和田興産 Research Memo(4):2025年2月期中間期は前年同期比で減収減益も、期初の予想利益を大幅に超過
和田興産の2025年2月期中間期業績は、前年同期比で減収減益を記録しました。売上高は前年同期比で3.1%減の20,149百万円、営業利益は13.0%減の2,176百万円、経常利益は14.8%減の1,824百万円、中間純利益は16.1%減の1,242百万円となりました。しかし、いずれの利益も期初の予想を大幅に上回りました。主力の分譲マンション事業は引渡戸数の減少によって減収減益となったものの、販売価格が想定を上回り、全体の売上や利益を上乗せしました。また、その他不動産販売も好調で、特に収益物件の売却が想定を超えた価格で進みました。これにより、営業外収入も増加しましたが、利益率は全体的に前年同期比で若干低下しています。主要事業の分譲マンション販売は高利益率を維持しており、その他不動産販売の利益率も大幅に上昇しました。
1. 2025年2月期中間期の業績概要
2025年2月期中間期におけるわが国経済は、インバウンド需要の増加、所得環境の改善によるサービス消費の増加などで、経済活動には回復の兆しが見られるが、不安定な国際情勢等による資源価格の高騰や急速な為替変動に伴う物価高等、依然として先行きが不透明な状況が続いている。不動産業界においては、政府の住宅取得支援策の継続や住宅ローン金利の低水準での推移により需要は底堅さを保っているが、建築コストの高止まり等による販売価格への影響、日銀の金利政策の動向等が懸念される状況である。
こうした事業環境のなか、同社の2025年2月期中間期の業績は、売上高で前年同期比3.1%減の20,149百万円、営業利益で同13.0%減の2,176百万円、経常利益で同14.8%減の1,824百万円、中間純利益で同16.1%減の1,242百万円と、前年同期比で減収減益となった。ただ売上高は期初予想比6.1%超、営業利益は同14.5%超、経常利益は同30.3%超、中間純利益は同24.2%超と計画を大幅に上回った。主力の分譲マンション事業では、引渡戸数が前年同期比40戸減で減収減益ながら、販売価格が想定より高くなったことで売上・利益ともに計画比を上振れた。また、その他不動産販売では、減価償却が大きい2〜3年間保有後に売却する収益物件の売却が好調なことに加え、分譲マンション用地の素地売りも含め、大幅増収増益を記録し、想定を上回る価格で売却が進んだことで売上・利益ともに計画比を大きく上振れた。さらに、営業外収入として、役員退職慰労金制度の廃止に伴って保険解約返戻金を計上したことで、経常利益及び中間純利益が計画比で大きく上振れた。
これらのことから、営業利益率は前年同期比1.2ポイント低下の10.8%、経常利益率は同1.2ポイント低下の9.1%、中間純利益率も同0.9ポイント低下の6.2%となった。ただ、同社の主要事業である分譲マンション販売はマンション竣工後に購入者へ引渡しが行われる際に売上高が計上されるため、開発時期や工期等により業績に偏向が生じる場合があることに留意が必要だ。
分譲マンション販売は高水準の利益率を維持。その他不動産販売の利益率は大きく上昇
2. 事業セグメント別動向
(1) 分譲マンション販売
主力の分譲マンション販売においては、開発基盤となる用地価格や建築コストが上昇しているものの、住宅ローン金利の低水準や住まいに利便性を求める傾向が強まっていることから、分譲マンション市場は比較的堅調に推移しており、同社では新規発売物件を中心に契約獲得に向けた販売活動及び引渡計画を推進した。
その結果、2025年2月期中間期の発売戸数は350戸(前年同期比72.4%増)で、契約戸数は263戸(同23.5%減)、引渡戸数は326戸(同10.9%減)となり、契約済未引渡戸数は627戸(同18.6%減)となった。以上から、売上高は14,815百万円(同9.0%減)、売上総利益は2,884百万円(同11.9%減)となり、利益率は19.5%(同0.6ポイント低下)となった。利益率は毎年の販売物件により上下するものであるが、最近の建築費上昇については、おおむね販売価格に転嫁できているようだ。
(2) 戸建て住宅販売
戸建て住宅販売においては、新規発売物件を中心に契約獲得に向けた販売活動に注力した。その結果、2025年2月期中間期の戸建て住宅は24戸の引渡しにより、売上高は913百万円(前年同期比1.4%減)、売上総利益は146百万円(同4.0%増)となり、利益率は16.1%(同0.8ポイント上昇)となった。
(3) その他不動産販売
その他不動産販売においては、賃貸マンション・宅地など10物件を販売し、2025年2月期中間期の売上高は2,722百万円(前年同期比38.1%増)、売上総利益は749百万円(同101.3%増)、利益率は27.5%(同8.7ポイント上昇)となった。既述のとおり、収益物件が計画より高く売却できたことに加え、分譲マンション用地の素地売りも行ったことが同セグメントの好決算につながった。
(4) 不動産賃貸収入
不動産賃貸収入においては、同社が主力としている住居系は比較的安定した賃料水準を維持しており、入居率向上に努めると同時に、最適な賃貸不動産のポートフォリオ構築のため、新規物件の取得など賃貸収入の安定的な確保を目指した。その結果、2025年2月期中間期の不動産賃貸収入は1,647百万円(前年同期比3.2%増)、売上総利益は647百万円(同3.5%減)、利益率は39.3%(同2.7ポイント低下)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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