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ユニリタ Research Memo(9):ビッグデータや働き方改革の関連分野に高い伸び


■ユニリタ<3800>の業界環境

IDC Japan(株)の調査によれば、2017年の国内ソフトウェア市場は約2兆8,579億円(前年比5.8%増)となった。国内ソフトウェア市場のうちアプリケーション市場については、マーケティングアプリケーションの拡大とセールスアプリケーションの中堅中小企業への浸透により、CRMアプリケーションが2ケタの成長を実現。また、企業の働き方改革の実践により、場所やデバイスを問わずに業務を遂行することを支援するSaaS型のコラボレーティブアプリケーション市場も大きく伸びている。また、アプリケーション開発市場については、企業のビッグデータに対する取り組みが活性化し、データ管理ソフトウェアやデータアナリティクスソフトウェア市場も高い成長となった。システムインフラストラクチャソフトウェア市場についても、働き方改革に向けたセキュアなリモートワーク環境の構築にかかるソフトウェアの導入が増加した。

主要なプレイヤーは、国内メーカー系ベンダー(日立製作所<6501>や富士通<6702>、NEC<6701>など)を中心として、外資系のIBM、HPなどが上位を占めている。ただし、メインフレーム向け運用自動化ミドルウェアソフトに限定すれば同社が高いシェアを占めており、残存者利益を享受する状況が続いている。また、上場会社の中で、同社のようにITシステム運用とデータ活用に特化したソフトベンダー(自社パッケージソフトウェアメーカー)は存在しない。

一方、ユーザ側に目を向ければ、最近のIT投資は事業拡大に直結するものに傾斜配分される傾向にあり、ビッグデータ活用、人工知能(AI)、IoTなどのデジタル・テクノロジーを企業内に取り込み、顧客視点からビジネスモデルを構築することにより新たな価値を生み出す動きに注目が集まっている。また、経済産業省のレポートによると、複雑化やブラックボックス化した企業の古い情報システムや旧態依然とした組織構造・業務プロセスが、今後のデジタルトランスフォーメーションの進展を阻害する要因となり、仮に放置すると2025年以降、年間最大12兆円の経済損失が生じる可能性が指摘されている。そのうえで、2025年までにシステム刷新などを早急に進めていく必要性が提言されており、その動きが本格化してくれば、需要拡大に向けて追い風となるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)




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