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日産東HD Research Memo(8):車両供給不足のなか大幅営業増益を達成


*13:38JST 日産東HD Research Memo(8):車両供給不足のなか大幅営業増益を達成 ■業績動向

1. 2023年3月期の業績
日産東京販売ホールディングス<8291>の2023年3月期の業績は、売上高137,659百万円(前期比0.5%減)、営業利益6,399百万円(同45.2%増)、経常利益6,090百万円(同45.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,261百万円(同55.3%増)と減収大幅増益となった。但し、減収は連結子会社(2022年2月期売上高6,213百万円、営業利益75百万円)が除外となったことが要因で、実質的には増収といえる。

上期を中心に半導体や部材の不足により車両供給が不足する状況が続いたが、下期になってやや緩和、2023年3月期における全国の新車販売台数は前年同期比4.0%増、同社が地盤とする東京都内の新車販売台数も同0.2%増と回復基調となった。このような環境のなか、同社は提案営業により、SUVの「アリア」や軽自動車「サクラ」、長く人気を誇る「リーフ」といったEV、及び「ノート」、「ノートオーラ」、新型「エクストレイル」、「キックス」といったe-POWER車を中心に、受注台数と収益の確保に取り組んだ。この結果、想定以上の人気と緩和したとはいえ半導体不足などから、「サクラ」や「エクストレイル」といった車種で一時受注停止となったものの、同社の新車販売台数は同4.1%増と非常に好調に推移した。また、高い電動化比率を維持した結果、販売単価も上昇した。なお、2023年3月期の新型車は6月のEV「サクラ」や7月のSUV「エクストレイル」、12月のガソリン車「セレナ」などで、「ニッサン・リテール・コンセプト」の導入は谷原店、町田鶴川店、新車のひろば村山店など9店(累計16店)となった。

新車のなかでも、2022年6月に発売した軽自動車初のEVで、2022年~2023年のカー・オブ・ザ・イヤー3冠に輝いた「サクラ」や、7月発売の第3世代e-POWERを搭載した新型「エクストレイル」など新型車が非常に好調だった。テレビCMの先端イメージと新車の魅力がマッチして人気が高まったことが背景にあると考える。特にEVの好調は、環境問題に対する意識の高まりやラインナップが増えたことを背景に、航続距離が伸び、ガソリンエンジンより加速がよく(「サクラ」は特に軽と言えない乗り味のようだ)、それほど力強いのに静粛性が高く、プロパイロットなど先進安全技術との相性もよく、そのうえ補助金の恩恵が得られると、良いこと尽くしへの理解が進んだため、EVの購入意欲が急速に強まったことが要因と思われる。この結果、乗用車における電動車販売比率は全国平均が5割に満たないなか92.3%と中期経営計画の目標を上回る高水準を達成、なかでもEVの販売比率は13.1%と前期の3.9%から大きく伸びた。「EV元年」と言われる2022年に、EVの製造と販売で10年以上他社に先行してきた成果が現れたと言えよう。

利益面では、顧客ニーズに合わせた提案型営業をさらに徹底したこと、好採算の新車が伸びたこと、EVなど高額車の割合が高まったこと、コロナ禍で出物が少なく単価が上がった中古車の採算が改善したことなどから、売上総利益率が大きく改善した。また販管費は、先行的に強化している人件費や燃料価格高騰によるエネルギー費などの増加はあったが、2021年7月に実施した日産販売会社3社の統合シナジーを背景に、広告の統一などで販売直接費、試乗車の適正配置などで設備費をそれぞれ15%実額で削減するなど営業費を効率化、売上高が伸びるなかで販管費全体を引き下げることができた。投資に関しては持続的成長に向けて着実に実行、「ニッサン・リテール・コンセプト」に基づく基幹店舗9店の大規模リニューアルを進めるとともに、旧販売会社の枠を超えた店舗統合によってネットワークの最適化も進めた。なお、期初計画との比較では、新車販売における車両供給不足の影響が継続したため売上高で2,341百万円の未達となった。一方、好採算の新型電動車販売が好調だったこと、中古車相場が好況だったこと、日産販売会社3社の統合効果による生産性向上と販管費削減の効果が想定を上回ったことにより、営業利益は1,899百万円計画を上回ることとなった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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