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ビーイングホールディングス:「運ばない物流」で2024年問題下でも高い利益成長


ビーイングホールディングスは、生活物資に特化した物流事業で2024年問題下でも高い利益成長を見せています。2024年12月期第3四半期で、前年同期比で営業収益16.2%増、営業利益19.7%増を記録し、過去最高を達成しました。これには独自の物流総合システム「Jobs」によるデータ分析と原価管理が寄与しています。3PLや4PL事業を展開し、最適化された「運ばない物流」を推進しています。さらに、M&Aや拠点拡大を進め、全国展開を目指しています。従業員待遇の改善を図り、ドライバー不足の影響は現状ありません。株主還元では、配当性向を重視し安定した配当を続けています。

*10:18JST ビーイングホールディングス:「運ばない物流」で2024年問題下でも高い利益成長 生活物資に特化した物流事業や旅客事業等を営むビーイングホールディングス<9145>の株価に割安感が増している。

2024年12月期の第3四半期決算は、累計営業収益が前年同期比16.2%増の22,178百万円、営業利益が同19.7%増の1,488百万円となり、過去最高の営業収益及び営業利益を達成した。物流事業における営業収入増の内訳は、新規業務分が+553百万円、前期稼働分が+1,250百万円、既存拡大分が+1,289百万円とバランス良く成長している。生活物資の消費が堅調に推移したことで荷動きが活発であったことも寄与した。これまで同社独自の物流総合システム「Jobs」に蓄積されたデータを分析し、予測される物量に合わせ原価コントロールを徹底した結果、従業員の待遇を改善しながら既存拠点での新規業務開始など物流資源の有効活用ができており、(1)第3四半期(単体)の営業利益率を見ると、2年前から1.3pt増の7.3%まで上昇してきている。(2)営業利益率は、2年前から2.0pt増の6.7%まで上昇してきている。通期の営業収益は前期比13.2%増の29,800百万円、営業利益は同15.2%増の2,070百万円と増収増益見通しに比した進捗は、極めて順調と想定される。10月までの累計月次営業収益も前年同期比15.6%増である。

なお、同社は顧客のロジスティクスを企画・提案し、自社及び顧客の物流センターの輸送・保管・包装・荷役・流通加工・情報システムの構築を一貫して推進する3PL(Third Party Logistics)事業を主軸に、同業他社に3PL事業をプロデュースしてサプライチェーン全体を管理する4PL(Fourth Party Logistics)事業を展開する。メーカー、卸売、小売間でそれぞれ実施する拠点間配送、在庫管理、検品作業などを拠点物流センターに集約し、構内作業工程や配送業務の徹底した合理化により全体最適化する「運ばない物流」を提案・構築・運営している。また、同社独自の物流総合システム「Jobs」を開発し、物流D X化・見える化も行っている。2023年12月期時点で計58拠点を運営し、顧客企業は25社、大口顧客はクスリのアオキ<3549>、三菱食品<7451>の2社で、前期実績で営業収益の約45%程度を占めている。

同社は今後、引き続き生活物資に特化した物流への経営資源の集中投資を実施し、既存の顧客25社のシェアアップに注力していく。M&Aによる拡大も検討しつつ、既存エリアの受託業務拡大を行い、中長期的に全国に物流拠点開設を目指す。また、長期的には「Jobs」の機能を拡張し、同システムの販売による収益拡大も検討しているようだ。そのほか、「物流の2024年問題」については、同社は2019年から先行対応しており、ドライバーの時間外労働時間を段階的に引き下げ、将来的に時間外労働時間年間720時間以内を目指している。ドライバーを含めた全従業員の賃上げを実施しており、ドライバーの人手不足などの問題も同社には現状影響がない。株主還元では、配当性向やDOEを考慮しながら長期的に安定した配当継続を志向。足もとでは連続増配を続けている。

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