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アルマード Research Memo(5):成長分野である直販の定期会員拡大や外販のOEM販売の復調により再成長基調へ


■業績動向

1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要
アルマード<4932>の2022年3月期第2四半期累計(2021年4月~9月)の業績は、売上高2,464百万円(前年同期比21%増)、営業利益216百万円(同121%増)、経常利益217百万円(同123%増)、四半期純利益151百万円(同143%増)と、前年同期比増収増益で着地した。3つの経営ビジョンの下、卵殻膜商品のさらなる認知度向上を狙った広告運用強化等により、成長分野である直販の定期会員拡大や外販のOEM販売の復調により、再成長基調となった。

通期予想に対する進捗率については、売上高で50.5%と順調に進捗している。販売チャネル別では、直販(EC)58.8%、外販52.9%と好調に推移している。なお、TV通販の進捗率は38.0%であるが、下期偏重の計画のためおおむね予想どおりだ。利益面では、営業利益の進捗率が26.4%となるなど50%を下回っているものの、いずれも下期偏重となる季節性の影響のためであり、おおむね予想どおりとなっている。

なお、2022年3月期第2四半期累計で広告宣伝費が増加していること、同社が費用先行型のビジネスモデルであること、同社はデータベースを活用して広告宣伝費と会員数に関連性を持たせていることなどから、今後の業績拡大も期待できると弊社では見ている。つまり、合理的かつ積極的な広告投資により会員数が増加するフェーズは、目先の利益創出ではなく、他チャンネルの利益を直販事業の先行投資に活用し成長させることで将来利益の拡大を図っている状態と考えられることから、積極的な広告投資によって一時的に利益が圧縮されている状況は、将来の業績判断においてポジティブ材料であると弊社では分析している。

2. 事業動向
事業動向としては、直販事業が大きく成長した。会員数についても引き続き好調な新規獲得ベースを維持しており、2022年3月期第2四半期会計期間(2021年7月~9月)及び第2四半期累計で過去最高の獲得数となった。定期会員数に関しても、新型コロナウイルス感染症拡大による商業施設の営業時間短縮・休業及び外出自粛に伴い、2021年3月期第2四半期から第3四半期にかけてEC販売の競合が増えたことなどから一時的に減少したものの、その後は順調に拡大しており、将来売上の土台が形成できたと言える。なお、他のD2Cブランド(A社約250万人、B社約80万人、C社約35万人、D社約10万人等)と比較して同社の定期会員数は5.0万人(2022年3月期第2四半期末)と小規模であることから、成長ポテンシャルは高いと弊社では見ている。

これに加え、マーケティング手法を改善したことにより、顧客獲得単価(CPA)は10~20%低下した。これにより、1人当たり期待利益が拡大し、将来の事業収益性向上につながる体質強化も実現した。またマーケティング手法の改善については、これまで広告代理店に依頼していたインターネット広告を内製化したことで適切なタイミングでの広告出稿が可能となり、PDCAサイクルを高めることに成功した。これは、顧客獲得ペース鈍化などのリスク低減につながると弊社では考えている。

OEM販売については、複合的な要因があるにせよ、OEM先での在庫滞留が2021年3月期中に解消したことから、2022年3月期では復調していると思われる。

その他のトピックスとしては、直販で、卵殻膜配合の新たな薬用化粧品「チェルラーホワイト」シリーズを美白スキンケア市場に2021年10月に投入した。美白市場規模を考慮すると市場ポテンシャルは十分にあると考えられることから、既存アンチエイジング商品に続く直販の第2の柱として、美白シリーズを育成していく計画である。市場ポテンシャルが高いこと、TV通販で販売している美白商品の販売実績からニーズを確認できていることなどから、軌道に乗れば既存のアンチエイジング商品と同等の売上規模まで成長する可能性もある。また、健康分野では、卵殻膜の新たな機能性を示唆する研究成果を追加発表し、素材の訴求及び顧客便益の拡大・強化に取り組んでいる。


短期的な財務懸念はなく財務指標も良化し、強固な財務体質に

3. 財務状況と財務指標
2022年3月期第2四半期末の総資産は前期末比148百万円増加して3,133百万円となった。流動資産は2,960百万円となったが、これは主に受取手形が143百万円、貯蔵品が156百万円増加した一方で、売掛金が110百万円減少したことによる。固定資産は173百万円となったが、これは主にソフトウエアが13百万円増加し、ソフトウエア仮勘定が10百万円、繰延税金資産が22百万円減少したことによる。

負債合計は前期末比46百万円減少して621百万円となった。流動負債は591百万円となったが、これは主に買掛金が133百万円増加した一方で、未払法人税等が137百万円、未払消費税等が38百万円減少したことによる。固定負債は29百万円となったが、これは主に退職給付引当金が3百万円増加したことによる。

純資産は前期末比195百万円増加して2,512百万円となった。これは主に、利益剰余金が172百万円減少したものの、自己株式の消却及び処分により資本剰余金が30百万円増加し、自己株式が337百万円分減少したことによる。

経営指標に関しては、流動比率は前期末比65.6ポイント上昇の500.8%であったことから、短期的な財務懸念はないと弊社では分析している。また、自己資本比率においても同2.6ポイント上昇の80.2%と、強固な財務体質になっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)


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