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ドリーム・アーツ Research Memo(1):2024年12月期は2ケタの増収増益


ドリーム・アーツの2024年12月期は、売上高5,033百万円、営業利益773百万円、経常利益766百万円、純利益551百万円と2ケタ増収増益を達成。「SmartDB」などのSaaSプロダクトが引き続き成長しており、クラウド事業の売上高比率が77.3%に上昇。クラウドビジネスモデルへの移行が進み、安定した収益基盤が形成されつつある。2025年12月期も売上高は5,600百万円と11.3%増が見込まれるが、成長投資拡大により利益の増幅は緩やかになる予定。今後は「SmartDB」の拡販やM&Aを通じて、中長期的な成長を図る方針。

*13:01JST ドリーム・アーツ Research Memo(1):2024年12月期は2ケタの増収増益 ■要約

ドリーム・アーツ<4811>は、「協創する喜びにあふれる人と組織と社会の発展に貢献する」をミッションに掲げ、大企業向けノーコード※1開発ツール「SmartDB(R)(スマートデービー)」(以下、「SmartDB」)をはじめとしたSaaS※2プロダクトを提供するクラウドサービスベンダーである。「デジタルの民主化」をコンセプトに掲げ、ITの専門知識を持たない現場部門のビジネス系人材を巻き込んだクラウド時代の業務デジタル化を推進する。なお、東京と広島の2本社体制を敷いている。

※1 ノーコード開発:アプリケーション開発に必須であったプログラミング言語によるソースコードをパーツとしてビジュアル化し、欲しいパーツを直感的に配置することで開発できるツールを利用した開発のこと。
※2 SaaS:Software as a Serviceの略。クラウド上に構築されたソフトウェア・アプリケーションをインターネット経由で利用するサービス。従来のようなパッケージソフトウェアを購入し、ハードウェアにインストールするなどの必要はなく、インターネットでアクセスするだけで利用できる仕組み。

1. 2024年12月期の業績概要
2024年12月期の連結業績は、売上高5,033百万円(前期比13.4%増)、営業利益773百万円(同33.9%増)、経常利益766百万円(同36.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益551百万円(同29.9%増)と2ケタ増収増益となった。主力のホリゾンタルSaaS※1(提供ツール「SmartDB」「InsuiteX(R)(インスイートエックス)」(以下、「InsuiteX」))が高い成長を堅持し業績をけん引した。導入企業が増加するとともに、「SmartDB」が全社で利用されるシステムに採用されるなど新規案件が大型化し、売上高は同32.6%増と好調だ。バーティカルSaaS※2(提供ツール「Shopらん(R)」(以下、「Shopらん(ショップラン)」))も加えたクラウド事業の売上高比率は77.3%と前期を6.9ポイント上回り、オンプレミス事業※3も含めたストック売上高比率は88.0%と前期を5.2ポイント上回った。目標としていたクラウド事業へのビジネスモデル転換の仕上げに一区切りをつけ、安定した収益基盤を整えたと言えよう。損益面では、クラウド事業の成長に伴いインフラコストが増加したが、ストック型収益が積み上がり売上総利益率は57.1%と前期を3.8ポイント上回った。販管費は積極的な販促活動と昇給・増員により広告宣伝費及び人件費が増加したが、売上総利益の増加で吸収し営業利益ほか各段階利益とも大幅な増益となった。

※1 ホリゾンタルSaaS(Horizontal SaaS):業界を問わず特定の部門や機能に特化したSaaS。企業組織に共通する業務課題を解決するために利用される。
※2 バーティカルSaaS(Vertical SaaS):特定の業界に特化したSaaS。業界特有の業務課題を解決するために利用される。
※3 オンプレミス(on-premises):プレミス(premise)は「構内」「店内」などを意味する。サーバーやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設内に設置して運用すること。

2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の連結業績は、売上高5,600百万円(前期比11.3%増)、営業利益778百万円(同0.6%増)、経常利益874百万円(同14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益605百万円(同9.9%増)と2ケタ増収を維持するが、成長投資を拡充し増益幅は縮小する見込みだ。前期よりクラウド移行提案などの「剪定戦略」(剪定=最新プラットフォームへの移行促進、技術的負債になり得る機能削減により将来のシステム負荷を軽減する)を進めてきた結果、一部顧客の解約も計画に織り込んでいる。クラウド事業の売上高は同16.0%増を見込むが、オンプレミス事業の売上高は解約に伴い同17.1%減を見込む。また、2025年12月期は、増収分をすべて人的リソースの拡充や広告販促活動の強化のための成長投資に投下する計画だ。同社では、今後の中長期的な成長のために経営基盤を固める「非連続的な成長に向けて基盤整備を進める年」と位置付けている。全社規模で「SmartDB」を利用する顧客が増えたこともあり、人的リソースの拡充は成長には不可欠だ。純増で30名確保を目指している。そのため、営業利益は同0.6%増と前期並みを見込む。経常利益は、営業外収益で保険の解約返戻金96百万円の発生を見込んでおり、同107百万円増となる。

3. 中長期の成長戦略
今後の成長戦略として、主力製品「SmartDB」の拡販を成長ドライバーとして顧客基盤を拡充し、アップセル、クロスセルによるオーガニックな成長、そして戦略パートナーを拡大し、「SmartDB」を扱える人材を創出し成長を図る。加えて、収益基盤が整ってきたこともありM&Aの案件を創出する方針だ。2025年に入ってM&Aの担当部署も立ち上げ、実務体制の構築に乗り出した。アップセル及びクロスセルについては、2024年9月にはグローバル展開する日本の大企業の海外DX支援サービス「Global Connect」(グローバルコネクト)を「SmartDB」の機能・オプションとして展開することをリリースするなど、製品のオプションを継続的に開発・追加しており、それらを背景として順調に進むと見られる。

■Key Points
・「SmartDB」の高い成長によりクラウド事業へのビジネスモデル転換が進捗
・2024年12月期はクラウド事業の成長により2ケタ増収増益、増配も実現
・2025年12月期は中長期的な成長基盤を確保するための成長投資を拡充

(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)

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