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パパネッツ Research Memo(6):2024年2月期は建物定期巡回サービスが引き続き堅調に推移(1)


*15:26JST パパネッツ Research Memo(6):2024年2月期は建物定期巡回サービスが引き続き堅調に推移(1) ■今後の見通し

1. 2024年2月期の業績見通し
パパネッツ<9388>の2024年2月期の業績は、売上高は前期比9.1%増の4,373百万円、営業利益は同15.5%増の339百万円、経常利益は同8.3%増の318百万円、当期純利益は同2.5%増の207百万円の見込みで、2023年4月の発表と変わりない。同社は、今後、賃貸事業や宿泊関連事業の合理化が必要となる経営環境の下、「管理会社サポート事業」の需要は拡大するものと見ている。「インテリア・トータルサポート事業」ではコロナ禍で減少した企業研修等の短期利用賃貸の再開、清掃作業等のサービス提供の増加が見込まれる。2021年6月から施行されている賃貸住宅管理業法の影響もあり、建物定期巡回サービスの引き合いが増加傾向で引き続き堅調に進捗しており、「全国ツーマン配送ネットワークサービス」においても、住宅建築主対象の家具・カーテン販売会が開催され始めたことで徐々に業績は回復に向かうものと同社は見ている。

2021年6月から施行されている賃貸住宅管理業法では想定管理戸数が200戸以上の不動産賃貸管理業を行う企業は国土交通省への登録が必要になり、実務経験者や有資格者による重要事項説明や書面の交付を義務付けられることとなった。今まで定期巡回を行っていなかった管理会社も物件オーナーへの報告義務が生じるため、今後引き合いが増えてくることが予想される。

2. 中期事業計画
同社は、「大いなる御用聴きカンパニー」をスローガンに掲げ、既存事業を強化しながら、幅広い顧客サービスを提供し、社会貢献ができる事業の拡大を目指す「中期事業計画」を策定している。

中期経営目標として、1) 人と人をつなぎ、社会の困りごとを解決できる企業、2) 必要とされる企業となるため、情報に対して、変化ができる企業、3) 関係する人達が、未来に向かえるサポートができる企業、4) 世の中にない、御用聴きになれる気付きを創る、5) 小さなことが大きなことへの第一歩 小さなことができないものは大きなことはできない、の5つを挙げている。中期ビジョンでは、1) 御用聴き産業の確立、2) 困りごとの糸口を創出する会社、3) 地球環境を考慮した輸送、移動方法での業務確立、4) サステナビリティ、5) 働き方の自由度を考えられる(はたらき方を自分で創生できる)仕組み、6) 性別に関係なく誰でもしっかりと働ける仕組み、7) 二酸化炭素の排出量を減らせる配送網構築の7つを掲げている。同社の旗印である「御用聴き」に関する売上をさらに伸ばしながら、働き方改革やサステナビリティに関する以下のアクションプランを積極的に進めていく。

(1) 人財確保・人財育成
同社が活動する業界は労働集約型産業であり、継続的な発展のためには人財の確保・人財育成は最重要課題である。そのため、新規採用のほか事業展開等を勘案して適時採用をし、独自のカリキュラムを用いた「人財共育※」、外部のノウハウの活用などを積極的に取り入れている。同社の「共育」は、一方的に社員に教育を押し付けるのではなく、会社と社員とが共に学ぶスタンスを大事にしている表れである。2024年4月に採用予定の目標人数5名に対し、4名の内定者を確保している。パートナーについては、短時間での稼働ができる体制を整えるために増員しているものの、エリアによっては不足しているところもあり、引き続き対応を急いでいる。パートナーにおける人財育成については、同社従業員が同行して指導を行っており、今後増加すると見られるフリーランスのために各地に研修センターを増加することも検討している。

※同社は、人材こそが最大の経営資源との考えから「人財」、教育は「教えて育つのではなく、共に育つ」という考えから「共育」と表している。


(2) 既存サービスの改良
同社は、取引先から汲み取った要望を全社で共有し、解決策を見つけることにより、蓄積されたノウハウを利用し、既存のサービスを改良したサービスの開発を提供し、企業価値の向上を目指している。現在、同社システムである「じゅん君」をどのデバイスでも利用できるようにリニューアル中である。

(3) マーケットの開拓
本来同社は、大掃除や草むしりといった面倒で小さな作業を行うことを得意としており、既存事業であるBtoB事業の拡充と同時に、一般家庭のエンドユーザーに向けて今後BtoC事業の展開も目指している。これまで培ってきた同社の「御用聴き」のノウハウをBtoC事業に対しても活用していく。賃貸住宅管理業法の施行に伴い、国土交通省による巡回指導が既に始まっており、管理会社に対するオーナーへの巡回報告不備への指摘が増加していることから、同社への引き合いは順調に増加している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

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