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CDG Research Memo(6):リアルからデジタルまで幅広いプロモーションの企画・運用力を強みにさらなる成長へ


■今後の見通し

2. 成長戦略
CDG<2487>は今後の経営数値目標として、売上高経常利益率10%(2021年3月期実績5.2%)を当面の目標とし、早ければ創業50周年を迎える2024年3月期にも達成したい考えだ。収益性向上施策としては、前述した通りプロモーション案件の生産性向上に取り組んでいく方針となっている。特に、リアルとデジタルを組み合わせた複合型のプロモーションについては、同じレベルで競合する事業者も少なく、同社の強みとなっており、同領域で生産性向上を図ることによって、さらなる売上規模の拡大と収益性向上を目指していく。

(1) デジタルプロモーション戦略
従来、同社はデジタルプロモーション案件の受注獲得のためのフック役として、「SPコネクト」を提供してきた。「SPコネクト」とは、店頭販促キャンペーンを実施する際に、記念品等の応募から当落通知までのすべてをLINEの公式アカウント上で完結させる販促特化型プラットフォームのことで、販促実施企業は同システムを利用することで、販促キャンペーンの運用をLINEに集約することが可能となる。また、キャンペーンに応募した消費者はLINE公式アカウントに登録されるため、キャンペーン終了後も新商品の発売など様々なキャンペーン告知を個別に配信することが可能となり、ファン化を実現するツールにもなっている。同社では、「SPコネクト」を使った様々なキャンペーンの企画・運用ノウハウを蓄積しており、それを既存顧客での新たな受注や新規顧客の開拓などにつなげている。

また、2020年6月にはLINEを活用した新たなサービス「CRM Connect」の提供も開始している。LINEのプラットフォームを活用し、顧客のセグメント分析に基づいたOne to Oneのコミュニケーションを通じ、より効果的なCRMを実現するサービスとなる。データの収集・蓄積及び分析に基づいたメッセージング施策の企画や、クリエイティブの制作、メッセージ配信、メッセージへの反応を分析することで、顧客データ分析に基づく効果的なキャンペーン施策を企画・実行していくことが可能となる。同社ではこれらデジタルサービスと、リアルのプロモーション施策を組み合わせることで競合他社との差別化を図っていく考えだ。また、リアルのプロモーションでは、人気コンテンツライセンスも活用することで、より効果の高い施策を実行することが可能となり、1案件当たりの受注金額並びに利益の拡大についても目指していく。前述した通り、現時点では複合型案件の売上総利益率は相対的に低いが、今後、営業プロセスのDXに取り組むことで、生産性向上を実現していくことになる。

(2) レッグスとの協業によるシナジー
2019年11月に資本業務提携契約を締結したレッグスは、SPを主力事業とする同業者で、アニメ、キャラクター、映画、音楽、ゲーム等のいわゆるエンタメ・コンテンツを使ったSPに定評があり、販促グッズの企画・製作から、エンタメ・コンテンツを活用したマーケティング支援サービス及び物販事業等を展開している。また、店頭の活性化を図るVMD※にも強みを持っている。2020年12月期の連結売上高は17,129百万円、営業利益で1,243百万円と、同社よりも規模的にはやや大きい。

※VMD(Visual Merchandising):商品展示効果を高めるため、店舗全体の空間デザインから商品の展示・陳列までを統合的に提供する商材及びサービス


資本業務提携による具体的な取り組みと進捗状況は以下の通りとなっている。

a) レッグスの持つコンテンツ領域での機能を活用することで、多様なコンテンツによる新たなサービスを提供し、受注獲得並びに規模の増大に取り組んできた。2021年3月期は、人気キャラクターコンテンツを活用したコラボキャンペーンの受注を流通・小売、飲料・嗜好品業界向けで獲得した。2022年3月期も同様のコンテンツを活用したプロモーション案件の受注が見込まれる。

b) 同社が今まで手薄だったVMD領域のノウハウや機能をレッグスから取り込むことで、特に、化粧品・自動車・食品関連の顧客に対して、従来よりも付加価値の高い販促サービスの提供に取り組んでいく。

c) レッグスの流通分野に関する物販を絡めたプロモーション領域全般のノウハウを取り込むことで、同社の流通系顧客に対して、レッグスのエンタメ・コンテンツの調達力や集客力を高めるマーケティング企画力と、同社のデジタルプロモーションを活用した店頭への集客ノウハウを組み合わせることで、より付加価値の高いプロモーションサービスを展開していく。2021年3月期に大手コンビニエンスストア向けで大きく売上を伸ばしたが、こうした取り組みの成果が顕在化した格好となっている。具体的には、スマートフォンやLINE等を通じて、消費者の関心の高いコンテンツを絡めたキャンペーンを実施し、消費者の認知度向上を図り、かつ消費行動や嗜好を分析したサービスを提供することが可能となった。こうした取り組みを2022年3月期以降も継続して進めていく。

d) レッグスの物販事業に関する生産管理や在庫管理のノウハウ並びに調達ネットワークを活用し、プロスポーツ事業を営む企業に対して、ファン層に対する物販領域の商材を提供するなど、スポーツマーケティング領域での事業拡大に取り組んでいる。2021年3月期に、レッグスから紹介を受けた顧客企業に対して、小規模ながらも取引を開始している状況にある。

e) レッグスとの共同仕入れ等によりコスト削減を図るとともに、高品質サプライヤーとの取引関係の強化に取り組んでいるほか、品質管理や生産管理手法についても互いの良いところを共有化している。また、営業管理手法についても2021年3月期よりレッグスの管理手法を導入し、その効果が出始めている。具体的には従来、営業活動の結果を管理していたが、営業目標に対する進捗状況を都度確認、見直していく予実管理型に改めた。

今後もこれらの取り組みをさらに強化していくことで、プロモーションの提案力向上とコスト低減、生産性向上が進み、売上規模の拡大と収益性向上につながるものと期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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