齢層を顧客化し、各価格帯を網羅できた点が強みとなったが、今後は店舗数が少ない「La Bonheur」への業態転換を進める。
「NAIL CARE SALON miura」は約30年の営業実績があり、本業界の先駆けとしてのブランドを構築している。ネイルと手足ケアのサロンを東京都吉祥寺と荻窪、大阪・南港ポートタウンで展開する。荻窪店は「MY jSTYLE」店舗に併設、大阪・南港ポートタウン店は「PLAZA HAIR」店舗に併設する。井の頭通り店では有機ゲルマニウム手足温浴やアロママッサージをリラクゼーション・スパメニューに加えているほか、各店舗でフェイシャルエステも開始している。
美容事業は、従来は同社が「MY jSTYLE」「PLAZA HAIR」を、L.B.Gが「La Bonheur」を、みうらが「NAIL CARE SALON miura」を、3部門でそれぞれ個別に運営していた。しかし、事業環境の変化に伴い美容店舗内での着付サービスの拡充、2022年1月「MY jSTYLE」とみうらのコラボ店の出店(2023年7月には「PLAZA HAIR」とコラボ出店)、2022年7月「MY jSTYLE」「PLAZA HAIR」から「La Bonheur」への業態変更など、部門を横断した施策を進めてきた。その事業変革を加速するため、2022年10月に同社と子会社2社で運営していた美容事業の営業部門はヤマノプラスに集約・統合、店舗開発・経営企画・総務人事などの管理部門は同社に集約し、機動的かつ迅速な意思決定を行う組織体制を再編整備した。これにより、各部門が持つ特色を互いに活かした人財交流を活性化することで新たなサービス創出を促し、また、人財採用の一元化と育成プランのナレッジ・ノウハウ共有を進め、人財配置の最適化を図る体制整備を行うことで、美容師の確保という美容事業の重要課題をクリアしつつ、マーケティング力や販促企画力の強化も図ってきた。
2026年3月期は事業ポートフォリオの最適化に向け、美容事業を和装宝飾・ライフプラスとともに「コアバリュー」にセグメント変更し、「コアバリュー」の位置する成熟市場において競争優位性を高める計画である。そのため、2025年10月にヤマノプラスを同社に吸収合併することを決定した。同社と組織を一体化させることで、和装宝飾事業との事業間シナジーを強化する。「顧客接点拡大に向けた商品サービスの強化(市場競争の激化に対応した新商品・サービス創出)」×「人財の相互交流による販売力・提案力の向上(販売基盤・ブランド・専門性の融合)」×「管理業務効率化によるプロセスの最適化(業務フローの効率化と連携強化による管理業務の迅速化・高精度化の推進)」により独自性のある提供価値を探り競争優位性を高める考えだ。また、新事業となったフォト事業とのシナジーも高める考えだ。
b) 和装宝飾事業
和装宝飾事業は和装部門、宝飾部門、毛皮部門で構成される。和装部門は、同社と子会社すずのきが呉服和装品専門店を中心に全国に96店舗を展開し、和装品などの販売だけでなく、前楽結びなどの着付教室、きものパーティーなどのイベント開催、着用後のアフターフォローなど、きものを通して和装文化の情報発信も行う。同社が、呉服和装の実店舗として全国で「東京きもの愛-Aiko-」「きもの京都」「kimono錦」「きものの錦」「京のきもの屋 四君子」「ら・たんす」「きもの日本橋 かのこ」の7系列を、子会社すずのきは、東北・関東・中部エリアにおいて実店舗として「すずのき」「絹絵屋」「たまゆう」の3系列を展開している。加えて、同社は、オンラインショップとして「yorimichi KIMONO」「和ne Dess(わんどれ)」も運営している。宝飾部門は、同社が関東を中心に宝石・貴金属・時計の専門店チェーン「YAMANO JEWELRY」「サトウダイヤモンドチェーン」の2系列を展開している。毛皮部門は、ファー・レザーの専門店「ユキベルファム」を4店舗展開している。
c) ライフプラス事業(旧 DSM事業)
同社の訪問販売・催事販売関連部門が販売を行っている。洋装品を中心とした展示販売会や訪問販売によるダイレクトセールスを全国28拠点で展開している。取扱商品はアパレル、毛皮、レザー・コート、バッグなどの洋装品、ジュエリー、着物、ウィッグ、健康商材、ミシンなど幅広いラインナップを揃える。訪問販売のみでは難しい品揃えを、ジュエリーフェア、きものパーティーなど、テーマを絞った催事・展示会を随時開催して提供する。また、ブラザー販売特約店である各店舗では、親子ミシン教室、キルト教室などを随時開催し、ミシンを使った「ものづくり」を提案している。
d) その他
そのほかに事業として、ヤマノセイビングが前払式特定取引業を、日本技術技能教育協会が着物着付教室を運営している。ヤマノセイビングは、組織する友の会を通じて顧客がDSM商品を購入した場合の取次手数料を収益としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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