フタバ Research Memo(2):グローバル展開する自動車等車両部品製造・販売のリーディングカンパニー
1. 会社概要
フタバ産業<7241>は、国内有数の大手自動車部品メーカーであり、自動車マフラーのシェアでは国内首位、海外でもトップ3に入る。同社と関連会社を含めて国内4社、海外18社(米国4社、カナダ1社、英国1社、チェコ1社、中国6社、台湾1社、インド2社、インドネシア2社)でグループを形成し、国内12拠点に加え、7ヶ国15拠点でグローバル展開する。自動車等車両部品を製造・販売する自動車部品事業が売上高の9割超を占め、同社の技術の核となる塑性成型・溶接技術を生かしたボデー/内装部品、マフラーやエキゾーストマニホールドなどの排気系部品を製造・販売する。そのほか、ボデー骨格を組立溶接する大型設備を設計・製作し完成車メーカーの工場へ納入する外販設備事業、ハウス栽培用CO2貯留・供給装置を製造・販売する農業事業等が売上高の1割弱を占める。
同社は、株式の31%を出資するトヨタ自動車の関連会社であり、トヨタグループへの売上高が8割以上を占めるが、トヨタグループ以外にも国内外の数多くの自動車メーカーを得意先とする。一方、トヨタグループを主要得意先とする強みもあり、コロナ禍では海外工場の生産停止や物流混乱による半導体不足などで各自動車メーカーの販売台数が減少するなか、トヨタ自動車は他社よりも減少幅が小さく、2020年は減少したものの販売台数は世界トップに、2021年と2022年は前年を上回る実績を確保できたため、同社の売上高も2021年3月期は前期比2.0%減となったが、2022年3月期には同22.6%増と急速に回復した。
2025年3月期の製品別売上構成では、売上高の49.6%を排気系/燃料系部品が占め、ボデー/内装部品が40.1%、足回り部品が5.7%、その他(外販設備、農業製品)が4.7%を占める。これは、得意先から有償支給されマフラー内部に使用される触媒などの支給品額を売価に含めた売上高のシェアであり、支給品額を除いた売上高(支給品除く)では排気系/燃料系部品のシェアが28.6%と下がり、ボデー/内装部品が55.9%、足回り8.3%、その他7.3%とシェアが上昇する。
なお、同社はセグメントを日本、北米(米国、カナダ)、中国、欧州(英国、チェコ)、アジア(インド、インドネシア)と市場別に区分しており、売上高の55.1%が海外売上高である。北米が29.2%、中国が10.0%、欧州が8.7%、アジア(国内を除く)が7.3%を占める。売上高(支給品除く)では、52.3%が海外売上高であり、北米が27.3%、中国が12.4%、欧州が8.5%、アジアが4.1%を占める。
2. 沿革
同社は1945年11月、愛知県岡崎市で電元社製作所(現 電元社トーア(株))の技術者数名と三菱重工業<7011>名古屋航空機製作所の中村孝氏らがフタバ産業として起業した。社名は「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」のことわざにちなんで定めたもので、漁網機やパイプ製家具などの製造からスタートし、初代社長には電元社の益子史朗氏が就任した。その後、パイプ曲成型・接合技術を自動車部品に活用し、1948年には自動車用排気管の生産を開始している。自動車産業の発展に合わせて事業を着実に拡大し、1960年代までに工場新設や本社の移転等を進め、国内生産拠点を拡充した。1968年には名古屋証券取引所第二部に株式上場を果たすと、1970年にはトヨタ品質管理賞を受賞、その後、排気系部品やシャシー部品、車体補強部品など主力製品のラインナップを広げた。1980年には世界初の造管ベンダーを実用化し、同年に東京証券取引所(以下、東証)第二部にも上場した。1986年には東京・名古屋両証券取引所の第一部に指定替えとなり、同時期に(株)アピックスを子会社化して生産体制を強化した経緯がある。
1990年代からはついに海外進出を本格化させ、1994年に米国イリノイ州に初の海外拠点を設立したのを皮切りに、英国や中国などに現地法人を展開した。2000年代にはカナダやチェコなど世界各地に生産拠点を設け、グローバルサプライヤーとしての地位を確立した。技術革新にも積極的に取り組み、2000年代にはディーゼル車向けDPF(排気浄化フィルタ)や排熱回収装置POWEREV(R)の開発・量産を開始した。2015年にはホットスタンプ工法を導入し、軽量高強度の部品生産を実現している。さらに事業領域の拡大を図り、2017年には農業分野に参入してCO2貯留・供給装置の提供を開始した。創業からの「環境・安心・豊かな生活」という価値創造の理念の下、フタバ産業は持続的な成長と社会貢献を目指し歩み続け、2025年11月で創立80周年を迎える。なお、現在は東証の市場改編に伴ってプライム市場(名古屋証券取引所はプレミア市場)銘柄となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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