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飯野海運 Research Memo(5):高度な環境性能を追求した飯野ビルディング


*14:35JST 飯野海運 Research Memo(5):高度な環境性能を追求した飯野ビルディング ■飯野海運<9119>の事業概要

5. 飯野ビルディング
飯野ビルディング(2011年開業、2014年グランドオープン)は「100年先にも愛されるビル」をコンセプトとして、通常の外壁・窓ガラスを二重構造にして断熱空気層を作ることで熱負荷を軽減する「ダブルスキン外装」を採用するなど、高度な環境性能を追求したビルである。

そしてLEED-CI(米国グリーンビルディング協会による環境対応評価システム)の最高位であるプラチナ認証を日本で初めて取得した。2015年には生物多様性保全に取り組むオフィスビルや商業施設を評価する「いきもの共生事業所(R)認証」(ABINC認証)を取得し、2016年にはABINC認証事業所のうち特にABINCの普及啓発や生物多様性の主流化への貢献度の高い施設として「第1回ABINC特別賞」を受賞した。同年には、東京都環境確保条例における2015年度「優良特定地球温暖化対策事業所(トップレベル事業所)」に認定(2021年3月に2020年度認定を再取得)された。

2018年2月には東京消防庁による優良防火対象物認定表示制度に基づく「優良防火対象物認定証」(優マーク)を取得(2021年2月に継続取得)した。同年3月には東京都環境局の在来種植栽登録制度「江戸のみどり登録緑地」の優良緑地として登録された。同年10月には飯野ビルディングの事務所基準階部分(7階~27階)がBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)で最高ランク5つ星を取得した。2019年3月には日本政策投資銀行のDBJ Green Building認証で、飯野ビルディングが最高ランク5つ星、汐留芝離宮ビルディングが4つ星を取得(いずれも2021年12月に継続取得)した。また2022年5月には、再生可能エネルギーの活用を推進してCO2排出量を削減するための取り組みの一環として、飯野ビルディングの屋上に太陽光発電設備を設置し、運用を開始した。

2021年6月に竣工した日比谷フォートタワーも、屋上緑化、低蓄熱型舗装、日光による放射熱を低減するLow-Eガラスの採用、庇による直射日光の遮蔽など、環境面に配慮した施設となっている。また、ペットボトル自動回収機を通じたSDGsへの取り組みなども実施している。なお日比谷フォートタワーは(株)日本格付研究所によるグリーンボンド評価及びグリーン評価において最上位の「Green1」総合評価を取得し、日本政策投資銀行からはDBJ環境格付において「環境への配慮に対する取り組みが先進的」との格付を取得している。

6. リスク要因・収益特性と対策
リスク要因として、いずれの事業も市況変動の影響を受けやすい点があるが、安定収益源の積み上げを推進することによって盤石な事業基盤の構築を目指している。

特に外航海運業は海運市況、燃料油価格、為替等の影響を受けやすく、業績が大きく変動する可能性がある。この対策として同社は、中長期の定期用船契約が中心の大型原油タンカーやガス船では安定収益源の積み上げを推進している。またケミカルタンカーでは、1年程度の複数のCOAとスポット貨物を組み合わせることで、利益の最大化を図っている。輸送数量の構成比は、COAが約7割、スポット貨物が約3割となっている。なおCOAでは一般的に、燃料油価格変動に伴う燃料費調整係数(BAF)を付けているが、契約によっては燃料油価格が小幅に上昇した場合には燃料油価格上昇分が価格転嫁されず、採算に影響を与えることがある。内航・近海海運業も含めて、効率的配船やコスト増加に対応した契約有利更改を推進することにより、採算性向上を目指している。

不動産業は不動産市況、空室率、賃料などの影響を受けやすいが、同社保有の賃貸ビルはいずれもオフィスビル賃貸市況が堅調な東京都心部の一等地に立地しているため、市況の影響を比較的受けにくい。収益柱の飯野ビルディングは立地面の優位性や高度な環境性能を強みとして、引き続き安定収益源として同社業績を牽引するだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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