トラストテック Research Memo（1）：国内・海外ともに計画どおりの収益拡大で、中期成長戦略は順調に進捗中

■要約

トラスト・テック<2154>は技術者・製造スタッフの派遣や開発・設計・製造の請負を中核事業とする人材サービス会社。特に技術者派遣・請負で強みがあり、技術系の上場企業の中では海外展開にも積極的。

1. 2017年6月期第2四半期は予想を上回って着地。通期も好調持続の見通し
2017年6月期第2四半期決算は、売上高、利益ともに期初予想を上回って着地した。2016年8月に子会社化した英MTrec Limited（以下、MTrec）はほぼ想定どおりの収益を上げたほか、国内の技術系領域、製造系領域の両セグメントも、旺盛な需要と同社の人材獲得策がうまくかみ合い、期初予想を上回ったことが、全社ベースの収益上振れにつながった。今下期も良好な事業環境は継続しており、通期ベースでも計画比上振れでの着地が期待される。

2. 中期成長戦略の実現に向け、各種施策を着実に実行
中期成長戦略は順調に進捗している。前述のように、2017年6月期第2四半期の好調な決算がその証左であるが、それと同時に、技術系領域における人材配置や営業の最適化を目指した組織再編や、製造系領域における地域密着型事業展開の強化、海外領域におけるアジア地域での先行投資など、来期以降を見据えた“タネ蒔き”の各種施策が着実に実行されている。

3. MTrecの業績は期待どおりのペースで推移
今中期成長戦略で大きな位置を占めるMTrecは順調な操業が続いている。本拠地があるイングランド北東部では顧客企業の間で生産能力増強の動きが相次いでおり、今後の人材サービスの需給タイト化が見込まれる。MTrec自身も自動車関連から電機、機械の領域へと得意領域を広げつつあり、買収時点で想定した線での業績拡大が続いている。買収に当たってアーンアウト方式を採用したため、同社の買収リスクが低位に抑えられる点も強みだ。

4. 2018年6月期も売上高は前期比20%成長が続く可能性
2018年6月期についても堅調な推移が見込まれる。技術系領域や海外領域では2ケタ成長が見込まれるほか、製造系領域では引き続いての収益性改善が見込まれる。オーガニック・グロース（自律的成長）とM&Aを組み合わせて20%超の売上高成長が中期成長戦略での目標だが、オーガニック・グロースだけでも目標に迫ることは充分可能だと弊社ではみている。

■Key Points
・2017年6月期通期も期初予想を上回る可能性
・オーガニック・グロースとM&Aを両輪とする高成長の持続が目標
・「地域」と「領域」の2つの軸で成長目標実現を目指す

（執筆：フィスコ客員アナリスト　浅川　裕之）



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