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NYの視点:米インフレ期待の上昇が目立ち年内の利下げ観測が後退


*07:41JST NYの視点:米インフレ期待の上昇が目立ち年内の利下げ観測が後退 NY連銀が発表した4月分の調査で1年先のインフレ期待は3.26%と、昨年11月来で最高となった。特に連邦準備制度理事会(FRB)が期待インフレ率として注目の5年先のインフレ期待も2.82%と、3月の2.62%から上昇した。住宅価格、ガス料金、食品価格、賃貸、大学の費用など広範にわたり消費者は一段の上昇を予想していることが明らかになった。

ただ、賃金の伸びは2.71%と、2.79%から減速が予想されている。また、職を失うことを予想している消費者は減ったが、同時に、労働市場の強さを示すと見られている自主退職の可能性も低下した。さらに、失職後、3カ月内で新たな仕事が見つかるとの期待も低下したことは労働市場のひっ迫が緩和した証拠と見られる。

■NY連銀4月調査

インフレ見通し
1年:3.26%(3月3%)
3年:2.76%(2.9%)
5年:2.82%(2.62%)
住宅価格:+3.29%(+3.05%)
ガス料金:4.78%(4.47%)
食品:5.31%(5.08%)
賃貸:9.12%(8.74%)
賃金の伸び:2.71%(2.79%)
職を失う可能性:15.12%(15.73%)
自主退職の可能性:19.36%(20.64%)
3カ月で新たな仕事が見つかる期待:50.88%(51.17%)

先週発表された5月ミシガン大消費者信頼感指数でも1年期待インフレ率速報値は3.5%と、4月3.2%から予想外に上昇し昨年11月来で最高となった。5-10年期待インフレ率速報値も3.1%と、予想外に4月3.0%から上昇し昨年11月来で最高となった。FRBは金融政策を決定するうえで、期待インフレの動向を重要視している。長期期待インフレが下げ止まつた場合、利下げも先送りされる可能性が強まる。

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