アジア投資 Research Memo(4):ファンドビジネス強化によりAUM拡大と安定収益の積み上げを目指す
日本アジア投資は、新しい中期経営計画を発表し、事業を「投資開発」「投資運用」「ファンド・プラットフォーム」に再定義しました。これにより、外部資金を活用した投資を強化し、ファンドビジネスを促進して安定収益の積み上げを目指します。将来的には、伝統的および非伝統的資産クラスへの投資を通じて、投資家に魅力的な投資機会を提供します。また、事務サービス会社JBSを活用し、各種ファンドの運用支援を提供します。最終的に、安定収益の拡大と自己資本の増強を目指し、高インフレや低成長など経済環境に応じた事業ポートフォリオを構築する計画です。
日本アジア投資<8518>は新体制の下、新たに3ヶ年の中期経営計画を公表した。事業領域を「投資開発事業(実物資産投資)」「投資運用事業(有価証券投資)」「ファンド・プラットフォーム事業(ファンド事務受託)」の3つに再定義し、新たな事業方針に基づいて事業を拡大する考えだ。また、外部環境及び収益機会を整理したうえで、補完・代替可能な事業ポートフォリオを構築し、様々な経済環境に対応できる投資資産及び金融商品の開発・運用を行う考えだ。これまでとの大きな違いは、ファンドの組成や融資の調達により外部資金を活用した投資を徹底するところにある。今まではファンドの設立ができなかったことから自己資金による投資(プロジェクト投資や戦略投資先へのPE投資)を行い、融資資金の活用も十分ではなかった。今後は国内外の投資家への魅力ある投資機会や投資サービスを提供するファンドビジネスとしての方向性をより強く打ち出す考えだ。自己資金による投資を抑制・圧縮する一方で、投資開発事業・投資運用事業のAUMを増加させ、AMフィーによる安定収益を積み上げるとともに、財務の健全化をさらに進める。
1. 事業方針
(1) 投資開発事業
エネルギー価格の高騰や労働力不足によるインフレ圧力、さらには金利上昇などをめぐり先行き不透明な経済情勢が続くなか、インフレヘッジ特性及びディフェンシブ特性を持ち合わせているプライベート・リアルアセットは投資家にとって有力な分散投資先となるだけでなく、責任投資目標※の達成にも貢献するものである。同社では、融資調達やファンド組成によるエクイティ調達を基本とし、インフレヘッジ特性(再生可能エネルギー等)及びディフェンシブ特性(ヘルスケア及びインフラ等)を持ったプライベートな実物資産を積み上げ、ファンドビジネスへと拡張する方針である。AMフィーによる安定収益を獲得しながら、資産売却時の一時的なキャピタルゲイン(同社持分)によるアップサイドをねらう収益モデルである。KPIとなるAUMについては、年間50億円の積み上げ(グロス)により最終年度までに累計150億円の積み上げを目指す。
※ 機関投資家の投資の意思決定や株主行動において、環境(Environment)や社会(Social)、ガバナンス(Governance)といったESG要素を考慮することが求められている。例えば、今回の障がい者グループホームを裏付とするソーシャルプロジェクトボンドへの投資などが含まれる。
(2) 投資運用事業
国内外の機関投資家やファミリーオフィス・富裕層向けに伝統的及び非伝統的な両資産クラスにおいて、同社の強みを生かした手法により資産運用サービス・金融商品を提供する方針である。伝統的資産(上場株式・社債等)については、企業側の需要も高まっているバイアウト(TOB、MBO、MEBO)やPIPEs(上場会社に対する私募増資)に係るファンドを組成し、国内投資家だけでなく、日本市場へのアクセスが困難な海外投資家(事業会社)に金融商品に留まらない独占的な投資サービスを提供する考えだ。一方、非伝統的資産(PEファンド、ベンチャーバイアウト等)については、ベンチャーファンドを組成・運営してきたノウハウやアジア・中国を中心とした海外進出支援、M&A仲介業務など、同社が提供してきたソリューションを生かして、ベンチャーバイアウト※1、M&Aファンド※2、RBO※3等に取り組む方針である。本事業もAMフィーによる安定収益を獲得しながら、成功報酬及び資産売却時の一時的なキャピタルゲイン(同社持分)によるアップサイドをねらう収益モデルである。KPIとなるAUMについては、年間100億円の積み上げ(グロス)により最終年度までに累計300億円の積み上げを目指す。
