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エクストリーム Research Memo(6):ウイットネスト子会社化で資産が膨らむが、自己資本比率は50%超維持


■業績動向

(3)エクストリーム<6033>の財務状態

貸借対照表を見ると、2016年9月末における総資産は1,812百万円となり、単独前期末比575百万円増加した。内訳を見ると、流動資産が273百万円増加したほか、固定資産が301百万円増加した。流動資産の増加は、現金及び預金の増加145百万円と売掛金の増加104百万円が主な要因。一方、固定資産の増加は、ウィットネストの子会社化によるのれんの増加で無形固定資産が226百万円増加したことによるところが大きい。

負債合計は同465百万円増の848百万円となった。流動負債と固定負債がそれぞれ増加したが、流動負債の増加240百万円は未払金の増加94百万円、未払法人税等の増加79百万円、短期借入金等の増加62百万円など。一方、固定負債の増加224百万円は、社債の増加140百万円、長期借入金の増加83百万円が要因。なお、有利子負債は前期末の65百万円から352百万円へ増加した。

純資産は同109百万円増の964百万円となった。四半期純利益計上により利益剰余金が同116百万円増加したためだ。

キャッシュ・フローの状況を見ると、2016年9月末の現金及び現金同等物は、前期末に比べ147百万円増加し、709百万円となった。各キャッシュ・フローの増減要因について見ると、営業キャッシュ・フローは180百万円の収入となった。売上債権の増加による資金の減少100百万円があったものの、税金等調整前四半期純利益224百万円や未払金の増加47百万円が増加要因として働いた。投資キャッシュ・フローは289百万円の支出となった。連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出243百万円と差入保証金の差入による支出44百万円があったことによる。一方、財務キャッシュ・フローは262百万円の収入となった。配当金の支払額24百万円があったものの、長期借入金による収入120百万円と社債発行による収入177百万円があったためだ。

経営指標を見ると、健全性を表す自己資本比率はウィットネストの子会社化とそれに伴う資金調達により53.2%へ低下したものの、50%を超える水準を維持したほか、流動比率も201.1%と一般に健全と言われる200%を維持している。一方、収益性を表す営業利益率は人材ソリューション事業の受注好調、コンテンツプロパティ事業の収益改善を映し14.3%と2ケタ台に乗せた。

(4) 2017年3月期業績見通しと下期の取り組み

2017年3月期業績については、第2四半期累計業績の通期計画(売上高3,441百万円、営業利益326百万円、親会社株主に帰属する当期純利益210百万円)に対する進捗率は売上高47.1%、営業利益71.2%、親会社株主に帰属する当期純利益67.3%と前年同期(売上高46.7%、営業利益11.8%、当期純利益13.0%)の水準を利益は大きく上回っているものの、従来から注力している教育・研修で更なる投資を行うことを前提として期初会社計画のまま据え置いた。

下期の事業別に見た具体的な取り組みは以下のとおり。まず、主力のソリューション事業では、エンターテインメント系顧客に対して常時10名以上が常駐する大口顧客開拓を推進し、同社のサービスが顧客に必要不可欠な環境を構築することで取引の継続性を高める深耕強化を図ると同時に、エンターテインメント系顧客の需要変動に対応できるようにWebサービス関連顧客への深耕も図る。さらに、ウィットネストと連携することによりウィットネストの主要顧客である通信、サービス、小売業などの顧客に対して同社の社員が常駐できる仕組みと体制を構築する。また、同社の「クリエイター&エンジニアカンパニー」のブランド確立に向けて、11月以降同社の企業認知度の向上のためにWeb広告等を積極的に行うほか、本社移転による採用率及び定着率の向上と、既存社員を中心に更なるスキル習得プログラム投入※などの研修制度拡充により、社員力のアップを目指す。

※具体的には社員の保有スキルを拡充するために、一時的に社内へ戻し技術習得させることや、社内プロジェクトクトに従事させることを計画している。

一方、コンテンツプロパティ事業では、Datcroftのタイトル※1を順次投入し、海外ゲームパブリッシング事業を本格的に開始する。また、成長が見込まれるVR分野への参入を目論み、技術研究を本格的に開始する計画になっている。

※1具体的には、11月にリリースした「フルーツ・フォレスト」のほかに、「バトルドラゴン~いにしえの財宝~」(ジャンル:ストラテジー型シミュレーションゲーム)、「ガンズ オブ エクイエム」(ジャンル:MMO※2シューティングゲーム)、「FRAGORIA plus(フラゴリア プラス)」(ジャンル:MMO※2 RPG)の4タイトルを、年度内を目途に投入する予定になっている。
※2 Massively Multiplayer Onlineの略称。数百~数千のユーザーが1つの空間を共有するような形態のこと。MMORPGはインターネットを介して数百人~数千人が同時に参加できるロールプレイングゲームであるのに対して、MORPG(Multiplayer Online Role Playing Gameの略)はMMORPGより参加人数が小人数のロールプレイングゲーム。

弊社では、1)第2四半期累計業績における利益進捗率が極めて順調である、2)主力のソリューション事業はエンターテインメント系、非エンターテインメント系ともに第2四半期までと同様に好調が続くと予想される、3)配信を開始した海外ゲームパブリッシング事業をまったく計画に織り込んでいない、——などから、会社計画は保守的で、第3四半期業績の数値が固まれば上方修正される可能性が高いと予想している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )



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