オービーシステム Research Memo(1):旺盛なシステム開発需要で売上高は過去最高。売上高100億円が視野に
オービーシステム<5576>は、日立製作所<6501>グループ、三菱電機ソフトウエア(株)※1等を主要顧客として、金融事業、産業流通事業、社会公共事業、ITイノベーション事業の4つ事業領域でソフトウェアの設計・開発・保守などのシステムインテグレーションサービスを展開する独立系IT企業だ。自社製品「臨床検査システム/CLIP※2」「健診システム/MEX-Plus※3」も展開している。
※1 2022年4月に三菱電機<6503>のソフトウェア設計子会社6社が経営統合し「三菱電機ソフトウエア」に社名変更している。
※2 血液、血清、細菌、病理、生理といった検査部門ごとにデータ管理する分散型処理機構と検査室の依頼、検査データを一元管理する臨床検査システム。
※3 病院及び健診センターにおける、人間ドックや企業診断等をサポートする健康診断支援システム。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上高7,684百万円(前期比※111.4%増)、営業利益562百万円(同4.8%減)、経常利益611百万円(同3.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益485百万円(同9.9%増)となった。売上高は過去最高を更新した。金融機関等のマイグレーション※2やDXの進展に伴うクラウド化等の需要拡大により各事業とも好調に推移した。また、2024年4月にM&Aにより子会社化した(株)ヒューマン&テクノロジー(以下、H&T社)の業績も貢献した。旺盛な需要に対応するための開発人員の増員、BP(ビジネスパートナー)企業への外注比率アップなどもあるが、開発単価への転嫁や効率化の取り組みにより売上総利益率は前期比1.3ポイント上昇し増益を確保した。一方、新卒の採用倍増、H&T社のM&A、連結決算に伴う費用増、2025年5月に700百万円を投資して子会社化した(株)グリーンキャット(以下、GC社)のM&A費用などの成長投資により販管費が膨らみ、営業利益、経常利益は前期を下回った。ただし、政策株式の段階的な売却に伴う売却益84百万円を計上し親会社株主に帰属する当期純利益は前期を上回った。2023年3月期の税効果会計による特殊要因を除けば、実質的には過去最高となる。
※1 前期比較はすべて2024年3月期の単体数値との比較のため参考値。
※2 システムやデータを新しい環境(基盤)に移行すること。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上高9,400百万円(前期比22.3%増)、営業利益720百万円(同28.0%増)、経常利益767百万円(同25.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益590百万円(同21.6%増)といずれも20%超の増収増益の見通しだ。クラウド化など旺盛なシステム投資需要による受注が継続し、オーガニックで8%程度の成長が期待できることに加え、2025年5月より連結対象となるGC社の業績が8ヶ月分寄与する。GC社は大手SIer(システムインテグレーター)であるBIPROGY(旧 日本ユニシス)<8056>と40年近い取引がある金融系に強いSIerであり、需要が好調であるとともに同社との大きなシナジーが期待できる。一方、外注単価、人件費などの上昇に加え、新卒採用の増員、教育・研修費用の増加、のれん償却費用など成長投資が先行するが、受注増や受注単価への転嫁により吸収する計画だ。
3. 中期経営計画の進捗
2024年5月に単体の中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)を公表したが、H&T社の買収に伴い同年10月に連結ベースの計画に修正した。2027年3月期の売上高は単体で85億円を目標とし、さらに業務提携やM&Aなど新事業の創出・拡大により連結で100億円規模を目指す点は変わらないが、利益目標は変更し、営業利益を9.3億円から10.4億円に、親会社株主に帰属する当期純利益を7.2億円から7.6億円にそれぞれ引き上げた。業務システム開発力・人材の計画的な強化と特徴ある技術/ソリューションを保有する企業との業務提携を拡大し既存事業を拡大するとともに、広く協業できる企業との業務提携やM&Aにより新事業を創出・拡大する戦略に変更はない。既にH&T社、GC社のM&Aにより事業領域を拡大し、売上高の目標100億円は視野に入った。業務提携については、2024年4月に提携した(株)MILIZE(ミライズ)と自社医療パッケージ「CLIP」にAI機能を搭載し音声によるシステム操作機能を備えた「CLIP Ver5.1 AI」を共同開発し、2025年4月から販売を開始した。なお、株主還元については、従来30%以上としていた配当性向の目標を、2027年3月期から40%超に見直した。
■Key Points
・2025年3月期から連結経営スタート。
・2025年3月期は、好調なシステム開発受注により売上高は過去最高を更新。営業利益は2件のM&Aなど成長投資により減益となるも、親会社株主に帰属する当期純利益は実質過去最高を更新
・2026年3月期は連結経営拡大により20%超の増収増益を見込む
・既存事業の拡大と新事業の創出・拡大により2027年3月期売上高100億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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