フルサト・マルカHD Research Memo(4):2024年12月期は需要回復遅れで減収減益も、期後半に回復傾向
フルサト・マルカHDの2024年12月期は、需要回復が予想より遅く、売上高および利益が減少する見込みです。主力の機械・工具および建設資材の需要の鈍化が影響し、売上高は前年同期比6.5%減の161,716百万円、営業利益は32.3%減の3,860百万円となりました。特に、機械・工具部門では国内外で需要の遅れが顕著で、全体で減収減益となりました。一方で、IoTソリューション部門は好調で、大幅な増収増益を達成しています。財務状況は堅調で、自己資本比率は59.9%と高い水準を維持しています。また、政策保有株式の縮減を進め、財務の健全性を保ちつつキャッシュ・フローの改善に努めています。
1. 2024年12月期の連結業績概要
2024年12月期の連結業績は、売上高が2023年12月期比6.5%減の161,716百万円、営業利益が同32.3%減の3,860百万円、経常利益が同30.0%減の4,659百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.8%減の4,613百万円だった。主力の機械・工具及び建設資材の需要回復遅れなどによる減収影響に加え、販管費の増加により各利益は減益だった。売上総利益は同4.9%減少したが、売上総利益率は同0.3ポイント上昇して15.9%となった。機械・工具や建設機械のプロダクトミックス改善などが寄与した。販管費は同2.4%増加し、販管費比率は同1.2ポイント上昇して13.5%となった。この結果、営業利益率は同0.9ポイント低下して2.4%となった。
営業利益1,844百万円減少の増減要因分析は、売上減少に伴う粗利減少が1,757百万円減益要因、粗利率向上が429百万円増益要因、営業費増加が235百万円減益要因(荷造運賃増加が53百万円減益要因、広告宣伝費増加が89百万円減益要因、貸倒引当金繰入額増加が46百万円減益要因など)、人件費増加が90百万円減益要因(役員報酬等減少が98百万円増益要因、給料手当賞与増加が242百万円減益要因など)、一般管理費増加が190百万円減益要因(減価償却費増加が150百万円減益要因、賃借料減少が84百万円増益要因、支払手数料増加が81百万円減益要因)だった。特別利益には政策保有株売却による投資有価証券売却益2,378百万円を計上、特別損失には減損損失419百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は微減益となった。なお前回予想(2024年7月26日付の修正値、売上高163,200百万円、営業利益3,800百万円、経常利益4,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,550百万円)との比較では、おおむね計画水準で着地した。
機械・工具と建設資材が低調、建設機械とIoTソリューションは好調
2. セグメント別の動向
機械・工具は売上高が2023年12月期比10.6%減の104,767百万円、営業利益(全社費用等調整前)が同46.3%減の2,019百万円だった。全体として需要回復の遅れで大幅減収減益だった。国内の機械売上は同11.5%減収だった。通期ベースでは2ケタ減収だが、期後半にかけて自動車産業を中心に設備投資が若干増加傾向となり、受注も工作機械を中心に増加傾向となった。海外の機械売上は同23.9%減収だった。主要エリアである北米(同25.6%減収)は高金利や大統領選挙に伴う買い控えが継続したが、引き合いは徐々に増加傾向となった。中国(同53.5%減収)は経済低迷の影響で日系自動車メーカーの設備投資減少が継続した。東南アジア(同0.3%増収)はインドネシアやマレーシアが減収だが、タイの複数の投資案件が寄与した。なお全社売上高に占める海外売上高比率は同3.4ポイント低下して14.9%となった。国内の工具売上は同0.2%減収だった。自動車産業を含む金属加工業界での消耗品が伸び悩んだ。
建設資材は売上高が同0.7%減の44,947百万円、営業利益が同20.6%減の1,576百万円で減収減益だった。鉄構資材(同0.6%減収)は資材価格上昇、人手不足、建設業働き方改革(4週8閉所)などの影響で鉄骨建築需要が減少した。配管資材(同6.1%減収)は大口案件の受注があったものの、全体としては価格競争の影響を受けた。住宅設備(同8.6%増収)は価格改定効果などで増収だった。
建設機械は売上高が同10.6%増の8,413百万円、営業利益が同144.8%増の200百万円だった。前回予想を上回る大幅増収増益と好調だった。クローラークレーンの受注が増加したほか、中古車の販売に注力したことなども寄与した。
IoTソリューションは売上高が同19.4%増の3,588百万円、営業利益が同393.7%増の188百万円と大幅増収増益だった。大手警備保障会社向けなどプロジェクトの継続的受注や優良顧客数の増加により収益構造が安定化したことに加え、経費削減なども寄与した。
財務の健全性は高い
3. 財務の状況
財務面で見ると、2024年12月期末の資産合計は2023年12月期末比479百万円増加して120,821百万円となった。主に受取手形及び売掛金が2,757百万円減少、投資有価証券が2,028百万円減少した一方で、現金及び預金が5,783百万円増加、有形固定資産が747百万円増加した。負債合計は同175百万円減少して47,448百万円となった。主に電子記録債務が416百万円増加、契約負債が453百万円増加した一方で、繰延税金負債が892百万円減少したほか、長短借入金合計が477百万円減少して917百万円となった。純資産合計は同654百万円増加して73,373百万円となった。その他有価証券評価差額金が1,153百万円減少した一方で、利益剰余金が2,508百万円増加、自己株式(減算)が630百万円増加した。この結果、自己資本比率は同0.2ポイント上昇して59.9%となった。
なおフルサト・マルカホールディングス<7128>は2024年3月28日開催の取締役会において政策保有株式の縮減を決議した。対象は約40社、保有簿価約647百万円(2023年12月末時点)である。投資先企業と丁寧に対話した上で売却を進める方針としている。キャッシュ・フローの状況を含めて全体として特に懸念点は見当たらず、財務面の健全性は高いと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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