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DDHD Research Memo(11):ゼットン及び商業藝術とのシナジー効果や、新たなM&Aの実現に注目


■成長戦略

DDホールディングス<3073>は、ゼットン及び商業藝術の連結化や前期におけるシンガポールからの事業撤退のほか、業界を取り巻く環境変化等を踏まえ、改めて中期経営計画の公表を予定(現時点では未公表)しているが、世界に誇る「オープンイノベーション企業」を新たな経営理念に掲げ、新たな価値を創出しながら規模拡大を図る方向性を打ち出している。もっとも、高収益ブランドを軸とした出店拡大やウェディング事業の本格稼働、海外事業の拡大のほか、新業態(非アルコール業態を含む)や新規事業(インバウンド関連など)への展開などにより、持続的な成長を目指す方向性に大きな変化はないものとみている。

弊社では、インバウンド(訪日外国人)の拡大や東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて経済の活性化が予想される首都圏中心部においても、まだ十分に出店の余地が残されている上、ドミナント展開の強化を狙う関西圏での出店拡大、主要都市への出店推進により、同社の持続的な成長は十分に可能であると判断している。また、ゼットン及び商業藝術の連結化は、単なる業績の上乗せだけでなく、ウェディング事業の拡大や米国本土への進出など海外展開のスピードを高める可能性があるほか、新業態及び新規事業の展開などにおいても、成長を後押しするものと評価している。

また、持続的な成長も、ゼットン及び商業藝術の連結化により現実味が出てきた。ただ、更なる成長に向けては追加的なM&Aが不可欠となるだろう。業界環境が厳しいなかで、国内におけるM&Aの環境が同社にとって追い風になる可能性があることや、ゼットン創業者の稲本健一(いなもとけんいち)氏の参画(同社取締役海外統括グループCCO)により海外M&Aの実現性もより高まったことから、それらをいかに成功に導くのかが今後の成長のカギを握るとみている。ゼットン、商業藝術及びエスエルディーとの融合によるシナジー効果(特に、業界の枠を超えた新たな価値の創出など)と新たなM&Aの実現の2つの軸に注目していきたい。

■株主還元

DDホールディングス<3073>の2018年2月期の期末配当については、現時点で期初予想からの変更はなく、前期と同額の1株当たり15円配(配当性向16.3%)を予定している。弊社では、利益の上振れが生じた場合、増配となる可能性にも注意する必要があるとみている。また、今後も新規出店や新規事業にかかる投資負担が想定されるものの、高い利益成長の実現により、増配の余地は十分に期待できる。

また、2月末の株主に対する株主優待制度は、同社独自のポイント制度であるDD POINT付与、または同社グループの店舗で利用できる株主ご優待券、もしくはお米(新潟県魚沼産コシヒカリ)の中から選択できる内容となっており、非常に充実した株主優待制度と言える。また、2017年2月9日には、「DD POINT」及び「株主ご優待券」を従来の5割増しに変更するとともに、「DD POINT」はゼットンの店舗(導入不可能店を除く)でも利用可能となっている。ゼットン及び商業藝術の連結化により、「株主ご優待券」の利用店舗の拡大など、今後さらに充実化が進む可能性にも注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)



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