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アルプス技研 Research Memo(8):2020年12月期も過去最高業績を更新する見通し(2)


■アルプス技研<4641>の業績見通し

3. 業界動向と同社の位置付け
全国の派遣労働者数は、2008年リーマンショック時の202万人をピークに減少傾向にあったが、2013年に底を打ち、2017年時点では129万人となっている。また、労働者派遣法の改正や同一労働同一賃金制度の導入(いずれも2020年4月1日施行)※などによって、派遣事業をめぐる環境は大きな転換点を迎えている。それは、派遣社員の有する技術力や専門性などと派遣先企業が何を派遣社員に期待するかによって、今後大きく変貌していくものと考えられる。端的に言えば、より新規で高度な技術力・専門性を持った人材へのニーズは堅調に推移するが、下流工程の作業については、景気動向などで大きく変動するだろう。

※同一労働同一賃金の導入は、同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)間にある不合理な待遇差の解消を目指すもの。一般的には、本件の導入により、非正規雇用労働者の賃金アップや非正規雇用労働者間での賃金格差拡大などが懸念されている。


同社では技術者の立場が無期雇用(正社員)で安定しており、高度な技術力と専門性を持つべく教育研修を受けているため、顧客企業からも信頼を得ている。無期雇用型技術者派遣に特化した同社の業績は、堅調に拡大していくものと期待される。もちろん、電気・機械、自動車、航空・宇宙など、技術力と専門性が生かせる業種の顧客ニーズを汲み取り、上流工程を任せられるためには、不断の努力が必要であろう。長期的な人間教育に支えられ、顧客の信頼を得ることによって、継続的に事業が拡大できるものと考えられる。

また足元では、「働き方改革」の影響を受け、1人当たりの工数が減少する一方、その代わりにエンジニア要請人数が増加しているところや、メーカーの人手不足を補うだけでなく、特定技術を必要とする先端技術領域においても要請が増えているところに特徴的な傾向が見られる。したがって、まさに同社が重点領域と位置付ける最先端技術の分野において、いかに優秀なエンジニアを確保(育成)できるかが、今後ますます重要な成功要因になっていくであろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




<EY>

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