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エラン Research Memo(8):認知度が向上して普及ステージ入る。市場開拓余地は大きい


■成長戦略

1. 事業環境
エラン<6099>のCSセットがメインターゲットとする市場は、ベッド数50床以上の病院及び介護老人保健施設等である。いずれの分野でもCSセットの認知度が向上して普及ステージに入り、契約施設数は増加基調である。また市場開拓余地は依然として大きい。

2021年12月期末の同社の契約施設数は、ベッド数50床以上の病院が1,177施設、ベッド数50床以上の介護老人保健施設が285施設まで拡大したが、厚生労働省「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」及び厚生労働省「令和元年介護サービス施設・事務所調査の概況」を基にした同社推定の市場開拓率は、ベッド数50床以上の病院で15.9%、ベッド数50床以上の介護老人保健施設で7.2%に過ぎない。ターゲット層となる高齢者単身世帯、一人親世帯、若年層単身世帯の増加など事業環境は良好であり、CSセットのさらなる市場開拓余地は大きいと言えるだろう。


2022年市場開拓率20%、営業利益30億円目標
2. 中期経営計画の目標数値
良好な事業環境を背景として、中期経営ビジョン(2020年~2022年)では目標数値に、2022年12月期の売上高380億円、営業利益30億円、営業利益率8.0%、市場開拓率20%、国内拠点23拠点を掲げている。営業強化、グループシナジー創出、システム化による生産性向上、オリジナル商品による付加価値向上や他社との差別化などを加速して、市場開拓の加速や営業利益率の向上を図る方針だ。2022年12月期連結業績予想では、中期経営ビジョンの目標数値に対して、売上高が若干未達だが、営業利益及び営業利益率は目標達成の見込みとしている。

なお2022年3月23日開催予定の第28回定時株主総会における取締役選任を経て代表取締役2人体制とする。経営体制の一層の強化・充実によって成長戦略を加速させる方針だ。


CSセットのプラットフォーム化を目指す
3. 入院中の「困った」にとどまらず、入院前・退院後の「困った」にも展開
CSセットは入院中の「困った」を解決するサービスである。この考え方を基本として、入院中の「困った」を解決する入院セットサービスにとどまらず、入院前・退院後の周辺領域の「困った」も解決するビジネス創出を目指している。CSセット利用者情報を活用し、入院前~入院中~退院後のすべてのステージにおいて、入院患者及びその家族向けのプラットフォームサービスとして進化させる戦略だ。


中長期成長ポテンシャルは大きい
4. 中長期の成長ポテンシャル
CSセットは認知度が向上して普及ステージに入り、入院セット市場における同社の競争優位性は圧倒的である。また市場開拓余地は依然として大きい。入院セットビジネスというと、やや地味なビジネスに感じる部分もあるが、弊社では、同社の成長シナリオに変化はなく、CSセットのプラットフォーム化を通じて中長期成長ポテンシャルは大きいと評価している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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