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マザーズ市場 2020年の投資戦略 vol.3 ~マザーズ注目銘柄と先物戦略~


以下は、2020年1月27日にYouTubeチャンネル「FiscoTV」で配信された「マザーズ市場 2020年の投資戦略」である。フィスコマーケットレポーターの橋本 真依氏とフィスコの株式アナリストである雲宮 祥士氏が、対談形式でマザーズ市場の2020年の投資戦略について解説している。全3回に分けて配信する。


橋本:ここからは、2020年のマザーズ市場に向けた有効な先物戦略について焦点をあてていきたいと思います。雲宮さん、よろしくお願いいたします。

雲宮:はい、よろしくお願いします。「マザーズ市場 2020年の投資戦略 vol.2」で説明しました3銘柄(そーせいグループ<4565>、ラクス<3923>、フリー<4478>)について、基本的にはマザーズ指数に対してはアウトパフォームしていく推移を想定しております。ただし、そーせいグループに限っては、昨年度に上昇しすぎている点を指摘する向きも少なくありませんので、注目ポイントの動向をよく加味する必要はありそうです。

橋本:はい、マザーズ市場の時価総額上位銘柄の動向には今後も注目ですね。では、マザーズ銘柄を取引する人にとって、有効な先物活用方法などあるのでしょうか。

雲宮:マザーズ指数は日経平均やTOPIXに比べて日時変動率が大きいです。つまり、マザーズ指数を取引対象としたマザーズ先物は、日経平均先物やTOPIX先物と比べて収益機会が豊富であるといえます。

橋本:なるほど、先物というと現物のヘッジのイメージが強いのですが、どのように活用するといいのでしょうか。

雲宮:まず、マザーズ先物の大きな特徴としては、夜間取引(ナイトセッション)がある点と資金効率の良さの2点があると考えます。

マザーズ先物には、8:45~15:15まで行われる日中の立会取引に加えて、夕方4:30~翌朝5:30までの夜間取引・ナイトセッションがあります。この夜間取引を有効に活用することによって、米国雇用統計やFOMCの発表などといった海外の重要な経済イベントに合わせて取引を行うこともできます。

そのほかにも、マザーズ時価総額上位銘柄に好決算や明るい材料となりそうな提携などのリリースが東京時間大引け後・15時以降に出るとします。材料を発表した銘柄が時価総額上位銘柄の場合は、翌日のマザーズ指数の上昇に大きく寄与することが見込まれるため、この翌営業日の値上がり益を先んじてマザーズ先物の夜間取引で狙いにいくことが可能となるのです。

ここで、もう一つの利点として挙げた「資金効率の良さ」も関係してきます。通常、株式の信用取引では証拠金の約3倍の金額の取引を行うことができるのに対し、図の例では、証拠金81,000円を証券会社に預けることで1単位あたりの取引代金94万1,500円で取引することができます。つまり、レバレッジ効果で証拠金の約12倍の取引が可能になります。このように、マザーズ先物取引は証拠金に対して10倍以上の取引が可能ですので、10万円未満の少額の証拠金から取引を開始できるのです。

橋本:10万円未満の証拠金というのは、安いものなのでしょうか。

雲宮:こちらをご覧ください。これは、マザーズ時価総額上位銘柄と昨年末に上場したフリーの最低売買金額をまとめたものです。

■マザーズの浮動株調整後時価総額上位銘柄(2019年12月末時点): 最低売買金額

・そーせいグループ<4565>:21万7,100円
・メルカリ<4385>:22万3,500円
・ジーエヌアイグループ<2160>:26万2,400円
・ミクシィ<2121>:20万7,000円
・マネーフォワード<3994>:52万7,000円
・サンバイオ<4592>:26万3,300円
・アンジェス<4563>:6万3,900円
・Sansan<4443>:55万4,000円
・CYBERDYNE<7779>:5万6,700円
・ラクス<3923>:20万100円
・フリー<4478>:32万2,500円

雲宮:そーせいやメルカリは20万円以上、マネーフォワードにいたっては50万円以上の資金が最低でも必要になってくることがわかります。この11銘柄中、なんと9銘柄が最低売買金額として20~50万円が必要になってくるのです。

これらを見ると、既に投資資金のうちの多くを活用してポートフォリオを組んでおり、余力が少ないといった投資家さんでも10万円未満の証拠金から取引できるマザーズ先物は手がけやすいと思います。悪材料が出た場合のヘッジだけでなく、この資金効率の良さに着目している方も最近は増えてきているかと思います。

橋本:そうなんですね。少額の資金から始められて、夜間取引やヘッジなどにも使えるのは魅力的ですね。

雲宮:はい、個別銘柄で、制度信用銘柄の中から証券取引所や証券金融会社が定めている貸借銘柄選定基準を満たしている貸借銘柄(いわゆる空売り可能な銘柄)は、マザーズ市場銘柄約316社中50社程度であり、時価総額上位10銘柄のなかでは、ミクシィとラクス、Sansanの3社のみになっています。

マザーズ主力級銘柄の悪材料に伴うヘッジ売りにマザーズ先物を活用するだけでなく、これら3社の貸借銘柄に対して空売りポジションの保有をしていた場合にも、思わぬ好材料発表や海外市場でポジティブなニュースなどが出た場合は、マザーズ先物買いが有効となってくるでしょう。

橋本:今回のお話を通して、足元のマザーズ市場の動向や注目銘柄の決算ポイント、夜間取引や資金効率の良さに着目したマザーズ先物活用についても学ぶことができました。この動画は、東証マザーズ指数先物取り扱い会社(岩井コスモ証券、インタラクティブ・ブローカーズ証券、SBI証券、岡三オンライン証券、auカブコム証券、光世証券、松井証券、楽天証券)で掲載予定ですので、皆さん、ぜひご覧になってください。
雲宮さん、ここまでありがとうございました。

雲宮:はい、ご清聴いただきましてありがとうございました。




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