ヘリオス Research Memo(4):脳梗塞向けは日米の臨床試験データを解析、承認取得確度の高い治験デザイン検討へ
ヘリオスの開発中である脳梗塞治療薬HLCM051は、発症から36時間以内に投与され、脾臓での炎症を抑え神経細胞を保護する効果が期待されています。日本と米国で臨床試験が進められ、日本では結果が統計的有意差を示す部分的な成功を収めました。今後は試験データの統合解析を行い、承認取得に向けた新たな治験デザインを検討します。一方、外傷治療薬としての試験は米国防総省がスポンサーとなり進行中。がん免疫療法では、iPSC由来の遺伝子編集技術を駆使したeNK細胞の研究が進められており、2025年の臨床試験開始を目指しています。
3. HLCM051(脳梗塞治療薬)
脳梗塞は、脳の血管が詰まり、その先の細胞に栄養が届かなくなることで、脳の働きに障害が起きる疾患を指す。詰まった血管の部位により症状は異なるが、いったん発病すると命が助かったとしても、多くの場合、麻痺や言語障害などの後遺症が残る。同社決算説明資料によると、年間の発症者数は日本で33万人※、米国で69万人、欧州で84万人、中国で340万人となっており、全世界で526万人超と推計されている。
※ HLCM051の対象患者は発症後36時間以内に医療機関に運び込まれる患者となり、同条件に当てはめれば日本国内の対象患者数は6.2万人程度になると同社では推計している。
脳梗塞急性期の治療には、一般的に脳の血管に詰まった血の塊を溶かす「血栓溶解療法」や、閉塞した脳動脈内の血栓を直接回収する等で血流を再開させる「機械的血栓回収療法」が行われているが、「血栓溶解療法」の適応は発症後4.5時間以内、「機械的血栓回収療法」でも8時間以内に限定されている。このため脳梗塞発症後から一定時間が経過した後でも、治療に効果的な新薬の開発が強く望まれている。
HLCM051は、脳梗塞を発症してから36時間以内に静注投与することによって、免疫応答の場である脾臓(ひぞう)で炎症免疫細胞の活性化を抑制し、炎症や免疫反応を抑えて神経細胞の損傷を抑制、さらに抗炎症性細胞を増殖させ、栄養因子を放出することで神経保護作用の効果が期待される。
開発の進捗状況としては、同社が日本で第2/3相試験を実施し2022年11月に結果を発表したほか、2023年10月にアサシスが米国での第3相試験の中間解析結果を発表している。日本では脳梗塞発症から18~36時間以内の患者220人をHLCM051群とプラセボ群各110例に分けて投与後90日目及び365日目における改善度合いを比較した。主要評価項目として、ほぼ日常生活に支障がないと判断されるExcellent Outcomeの症例数を、また副次評価項目として日常生活で自立が可能な状態を指すGR(Global Recovery)の症例数や、基本的日常生活動作の状態を指数化したBI指数で95以上の症例数を比較した。結果として、主要評価項目については投与後90日、365日ともにプラセボ群に対する統計的有意差が認められなかったが、投与後365日のGR(p値=0.037)やBI指数(p値=0.045)については有意差が認められ、またHLCM051投与後の安全性も確認された。
今後の開発方針として、同社は日本と米国で実施された臨床試験のデータを統合してさらに解析を進め、より高い確度で製造販売承認の取得が可能な治験デザインを検討する意向を示している。ポイントとしては、投与後365日目のGRやBI指数などを主要評価項目として設定できるかにかかっている。一方、日本においては先駆け審査指定制度に認定されていることもあり、PMDAと協議したうえで有意差が得られた副次評価項目によって、条件及び期限付承認申請を目指す可能性もあるとしている。
米国での脳梗塞を対象とした開発については、ARDS治療薬の開発にリソースを集中するため、当面は優先順位を下げて臨むことになるが、市場規模はARDSよりも大きく、今後も高齢化社会の進展に伴い増加することが見込まれるだけに、将来的に開発が進むことを期待したい。臨床試験を行う場合の開発費用については、ARDS治療薬と同様に米子会社または新設する子会社にてロイヤリティ投資・第三者割当増資などにより調達する方針だ。なお、米国と日本以外の地域についてはライセンスアウトの方向であり、製薬企業からの問い合わせも入っているようだ。
