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ワコム---18年3月期決算はテクノロジーソリューション事業の好調により利益が黒字転換、3期ぶりにROE 10%台を回復


ワコム<6727>は11日、2018年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比15.4%増の822.63億円、営業利益が35.27億円(前期は11.71億円の損失)、経常利益が35.85億円(同8.70億円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が23.62億円(前期は55.34億円の損失)だった。また、それらの結果、ROEは10.8%と3期ぶり(2015年3月期以来)に10%台へと回復した。

業績を牽引したテクノロジーソリューション事業においては、EMR(Electro Magnetic Resonance: 電磁誘導)方式やアクティブES(Active Electrostatic: 静電結合)方式によるデジタルペン技術の業界標準化に取り組んだことで、タブレットやノートPC向けでのデジタルペンの採用が大幅に拡大した。さらに、グーグル社のChromebook(クロームブック)向けへの出荷など教育市場での事業機会の拡大や、文具メーカーとの協働を通じてデジタル文具市場の拡大にも取り組んだ。一方、スマートフォン向けについては、サムスン社の最新モデルGalaxy Note8向けの量産出荷が順調に推移したものの、サムスン社向けのその他のモデルが前期を大きく下回ったことから、減収となった。
以上から、タブレットやノートPC向けでの大幅な増収により、テクノロジーソリューション事業全体としての売上は前期を上回る好調な結果となった。

ブランド製品事業においては、主力のクリエイティブビジネスが、ディスプレイ製品の新製品やペンタブレット製品の中低価格帯の製品を中心に売上の伸ばしたものの、モバイル製品の販売減速やディスプレイ製品の大型インチサイズモデルの開発・販売遅延などにより、売上の伸びは小幅なものにとどまった。それ以外では、コンシューマビジネスが、Windows Ink(ウインドウズインク)に最適なスタイラス製品をマイクロソフト社と共同開発し市場投入したことで売上が大幅に拡大し、ビジネスソリューションも北米の金融機関向け案件獲得などにより売上を伸ばした。
以上から、ブランド製品事業全体としての売上は前期を上回る堅調な結果となった。

2019年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比3.3%増の850.00億円、営業利益が同13.4%増の40.00億円、経常利益が同9.4%増の39.20億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同26.2%増の29.80億円、また、年間配当金は2018年3月期から据え置きの6円の予定としている。




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