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ケンコーマヨ Research Memo(7):6期連続の増収、連続最高益更新となる見通し


■今後の見通し

(1) 2017年3月期の業績見通し

ケンコーマヨネーズ<2915>の2017年3月期の連結業績は、売上高が前期比5.8%増の70,800百万円、営業利益が同19.3%増の4,100百万円、経常利益が同22.6%増の4,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同28.5%増の2,680百万円と6期連続の増収、連続最高益更新となる見通し。期初会社計画に対して売上高、利益ともにそれぞれ上方修正しているが、修正分は上期の増額分だけとなっており、下期の業績だけで見ると期初計画をほぼ据え置いた格好となっている。これは夏場の相次ぐ台風の上陸や秋口の日照不足によって野菜の収穫量が全国的に落ち込んでおり、野菜価格の高騰による原材料調達コスト上昇を下期に見込んでいるためだ。

通期経常利益の増減要因としては、増収効果で644百万円、生産効率の向上で317百万円、物流費のダウンで110百万円、原材料価格変動による影響で20百万円の増益要因を見込む一方で、固定経費等の増加で317百万円の減益要因を見込んでいる。なお、主要原材料である鶏卵の価格については年度平均に対して、4月から10月までの平均はやや想定を下回って推移している。

ただ、馬鈴薯(ジャガイモ)について主要産地である北海道の収穫量が台風被害の影響等により、前年比で大きく落ち込む見通しとなっており、一部の食品メーカーでは新商品の発売を延期するなどの影響が出ている。同社においては契約先も増やし、必要量を確保する動きをしているものの、調達コストのアップや品質管理コスト増の影響があり、そうした費用増分を今期の計画に織り込んだ格好となっている。なお、じゃがいもについては一毛作のため、収穫量減少の影響が2017年の7月頃まで続く可能性がある。

(2)セグメント別売上見通し

セグメント別売上見通しでは、調味料・加工食品事業で前期比5.3%増の57,969百万円、総菜関連事業等で同8.5%増の11,565百万円、その他で同2.2%増の1,265百万円を見込んでいる。販売戦略としては前期に引き続き分野別・業態別に細分化した販売戦略を進めていくほか、市場ニーズに沿った商品形態の拡充や、商品ラインナップの強化も図っていく。

調味料・加工食品事業のうちサラダ・総菜類に関しては、量販店、CVS向けに引き合いが好調な小型形態のロングライフサラダの販売が一段と拡大する見通しだ。また、新ブランドとして、10月に「まごころ食彩」を発売した。「すべての人に美味しく食べられるサラダ・惣菜を」をコンセプトに、従来の「やわらか食」シリーズをより滑らかにアレンジしやすくした、シニア層をターゲットとした商品となる。

マヨネーズ・ドレッシング類では、海外市場の開拓を進めていく。海外では各国の輸入規制も厳しくなってきているため、賞味期間の延長やグルテンフリーマヨネーズなどのニーズに合わせて各国の展示会に出展し、認知度の向上を図っていく戦略だ。なお、2016年9月末時点で35の国と地域に輸出している。一方、国内では「世界を旅するドレッシング®」に続く新シリーズとして、健康志向の高まりに対応したノンオイルドレッシング「トリプルバランス」シリーズを発表。10月に「金ごま」「シーザーサラダ」の2品目を発売した。低カロリー、低糖質、減塩をキーワードにした商品で、外食やCVS、量販店、給食、ベーカリー等に向けて販売していく。また、同時に既存の人気ドレッシング3商品については小型の200ml形態の商品も発売した。

タマゴ加工品では、新たな市場開拓に向け「惣菜亭®」シリーズのラインナップ強化を図っていく。同シリーズは静岡富士山工場で生産を開始して以降、味・品質が高く評価され、外食業界において短期間でブランドを確立するなどヒット商品となっているが、2016年秋より新たにリニューアルを実施し、さらに商品力の強化を進めている。具体的には、冷蔵品タイプの賞味期間を21日から30日に延長したほか、だしの産地(静岡県焼津産鰹節のだし、北海道産真昆布のだし)へのこだわりや、ロゴマークの作成、パッケージデザインに同社のWebサイトのおすすめレシピに誘導するためのQRコードを掲載するなどの工夫も取り入れた。タマゴ加工品の中で「惣菜亭®」の占める比率はまだ高くはないものの、今後も成長が期待できる商品となっている。

総菜関連事業等は、中食市場の拡大を追い風に順調な売上増が見込まれる。野菜価格の高騰により下期は収益性の低下が懸念されるが、増収効果でカバーできる見通しだ。また、その他については「Salad Cafe」の売上高はほぼ前期並みの水準となる見通し。インドネシアの関連会社については、小売用マヨネーズの販売を立て直して、単月での黒字化を目指していく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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