※1 ベンチャー企業の株式を一定以上買い取ることで経営に関与し、ハンズオン支援によるバリューアップを行う。
※2 国内中堅企業やベンチャー企業のM&Aによる成長を支援するため、その成長戦略に沿って同社が投資先のソーシングから外部資金の調達、エグゼキューションまで行うファンドを組成する。
※3 Regional Buy Outの略。不安定な株主構成や脆弱な財務体力、少子高齢化に伴う商圏(市場)縮小などに直面する地方の企業に対してエグジット先を地元の大企業や経営陣・従業員・創業ファミリーなどに特定し、事業の継続と経営の一貫性を守りながら非上場化を円滑に行う。
(3) ファンド・プラットフォーム事業
ファンド・アドミニストレーターとして長年の実績を有するジャイク事務サービス(株)(以下、JBS)にて、ファンド運営のミドル・バック業務のソリューションを提供する。ファンドの事務受託を専業として行う事業会社は数少なく会計事務所が主な競合先となっているが、CVCを含むVCファンドの組成が増加基調にあるなかで、ミドル・バック業務のアウトソースに関するニーズは大きく、経理に特化した会計事務所と差別化されている。事務受託料を安定収益源とする収益モデルであるため、事務受託本数やAUA(受託資産規模)がKPIとなる。最終年度の事務受託本数80本、AUA残高4,000億円を目指す。
2. 事業ポートフォリオの方向性
上記の事業方針に基づき、経済環境の変化に応じて収益を確保できる事業ポートフォリオを構築する方針である。具体的には、経済環境を「高インフレ・高成長」「低成長・高インフレ」「低成長・低インフレ」「高成長・低インフレ」の4つの事象に分けた。そのうえで、「高インフレ・高成長」では伝統的資産(上場株式・社債等)、「低成長・高インフレ」ではインフレヘッジ特性を持つエネルギー分野(蓄電池・再エネ等)、「低成長・低インフレ」ではディフェンシブ特性を持つインフラ分野(物流施設等)及びヘルスケア分野(障がい者グループホーム等)、「高成長・低インフレ」では非伝統的資産(PEファンド、ベンチャーバイアウト等)を主な投資対象とし、様々な経済環境(景気循環)に対応したバランスのとれた投資を行う考えだ。
3. 数値計画
安定収益の拡大と投資収益の改善により業績を回復し、最終年度の営業収益2,800百万円、営業総利益2,200百万円、営業利益1,250百万円、経常利益1,250百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円を目指している(従来連結基準。以下同様)。なお、2年目(2026年3月期)の業績が一旦踊り場となるのは、プロジェクト売却のタイミングによるものである。ただ、AUMの拡大により安定収益は着実に積み上がる想定であり、最終年度の営業総利益(22億円)のうち8億円は安定収益(AMフィー+事務受託料)で占める見通しだ。財政状態についても、総資産を膨らませることなく自己資本の拡大と負債の圧縮を進める方針であり、最終年度の総資産113億円(2024年3月末比9億円増)、純資産88億円(同32億円増)、借入金18億円(同25億円減)、本体現預金47億円(同36億円増)を目指しており、ネット借入金ゼロを実現する考えである。資本効率を示すROEについても12.7%に改善する想定である。
4. 中長期的な戦略評価
弊社でも、外部資金の活用によりファンドビジネスの強化を目指す方向性には合理性と蓋然性があると評価している。ファンドビジネスは自己資金を極力使わずに、ノウハウやネットワークといった無形資産をいかに安定した収益に変えることができるかが成否を決する知的資本型のビジネスであり、アップサイドは限られているものの、資本効率性や事業の拡張性にも優れていると言える。したがって、今後の収益構造の変化は同社に対する投資判断(株価バリュエーション)にも大きな影響を及ぼすイシューとして捉える必要がある。今回の事業方針の転換は、これまで取り組んできた財務基盤の強化やプロジェクト投資に一定の手応えをつかんできたことの証との見方もできるが、さらなる事業拡大に向けて閉塞感が漂っていたことを勘案すれば、新体制への移行や相次ぐ業務提携により新たなネットワークやノウハウがプラスされたことで大きな転機を迎える可能性がある。企業の様々な資金ニーズ(M&Aや事業再生などを含む)及び国内外の投資家からの運用ニーズの両面から見て、投資事業を取り巻く外部環境は総じて活況であると言えるため、新中期経営計画で掲げた事業ポートフォリオに基づき、いかに幅広く案件を掘り起こし、国内外の投資家ニーズとのマッチングを図るかがファンド組成に向けたカギとなるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<NH>
