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カドカワ Research Memo(4):「ところざわサクラタウン」がオープン、投資額は約11年で回収見込み


■業績動向

3. 財務状況と経営指標
KADOKAWA<9468>の2021年3月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,822百万円減少の241,173百万円となった。内訳は、流動資産で13,870百万円減少し、固定資産で12,048百万円増加している。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金がところざわサクラタウン※の建設費用や一部固定資産の取得等により13,882百万円減少したほか、受取手形及び売掛金が3,086百万円減少した。固定資産では有形固定資産が8,597百万円、無形固定資産が532百万円それぞれ増加したほか、保有株式の時価総額増加により投資有価証券が5,526百万円増加した一方で、繰延税金資産が2,580百万円減少した。

※緑豊かな地から最先端の文化と産業を生み出し、世界に向けて発信する「COOL JAPAN FOREST構想」(所沢市と同社の共同プロジェクト)の中核拠点。同社が運営する書籍製造・物流工場や新オフィス、イベントスペース、アニメホテル、ショップ、レストラン、商業施設と、角川文化振興財団が管理・運営する文化複合施設「角川武蔵野ミュージアム」が開設される。総工費は395億円。


負債合計は前期末比9,069百万円減少の126,551百万円となった。流動負債で支払手形及び買掛金が3,366百万円、前受金が2,302百万円、返品引当金が1,218百万円それぞれ減少した。また、有利子負債については前期比47百万円増加の65,571百万円となり、長期借入金として固定負債に計上していた10,000百万円の返済期限が一年未満となったことで流動負債に振り替わっている。

純資産合計は前期末比7,246百万円増加の114,621百万円となった。配当金の支払い1,888百万円と親会社株主に帰属する四半期純利益5,206百万円の計上等により利益剰余金が3,318百万円増加したほか、その他有価証券評価差額金が保有株式の時価総額増加により4,054百万円増加した。

経営指標を見ると、健全性を表す自己資本比率は前期末比3.4ポイント上昇の46.7%、D/Eレシオ(有利子負債/自己資本)は同0.04ポイント低下の0.58倍となり、財務体質はやや改善している。ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債)はところざわサクラタウンの建設費支出増を主因として前期末の93億円のプラスから45億円のマイナスに転じたが、大型投資はピークアウトしたことから、2022年3月期以降はネットキャッシュも改善するものと予想される。

2021年3月期の設備投資額はキャッシュベースで190億円を計画している。ところざわサクラタウンが2020年11月にグランドオープンし、大型投資は一巡することになる。2022年3月期以降の設備投資額としては、2021年3月期の水準からは大きく減少する見通しだ。ところざわサクラタウン関連の減価償却費は2021年3月期で12億円、2022年3月期以降は23億円程度となる見通しのため、2022年3月期の減価償却費は2021年3月期見込みの44億円から11億円程度増加するものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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