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泉州電業 Research Memo(1):独立系では業界トップクラスの電線総合商社。財務内容は堅固で株主還元にも積極的


泉州電業は独立系で国内トップクラスの電線総合商社で、約250社以上の仕入先と5万点以上の商品在庫を持つ。また、オリジナル商品で差別化を図り、「必要な時に必要な量を」に対応するデリバリー体制が強みである。2025年10月期中間期の売上は前年同期比4.3%増、しかし営業利益は6.0%減となった。通年では売上高が2.8%増の予想で、次期に経常利益130億円やROE15%以上を目標とする中期経営計画を維持している。また、財務体質は良好で、業績に応じて配当を増加し、2025年も増配を発表。株主還元策としての自社株買いも積極的に実施している。

*12:01JST 泉州電業 Research Memo(1):独立系では業界トップクラスの電線総合商社。財務内容は堅固で株主還元にも積極的 ■要約

泉州電業<9824>は、独立系では国内トップクラスの電線の総合専門商社である。仕入先は約250社以上、在庫商品アイテム数は約5万点に上り、「必要な時に必要な量を」に対応できるデリバリー体制(JUST IN TIME)が強みである。自社が独自で販売するオリジナル商品で差別化を図っている。

1. 2025年10月期中間期の業績概要
2025年10月期第2四半期(以下、中間期)の連結業績は、売上高68,982百万円(前年同期比4.3%増)、営業利益4,798百万円(同6.0%減)、経常利益5,025百万円(同5.7%減)、親会社株主に帰属する中間純利益3,405百万円(同7.3%減)となった。平均銅価格は、1,443千円/t(同9.2%増)であった。建設向けを中心に電力用ケーブルは堅調に推移したが、機器用・通信用電線が半導体製造装置関連や工作機械向けなどを中心に停滞し、売上高は前年同期比4.3%増に留まった。損益面では、製品構成の変化(利益率の高い商品の売上高構成比の低下)により売上総利益率が同0.6ポイント低下し、売上総利益は同0.1%減と前期並みに留まった。一方で、販管費は人件費を中心に同5.6%増と予算どおりに増加したことから、営業利益は同6.0%減となった。

2. 2025年10月期の業績見通し
2025年10月期の連結業績は、売上高140,000百万円(前期比2.8%増)、営業利益11,000百万円(同6.3%増)、経常利益11,200百万円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,700百万円(同1.6%増)を見込んでおり、期初予想と変えていない。平均銅価格は1,450千円/t(同2.9%増)との前提だ。中間期は期初予想を若干下回ったが、下半期には電力用ケーブルは引き続き堅調に推移すると予想されることに加えて機器用・通信用電線の需要も回復してくるとの見方から通期予想を据え置いた。容易な目標ではないが、弊社では達成は十分可能だと見ており、今後の動向に注視したい。

3. 中期経営計画
同社は、2027年10月期を最終年度とする「中期経営計画:SS2027」を発表しているが、現時点でこの計画の内容は変えていない。定量的目標として、2027年10月期に売上高1,600億円、経常利益130億円、ROE15%以上、配当性向35%以上、株主総還元率50%以上、PBR2.0倍以上を掲げている。この目標を達成するための事業戦略としては、「オリジナル商品開発及び加工部門強化で直需部門の売上UP」「自社ブランド含む非電線商品の開発及び拡販、新分野の開拓」「関東地区営業強化及びその他地区のシェア拡大」「JUST IN TIME体制の充実」「グローバル展開の強化(グループ収益向上)」「サステナビリティ経営」「泉州変革プロジェクトの推進」を掲げている。この目標達成に向けて、今後同社が質的にどのように変わっていくのかにも注目したい。

4. 株主還元策
同社の財務体質は良好であり、加えて「今後は資本効率を改善し、ROE15%以上を目指す」としている。その実現のための具体策として、配当を継続的に増配している。2024年10月期は、期初は1株当たりの年間配当を120円と予定していたが、好調な業績を受けて最終的には年間130円(中間65円、期末65円)へ増配した。2025年10月期は、期初は年間140円の配当を予定していたが、これを年間150円(中間75円、期末75円)に増配することを発表済みだ。これで実質12年連続の増配となる見込みだ。

加えて同社は、自社株買い(自己株式取得)も積極的かつ継続的に行っている。2025年10月期中間期中に、100千株(466百万円)の自社株買いを行い、かつ500千株を2025年5月に消却した。加えて、2025年10月末までに上限200千株(上限金額1,000百万円)の自社株買いを行うことを発表済みだ。このような積極的な株主還元と資本効率の向上に向けた同社の姿勢は評価できる。

■Key Points
・独立系では業界トップクラスの電線総合商社。オリジナル商品で差別化を図る
・2025年10月期中間期は営業減益も、通期では前期比6.3%増を見込む
・中期経営計画では2027年10月期に経常利益130億円、ROE15%以上を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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