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欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、衆院選で与党圧勝も組閣めぐる動向に注意


今日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想したい。引き続き米税制改正の早期実現を期待したドル買いが先行する見通し。ただ、週末の衆院選で与党は圧勝したが、自民党内では組閣人事をめぐり安倍晋三首相への不満が広がる可能性から、現政権の存続を好感した円売りは短期的にとどまりそうだ。

米上院は前週末に2018会計年度(17年10月-18年9月)の予算決議案を賛成多数で可決。財政赤字拡大への懸念は残るが、市場ではトランプ政策の柱である税制改革の進ちょくを期待した株買い・ドル買いの流れが続くだろう。トランプ大統領は22日に発表した声明で、「時代遅れで複雑な税制を見直さない限り、米経済は離陸できない」と議会に税制改革案の早期成立を求めた。今晩は重要イベントが予定されておらず、米国の長期金利や株価動向にらみの展開となる見通し。法人税の大幅引き下げなどで企業業績の改善を見込んだ株買いが続き、長期金利が上昇し、ドルを押し上げる要因となろう。また、日本の衆院選で与党圧勝も一段の円安を誘発する可能性はある。

一方で、安倍首相の今後の政権運営には危うさも指摘される。22日に行われた衆院選で、自民党は公明党と合わせて465議席の3分の2を上回る議席を獲得。報道によると、安倍首相は、近く発足させる第4次内閣について、現在の閣僚をほぼ再任する方向のようだ。ある政党関係者は「閣僚を任せられない人を起用した場合には政権の弱体化につながるため、人材が乏しい党内事情を考えると再任せざるを得ない」と解説。ただ、大勝利によりかえって当選回数を重ねた議員からポストを求める圧力が強まり、それに対処できなければ自民党内に反安倍ムードが広がる状況も考えられる。このため政権基盤は必ずしも盤石とはいえず、円売りは長続きしない可能性もある。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・9月シカゴ連銀全米活動指数(予想:-0.10、8月:-0.31)




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