外傷向けは米国防総省の予算で第2相臨床試験を実施中
4. HLCM051(外傷治療薬)
HLCM051は米国で外傷向け治療薬としての開発を、米国防総省とメモリアル・ハーマン基金がスポンサーとなって進めている。アサシスの経営破綻により第2相試験(組入れ患者数156人)が一時的に中断していたが、2024年10月より再開した。組入れ進捗率は2割程度のようで、2025年末までの終了を見込んでいる。良好な結果が得られれば、引き続き国防総省などがスポンサーとなって第3相臨床試験に進むことになる。同社が資金負担することはなく、開発に成功すれば米軍向けに大量導入される可能性もあり、今後の動向が注目される。
米国では交通事故や労働災害、銃創などによる外傷で死亡するケースが多く、同社決算説明資料によれば、45歳未満の死亡原因の第1位、全死亡原因の第3位、QOL(Quality of life)を低下させる原因の第1位となっている。年間死亡者数は22万人で、うち一般外傷が55%、薬物による影響下での外傷もしくは急性中毒が45%を占めている。外傷に起因する全身性炎症反応症候群を発症した場合、初めは体を防御する目的であっても、調節不可能なサイトカインストームとなり、大規模な炎症カスケードを引き起こし、腎不全などの臓器障害になることで死に至る。現在、こうした状況に至った患者に対する有効な治療薬はなく、それぞれの症状に応じて対処療法を行うのみとなっている。HLCM051を投与することで、サイトカインストームを抑え込み、患者の予後に効果があるものと期待されている。
第2相臨床試験では、外傷による多臓器不全/全身性炎症反応症候群を対象疾患とした二重盲検プラセボ対照比較試験を実施しており、主要評価項目として投与後30日の腎機能の改善状況をプラセボ群と比較する。また、副次評価項目として死亡率なども評価する。対象患者は入院後数時間以内の初期蘇生を経た重症の外傷疾患患者となる。開発に成功すれば、米軍が大量導入する可能性もあり、今後の動向が注目される。
eNK細胞によるがん免疫療法は2025年内の臨床試験開始を目指す
5. HLCN061(次世代がん免疫療法)
iPSC由来で遺伝子編集技術を用いて独自開発したeNK細胞を用いたがん免疫療法について、複数のアカデミアと共同研究を進めており、2025年内の臨床試験開始を目指している。
eNK細胞は、遺伝子編集技術によりNK細胞よりも腫瘍細胞の殺傷能力や腫瘍部位への浸潤能力を高めたことが特徴となっており、これまでの自社研究成果として、肺がん同所生着モデルマウス、肝がん皮下移植モデルマウス、胃がん腹膜播種モデルマウス、及び中皮腫皮下移植モデルマウスに対して抗腫瘍効果を有すること、生体におけるがんと同様の環境を有する肺がん患者由来のオルガノイド※においても同様に抗腫瘍効果があることを確認している。
※ 生体への組織・器官に極めて似た特徴を有している3次元的な構造を持つ組織・細胞。
共同研究プロジェクトでは、国立がん研究センターと同センターが保有する複数のがん種に由来するPDX(患者腫瘍組織移植片)移植マウスを用いてeNK細胞の抗腫瘍効果等の評価を進めているほか、広島大学大学院と肝細胞がん、兵庫医科大学と中皮腫に対するがん免疫療法の共同研究を進めており、2024年に入ってこれら研究成果が学会等でも発表されている。
なお、研究開発に関しては今後子会社のeNK Therapeuticsが主体となって進める予定であり、臨床試験などで開発費が必要となる場合には、ロイヤリティ投資や第三者割当増資などによって資金を調達する。資金調達によって年間10億円程度の開発費負担の軽減につながると同社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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