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買い先行スタートも、米CPI待ちで次第に様子見ムード強まる【クロージング】


*15:56JST 買い先行スタートも、米CPI待ちで次第に様子見ムード強まる【クロージング】 15日の日経平均は小幅続伸。29.67円高の38385.73円(出来高概算21億4000万株)で取引を終えた。前日の米国株の上昇を映して半導体関連株など値がさ株中心に買われ、取引開始直後には38816.60円まで上値を伸ばした。また、円相場が1ドル=156円台半ばまで円安が進んだことも支援材料になった。ただ、心理的な節目の39000円に接近したため、戻り待ちの売りが散見されたほか、米国では4月の消費者物価指数(CPI)の発表や米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言機会など重要なイベントを控えているため、終盤にかけては、持ち高調整売りが次第に増え、日経平均は大引けにかけマイナスに転じる場面があった。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1100を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、精密機器、ゴム製品、電気機器、輸送用機器など10業種が上昇。一方、石油石炭、不動産、陸運、繊維製品など23業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ソニーG<6758>、アドバンテス<6857>、HOYA<7741>が堅調だった半面、ニトリHD<9843>、ファナック<6954>、KDDI<9433>、NTTデータ<9613>が軟調だった。

前日の米国市場は、4月の卸売物価指数(PPI)が市場予想を上回ったことやパウエルFRB議長の発言から弱含む場面もあったが、長期金利の上昇が一服したことが支援材料となり、主要株価指数は上昇。東京市場もこの流れが波及して始まった。また、4月の米PPIは市場予想を上振れたものの、3月実績が下方修正され、過度なインフレへの警戒感が和らいだことも投資家心理の好転につながったと見る向きが多く、日経平均の上げ幅は一時400円を超えた。

このほか、自社株買いや増配、株式分割を発表したソニーGが一時12%超の急伸を演じたほか、第1四半期の業績が市場予想を上回った横浜ゴム<5101>も上伸した。一方、市場予想を下回る決算を発表したニトリHDやカシオ<6952>、コニカミノルタ<4902>などの指数構成銘柄が急落するなど、決算を受けた取引は活発だった。

米国では15日、4月のCPIと4月の小売売上高、5月のニューヨーク連銀製造業景気指数が発表されるほか、ボウマンFRB理事などの発言の機会もある。年内1回程度の利下げが想定されるなか、CPIを始めとした経済指標を受け、利下げ回数予想が減るのか見極めたい向きが多く、FRB幹部による発言で今後の金融政策運営の方向性を探る手掛かりを得たいところだ。


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