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BBT Research Memo(7):プラットフォームサービス事業と法人向け教育サービス事業に注力し収益拡大の方針


■今後の見通し

(2)中期成長戦略

ビジネス・ブレークスルー<2464>は中期的な成長戦略として、プラットフォームサービス事業と法人向け教育サービス事業に積極的に注力し、収益を拡大していく方針を打ち出している。

a)プラットフォームサービス事業
プラットフォームサービス事業については、2段階に分けて戦略を策定している。まず、第1段階として都心での積極的な拠点展開と国際バカロレアの認証取得を進めていくことで、アジアNo.1のインターナショナルスクールの実現を目指していく。第2段階としては、第1段階の取り組みで蓄積したノウハウやコンテンツをもとに、国際バカロレアの認証取得を目指す学校だけでなく、同様の探求型学習を志向する学校にもプラットフォームサービスとして提供し、国内での国際バカロレア認定校の普及促進やグローバル人材の育成に貢献していくことを目指している。

まず、拠点数としては現在6拠点体制だが、今後2年程度で山手線内やその周辺でプレスクールを増設し、10数校まで拡大していく計画となっている。1拠点当たりの売上高としては150~200百万円、のれん償却前営業利益率で10%前後を目指している。また、「アオバジャパン・インターナショナルスクール 光が丘キャンパス」については、2年後にほぼフルキャパシティに近づくことから、早ければ2年後に初等部門をより通学しやすい場所へ移設する計画となっている。そうすることで、各プリスクールからの卒園生が通学しやすくなり、更なる生徒数の拡大が見込まれる。なお、新設についてはM&A、独自開設の双方を視野に入れている。

拠点の増設と同時並行で、国際バカロレアの認証取得も進めている。既に「アオバジャパン・インターナショナルスクール」(光が丘キャンパス)がフルラインの認証取得校となったほか、「JCQバイリンガル幼児園」(晴海・芝浦キャンパス)では2017年3月に国際バカロレアからの最終視察を受け、問題が無ければ同年8月までにPYPを認証取得できる見通しだ。また、「サマーヒルインターナショナルスクール」については2016年9月にPYP候補校となり、2018年度の認定取得を目指す。「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」については、2016年9月にPYP候補校の申請を行っており、2017年春に候補校になる予定だ。

こうした同社の取り組みは、生徒数の増加並びに収益拡大という成果になって表れてきている。2016年11月末時点での生徒数・園児数を見ると、「アオバジャパン・インターナショナルスクール」が440名、「JCQバイリンガル幼児園 晴海キャンパス」が135名、「サマーヒルインターナショナルスクール」が86名、「JCQバイリンガル幼児園 芝浦キャンパス」が19名、「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」が36名となっている。特に「アオバジャパン・インターナショナルスクール」については、2013年10月に子会社化した時点で250名だった生徒数が3年間で1.76倍に拡大し、収益も損失から利益に転換した。

直近に事業譲受した「JCQバイリンガル幼児園 芝浦キャンパス」「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」についてはさらに効果が大きくなっている。2017年3月期は事業開始初年度で募集活動の時間が十分でなかったことから、園児数は定員数を大きく下回ったが、マーケティング活動を継続してきた効果により、「JCQバイリンガル幼児園芝浦キャンパス」については2017年3月までに25〜30名まで増加する予定となっているほか、「アオバジャパン・バイリンガルプリスクール」についても2017年4月募集の願書が既に90名ほど来ており、1〜3歳児については定員に達する勢いとなっている。このため、これら2つのプリスクールについても、2018年3月期からの黒字化が視野に入っている。

弊社では、第1段階の目標を達成できれば、売上規模は今期見込み比で約2.5倍増となる40億円程度に達するものと予想している。

第2段階目の戦略となるプラットフォームサービスの展開については、国際バカロレアのカリキュラムをベースにしたコンテンツを今後、作り込んでいく必要がある。同社では遠隔教育と対面教育を組み合わせたブレンド型教育を行うことで、プラットフォームサービスの展開が可能と見ている。国際バカロレアでは生徒一人ひとりが問題を提起し、ディスカッションしながら解決策を導き出す探究型学習となる。このため、コンテンツについても科目や学年によって、その内容が大きく変わってくる。同社では2016年8月末より、「アオバジャパン・インターナショナルスクール」でこの取り組みをスタートさせており、今後、試行錯誤しながら最適なコンテンツを作り込んでいく予定にしている。

なお、プラットフォームサービスは生徒だけではなく、先生の教育研修用途での展開も想定している。国際バカロレアで求められる学習指導方法が、従来の画一的な指導要領とは異なるためだ。また、将来的にはアジアへのサービス提供も視野に入れている。同社では早ければ2019年にもプラットフォームサービスを展開していくことを目指している。

政府では成長戦略の1つとして「国際的に活躍できるグローバルリーダーの育成」を旗印に掲げ、大学の改革を進めていく方針を打ち出しており、その一環として国際バカロレアDP認定校を2018年までに200校まで増やすことを掲げている。ただ、DP認定校は2016年12月時点で28校にとどまっており、目標から乖離し始めている。現状の文部科学省の学習指導要領と同時並行で国際バカロレアの認証取得を目指していくことは、ノウハウや人的リソースが不足していることから現状では困難だが、同社が取り組んでいる「ブレンド型教育」によって、プラットフォームサービス展開が可能となれば、国際バカロレアの認証取得校も増加していくことが予想される。

b)法人向け教育サービス事業
法人向け教育サービス事業の市場規模は年間5,000億円弱の規模でここ数年は緩やかな成長が続いている。このうち同社の事業領域であるeラーニング市場については約700億円の市場になっており、売上規模で10億円規模となる同社にとっては依然開拓余地が大きい。

同社の顧客数は現在、400〜500社あるが、売上高の半分は上位20社の企業で占められている。上位20社で見た1社当たり平均売上高は20〜25百万円となるが、同レベルの顧客数を将来的に100〜200社まで拡大していくことを目標としている。

同社では1万時間超に及ぶ膨大なコンテンツを顧客ニーズに合わせてカスタマイズ提案できることが強みとなっており、こうした取り組みを営業体制の強化によりさらに推進し、事業規模を拡大していく方針だ。人材については研修サービス事業の営業経験者を中心に積極採用していくほか、事業提携なども視野に入れている。なお、研修で使用されるコンテンツは2次利用のためほとんどコストは掛からない。当面は営業体制の強化に伴う費用増が先行するものの、中期的には事業規模の拡大に伴う収益性向上が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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