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Jトラスト Research Memo(8):2019年12月期は早期の業績回復を優先し、減配を予定


■株主還元策

Jトラスト<8508>では、株主への適正な利益還元及び安定的な配当の維持を配当政策の基本としている。2019年3月期も、2018年3月期と同水準の配当を計画していたが、業績予想の大幅な下方修正に伴い、中間6円、期末1円、年間合計7円への減配を実施した。同時に、業績予想及び配当の減額修正に対する経営責任を明確にするために、役員報酬支給の取止め・減額を発表した。2019年12月期についても、早期の業績回復を優先するため、期末1円への減配を予定している。

また、同社では、株主の日頃からの支援に感謝するとともに、同社株式への投資意欲を高め、中長期的に同社株式を保有してもらうことを目的として、前期から株主優待制度を導入した。しかし2019年3月期は大幅な業績悪化となり、なおかつ減配となったこと等に鑑み、株主優待制度を休止することとした。当面は、早期の業績回復に努め、企業価値を高めていくことを優先するものである。


■情報セキュリティ対策

安心、信頼できる持続的な企業を目指す
昨今、我が国でも、企業に対する大規模なサイバー攻撃のリスクが懸念されるようになったが、同社の主業務である金融サービスにおいては、とりわけ安全なシステムが求められる。同社の事業活動において、顧客から預かる情報は極めて機密性が高い情報であり、社内に蓄積した情報を含めた情報資産を、盗難、不正アクセス、不正利用などの脅威から守り、かつ紛失、漏えい、改ざんがないよう、厳格で適正な管理体制が必要である。同社グループは、個人情報保護法に準拠した安全管理措置を講ずるために、個人情報の取扱い及び情報管理等に関する「個人情報保護規定」を制定するとともに、個人情報漏えいを未然に防ぐ行動指針として「情報セキュリティ基本方針」を定め、全役職員がこの方針に従って行動するとしている。

また、同社グループでは、「情報セキュリティ基本方針」に基づいてITシステムを整備し、情報セキュリティを維持・管理していくための全社的なシステム開発、リスクアセスメント、セキュリティマネジメント体制を整備することで、安全性及び機密性を維持している。さらに、多数の個人情報を取り扱うグループ企業でも、第三者である審査登録機関より、ISMS(Information Security Management System: ISOによるマネジメントシステム規格)及びプライバシーマーク((一財)日本情報経済社会推進協会が、個人情報の適切な取扱いを行っている事業者に対し使用を許諾する登録商標)の認証を取得し、情報セキュリティレベルの向上に努めている。

国内の情報セキュリティ対策は、100%子会社のJトラストシステム(株)が中心となって対応し、日常的に社員のパソコンのモニタリングなども行っている。また、海外では各国のコンサルタントを使って、各国の制度に応じた情報セキュリティ対策を講じているなど、内外の制度や環境の変化に応じて、絶えず情報セキュリティ対策の改善・修正を行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)




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