ヒグマ駆除で町民は安堵 北海道・福島町長「水際で抑えたい」
フンヌ・エア、神戸へチャーター乗り入れへ 今夏に7往復計画
W杯招致、46年共催案に日本も 実現すれば自国で初開催した02年日韓大会以来44年ぶり
【サガミ】投票行って最大10%OFF!全国246店舗で選挙割引キャンペーン
史上最高ビーム!ブレーブスのアクーニャが三塁に92m大遠投で走者刺す「幸運にもいい腕ある」
【広島】森下暢仁が球団17年ぶり前半戦2桁黒星の屈辱 7回2失点も援護なく自身5連敗
【ヤクルト】ついに…奥川恭伸が9試合目で今季初勝利 4年ぶりに7回を投げ3安打無失点
「外国人増えると日本人の賃金が上がらない」は事実? 識者に聞く
【阪神】セットアッパー石井大智が30試合連続無失点で防御率0・27 最後に失点したのは3カ月前
【日本ハム】万波中正2年ぶり2打席連発 新庄監督から「手を離すな」指摘で打撃感覚も“開眼”
オフショ公開のアンゴラ村長「標準体型」黒ビキニ姿に「リアリティすごい」「なんちゅー格好」
遠野なぎこさん死去 朝ドラ「すずらん」ヒロイン、バラエティーでも活躍 最近は摂食障害など告白
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
52歳ぶりっこタレントさとう珠緒、入浴ショットを大放出「目のやり場に困ります」「セクシー」
ゲーミングPCを買う場所は店舗購入とネット通販どっちがおすすめ?
遠野なぎこさん死去 自宅マンション周辺では異変も 近隣住民が明かす
44歳元グラドル、最新全身写真 圧巻ボディに「可愛い」「素敵」絶賛相次ぐ 夫は人気芸人
ガーシー、みちょぱ反論に対抗で大倉士門の再暴露を投下「士門クズ過ぎる」
死去遠野なぎこさん、MX看板番組「バラダン」で辛口コメ連発の存在感、大谷翔平夫人には嫉妬
坂上忍、宴席で26歳男性アイドルにガチ説教 一緒に聞いていた堀田真由も号泣 スタジオ騒然
遠野なぎこさん死去 朝ドラ「すずらん」ヒロイン、バラエティーでも活躍 最近は摂食障害など告白
52歳ぶりっこタレントさとう珠緒、入浴ショットを大放出「目のやり場に困ります」「セクシー」
ゲーミングPCを買う場所は店舗購入とネット通販どっちがおすすめ?
遠野なぎこさん死去 自宅マンション周辺では異変も 近隣住民が明かす
44歳元グラドル、最新全身写真 圧巻ボディに「可愛い」「素敵」絶賛相次ぐ 夫は人気芸人
ガーシー、みちょぱ反論に対抗で大倉士門の再暴露を投下「士門クズ過ぎる」
死去遠野なぎこさん、MX看板番組「バラダン」で辛口コメ連発の存在感、大谷翔平夫人には嫉妬
74歳神田正輝、現在の姿に反響 一時は“激やせ重病説”も…「旅サラダ」卒業から10カ月
小倉優子、不自然な“二重ライン”にネット騒然「やっぱり整形?」
俳優の遠野なぎこさん死去 自宅で倒れているのを3日に発見

アジア投資 Research Memo(2):2025年3月期上期は損失幅が縮小。株式・プロジェクト売却は下期へ
アジア投資 Research Memo(6):メガソーラープロジェクトが過去数年の収益安定化に貢献
アジア投資 Research Memo(5):日本とアジアにまたがる独立系の総合投資会社
アジア投資 Research Memo(1):2025年3月期上期は増収、損失幅は縮小。通期では利益転換を見込む
アジア投資 Research Memo(3):2025年3月期は、株式及びプロジェクトの売却により利益転換を見込む
日本アジア投資---JAICサプライチェーンファンド設立
日本アジア投資---3Qは2ケタ増収、組合持分利益・インカムゲイン等が2ケタ増収
日本アジア投資---Brinc及びBrinc Japanとの合弁会社の設立を伴う業務提携
日本アジア投資---2025年3月期の「従来連結基準による見込値」を修正
昭和産業 Research Memo(8):グループ連携と海外事業の強化で高収益体質を目指す