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フェローテク Research Memo(5):社債と株式の発行により現金及び預金が増加し、有形固定資産も増加


■業績動向

(2) 財務状況
フェローテックホールディングス<6890>の2019年3月期第2四半期末の財務状況は、流動資産は80,292百万円(前期末比13,465百万円増)となった。主に現金及び預金の増加13,071百万円、受取手形及び売掛金の増加375百万円、棚卸資産の減少265百万円による。固定資産は前期末比で8,576百万円増加し60,208百万円となったが、主に設備投資による有形固定資産の増加7,731百万円、無形固定資産の増加639百万円、投資その他の資産の増加206百万円による。その結果、資産合計は140,500百万円(同22,042百万円増)となった。

負債合計は、88,180百万円(同21,535百万円増)となったが、主に支払手形及び買掛金の減少375百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金の増加3,788百万円、社債の増加5,286百万円、長期借入金の増加10,649百万円等による。また純資産合計は、52,319百万円(同507百万円増)となったが、主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加2,381百万円、為替換算調整勘定の減少2,146百万円等による。

(3) キャッシュ・フローの状況
2019年3月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは5,403百万円の収入であったが、主な収入は税金等調整前四半期純利益の計上4,731百万円、減価償却費2,651百万円等で、主な支出は売上債権の増加1,324百万円、棚卸資産の増加181百万円、仕入債務の減少214百万円等による。投資活動によるキャッシュ・フローは12,251百万円の支出であったが、主に有形固定資産の取得による支出11,114百万円等による。財務活動によるキャッシュ・フローは20,679百万円の収入であったが、主な収入は長短借入金の増加14,639百万円、社債の発行による収入6,638百万円等で、主な支出は配当金の支払額443百万円による。

以上から2019年3月期第2四半期の現金及び現金同等物は13,071百万円増加し、四半期末残高は36,720百万円となった。

2. セグメント別概況
セグメント別状況を見ると、主力の半導体等装置関連は、売上高27,030百万円(前年同期比31.1%増)、営業利益5,059百万円(同43.9%増)、電子デバイスの売上高は5,879百万円(同6.8%減)、営業利益1,231百万円(同19.5%減)、太陽電池の売上高は5,166百万円(同48.2%減)、在庫評価損を計上したことなどから営業損失1,029百万円(前年同期は668百万円の損失)と不振であった。その他は、売上高7,156百万円(前年同期比17.5%増)、営業損失169百万円(前年同期は139百万円の利益)となった。

主要なサブセグメントの状況は以下のようであった。

(1) 真空シール関連事業
売上高は6,704百万円(前年同期比19.2%増)と堅調に推移した。半導体製造装置の真空プロセス向け需要が拡大し、FPD市場では、有機EL向けの需要は韓国、中国メーカーの投資延期の影響でやや軟調だった。半導体用途、及び中国市場向けに受託加工需要は堅調に推移した。

(2) 石英製品
売上高は7,300百万円(同41.7%増)と好調であった。メモリー向け、IoT向け、車載向けの投資が堅調で、製造装置向け新規案件が増加した。半導体エンドユーザー(デバイスメーカー)からの石英消耗パーツの需要も増加した。さらに国内大手製造装置メーカー向けにSiエッチャーパーツの量産納入を開始した。

(3) セラミックス製品
売上高は5,302百万円(同29.7%増)となった。マシナブルセラミックスでは、半導体検査治具材料の海外販売は好調だったが、国内向けは低調だった。国内一般産機用、医療関係は堅調に推移した。ファインセラミックスでは、国内は半導体のエッチング装置向けや成膜装置向けが好調、海外もエッチング装置向け需要は好調だった。

(4) CVD-SiC製品
売上高は1,291百万円(同21.4%減)となった。国内外の半導体製造装置向け部材は好調だったが、量産済新装置部品、代替材の採用で一部需要が鈍化した。

(5) ウェーハ加工と部品洗浄
半導体ウェーハ加工の売上高は2,360百万円(同3.2%減)となった。主力の6インチウェーハは上期中に月産40万枚の体制が整った。8インチウェーハは、環境対策で生産が停止されていたが2018年7月から生産が再開された。このため、上期は8インチウェーハの売上高は計上されていない。

部品洗浄※の売上高は、1,615百万円(同50.4%増)と好調に推移した。

※部品洗浄は、2018年3月期までは「その他」に含まれていたが、2019年3月期から「半導体等装置関連」に組み入れられた。


(6) サーモモジュール製品
売上高は5,451百万円(同6.9%減)と低調であった。自動車向けでは、温調シート用は米国市場での販売状況がやや軟化。自動車向けTE応用製品の拡販に向け、オートモーティブプロジェクト活動を開始した。さらに自動車カップホルダー用途などで量産を開始している。

その他の産業向けでは、半導体製造装置、ウェーハ冷却用途は順調に推移した。民生向け、バイオメディカル向けに用途を拡大している。通信関連では、光通信向け、5G投資により堅調であった。

(7) 石英坩堝
売上高は554百万円(同31.7%減)と低調。上期の後半から、中国政府の補助金政策の影響により、太陽電池向け単結晶坩堝が減少傾向。半導体向け坩堝は、単結晶坩堝の販売が増加した。また多結晶用角槽は製造販売を終了した。そのため、セグメントの売上高は減少した。

(8) 太陽電池用シリコン
売上高は2,687百万円(同55.8%減)と大きく減少した。最大の要因は、中国政府の太陽電池政策見直し(531新政=補助金政策見直し)以降、市場が激変し、需要の冷え込みと競争の激化により市場価格が大きく下落した。そのため、同社の事業も上期後半は赤字基調となった。主力OEM先の品質問題等により、上期後半に出荷保留による影響があった不採算品種は生産調整を実施、上期末には在庫処理(評価損計上)も行った。

(9) 太陽電池用セル
その他を含めた売上高は1,800百万円(同40.1%減)となったが、中国531新政以降、市場は急速に冷え込み、価格も大幅に下落し、上期後半は赤字幅が拡大した。そのため、OEM(加工賃事業)にシフトし、採算改善を図った。

3. 主な設備投資
2019年3月期第2四半期の設備投資額は11,114百万円(前年同期4,702百万円)であった。主な投資は、大口径ウェーハ(8インチ)用生産設備、石英製品及びセラミックスの増産設備、洗浄サービス用工場の新設などであった。これらの各種設備投資は、後述するように2019年3月期さらには2020年3月期も引き続き高水準で推移する見込みだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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