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エレマテック Research Memo(4):減収減益決算ながら、売上高、営業利益ともに過去2、3位の高水準を維持


■業績の動向

1. 2017年3月期決算の概要
エレマテック<2715>の2017年3月期決算は、売上高203,004百万円(前期比6.4%減)、営業利益5,406百万円(同21.3%減)、経常利益5,314百万円(同22.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,342百万円(同73.4%減)と前期比減収減益となった(2016年3月期決算は一部の子会社について15ヶ月分が連結されているため、減収率・減益率が誇張されている)。

同社は第2四半期決算に際して通期の業績予想を下方修正したが、その修正予想に対しては営業利益以下の各利益項目は上振れで着地した。減収減益ではあったが売上高は過去2番目の位置をキープしているほか、営業利益も過去3番目の水準にある。ここ数年の同社の主力商材であったスマートフォン向け売上高が大きく減少したなかでは健闘したと評価できる内容だったと弊社では考えている。

売上高は前期比13,820百万円の減収となった。減収の要因は、詳細は後述するが、需要先別ではスマートフォン関連の売上高が前期比約30,000百万円減少したことが最も大きかった。スマートフォン向けの落ち込みや建設資材向けの販売停止等の一方で、実装ビジネス(液晶用部品の実装)が20,000百万円規模の売上げとなったため、減収幅は前述のように13,820百万円での着地となった。

一方利益面では、スマートフォン向け売上高の大幅減収で減少した利益を、実装ビジネスの拡大では十分には取り戻せなかった。実装ビジネスの内容が調達代行サービスに近く利益率が低いためだ。減収要因に製品ミックスの悪化が重なり、売上総利益率は前期の8.6%から8.4%に0.2%ポイント低下した。

販管費は、業績連動賞与の減少で人件費は減少したものの、実装ビジネスの拡大で輸送費が増加したほか貸倒引当金繰入額の計上でその他経費も増加した。販管費の金額は前期比173百万円減少したが売上高販管費率は前期の5.5%から5.8%に0.3%ポイント悪化した。以上の結果、営業利益は前期比1,462百万円(21.3%)減益の5,406百万円で着地し、売上高営業利益率は前期比0.5%ポイント悪化して2.7%となった。

親会社株主に帰属する当期純利益の減益幅が大きくなっているのは、貸倒引当金繰入額2,787百万円を含む特別損失2,801百万円を計上したことが理由だ。この貸倒引当金は中国の建設資材の取引先に対してその債権を全額引当計上したものである。同社との取引は既に停止済であり、損失は2017年3月期限りの一過性のものだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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