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ケンコーマヨ Research Memo(6):2018年3月期は原材料高騰で上期減益だが、下期に盛り返す


■今後の見通し

1. 2018年3月期の業績見通し
ケンコーマヨネーズ<2915>の2018年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.9%増の75,000百万円、営業利益が同2.3%増の4,080百万円、経常利益が同2.1%増の4,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.1%増の2,870百万円と増収増益基調を継続、過去最高業績を更新する見通しとなっている。上期についてはジャガイモ市況高騰の影響により減益となるものの、下期以降に挽回して通期では増益を維持する格好となる。当第1四半期は1ケタ台の増収ペースに戻ると見ている。

通期経常利益の増減要因としては、増収効果で375百万円、生産効率の向上で90百万円、物流費のダウンで58百万円の増益を見込む一方で、原材料価格変動による影響で80百万円、固定経費等の増加で360百万円の減益要因を見込んでいる。なお、主要原材料である鶏卵価格については年度平均で205円/kgと前期比横ばい水準、ジャガイモについては収穫量の回復により前期比6.7%減の180円/kgを前提としている。にもかかわらず80百万円の減益を見込んでいるのは、食用油相場の上昇やツナ等の輸入材料のコスト増を見込んでいるためだ。食用油については先物予約で年間の半分以上を抑えており、大きなブレはないものと見られる。このため、鶏卵やジャガイモの市況が今後の利益の変動要因となる可能性がある。

鶏卵については4-5月で前年同期比5%強の上昇となっている。3月に宮城県や千葉県で鳥インフルエンザが発生したことが影響したと見られるが、現在は沈静化しており今後は前年並みの水準で推移するものと思われる。また、ジャガイモについては春に植えて秋に収穫するが、2016年は天候不順で収穫量が前年比約9%減と大きく落ち込み、平均卸売価格で同21%の急上昇をみせた(2015年159円/kg→2016年193円/kg)。このため、2017年の卸売価格は収穫量次第となるが、会社側では前年比2%増の回復を前提に、卸売価格が低下すると見ている。天候が良好で収穫量が2年前の水準まで戻るようであれば、卸売価格が会社想定よりも下がる可能性がある。

2. 事業セグメント別売上見通し
セグメント別売上見通しでは、調味料・加工食品事業で前期比5.1%増の61,477百万円、総菜関連事業等で同10.4%増の12,210百万円、その他で同6.1%増の1,313百万円を見込んでいる。今年度の取り組みとしては、健康志向や人手不足など、市場の変化や顧客ニーズの変化に対応した商品開発を進めていくほか、既存の概念にとらわれない新たな発想による新商品を開発し、更なる市場演出によって販路の拡大を進めながら売上高を拡大していく方針となっている。

調味料・加工食品事業のうちサラダ・総菜類に関しては、前期比5.3%増収を見込む。2017年はロングライフサラダ「ファッションデリカフーズ®」の発売40周年に当たるため、毎年秋に東京と大阪で開催するグループ総合フェアに合わせて、新商品の発売やブランドイメージの統一・向上につながる様々な施策を実施していく計画となっている。商品戦略としては引き続き、小型形態のロングライフサラダを伸ばしていくほか、新素材系ポテトなどのラインナップ強化を図っていく。

マヨネーズ・ドレッシング類は前期比4.1%増収を見込む。ヘルシー志向を意識した新製法による高付加価値商品の開発や、業務用の調味料市場(ソース)でも新商品を投入し、事業領域の拡大を進めていくことで増収を目指していく。

タマゴ加工品については前期比6.1%増収を見込む。引き合いが旺盛で前期は2.3倍増と急拡大した「惣菜亭®」シリーズの国内外での販売拡大を進めていくほか、タマゴサラダについても需要拡大に対応すべく厚木工場で2017年3月より生産能力の増強が整い、積極的に販路拡大を進めていく予定となっている。

また、その他についてはサラダカフェの店舗数増加で増収を見込んでいるほか、今期はインドネシアにおける持分法投資損益も黒字化を目指している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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