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日経平均の上昇ほど、トレードチャンスは限られ【クロージング】


5日の日経平均は大幅に反発。367.56円高の20776.10円(出来高概算12億8000万株)で取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長による、「景気拡大を持続させるために適切な行動をとる」との発言を背景とした利下げ期待、また、中国商務省の報道官が「貿易摩擦は対話によって解決すべきだ」との声明を出し、貿易摩擦への過度な警戒感が後退したことが材料視された。

シカゴ日経225先物清算値は20730円と大幅に上昇した流れを受けて、これにサヤ寄せする格好からギャップ・アップでのスタートとなった。その後も上げ幅を広げており、前引けには20800.64円と3日ぶりに20800円を回復する局面もみられた。ただ、後場はこう着感の強い展開となり、値幅は50円程度にとどまっている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1900を超えており、全体の9割を占める全面高商状。セクターでは33業種全てが上昇しており、ガラス土石、精密機器、金属製品、非鉄金属の上昇率は3%を超えている。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>、ダイキン<6367>、テルモ<4543>がけん引。

日経平均はギャップ・アップでのスタートとなったことから、テクニカル面ではアイランドリバーサル形状が意識されてくる。そのため、本日クリアしている5日線での踏ん張りをみせたいところであろう。もっとも、パウエルFRB議長発言や米中貿易摩擦への過度な警戒感が後退したことが材料とはなったが、リバランス中心の流れには変わらず、ポジションを積極的に積み上げた動きとは考えづらい。そのため、明確な底打ちとみる向きは限られており、日中のこう着感の強い相場展開は続くことになりそうだ。

また、戻りの目処としては節目の21000円や25日線辺りが意識されてきそうだが、ギャップ・アップで達成できる水準でもあるため、オーバーナイトのポジションも持ちづらい需給状況の中では、日経平均の上昇ほど、トレードチャンスは限られそうである。



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