核を「タブー視」する時代は終わった?今こそ「核共有議論を始めるべき」と言えるこれだけの理由【実業之日本フォーラム】
1922年2月27日、安倍晋三元総理は、テレビ番組で「ロシアのウクライナ侵略を受けて、米国の核兵器を国内に配備し共同運用(ニュークリア・シェアリング)について、日本国内でも議論すべきだ」と主張した。
「日本は核拡散防止条約(NPT)加盟国であり、非核3原則を国是(こくぜ)としている。日本は世界で唯一の被爆国であり、核廃絶を目指すという崇高な目標を掲げなければならず、そのための努力が必要だ。一方、米国との核共有は、北太平洋条約機構(NATO)のドイツ、ベルギー、オランダ、イタリア、トルコにおいて採用されている。世界ではどのように国家の安全が守られているかについての議論をタブー視してはならない」と議論を促した。
3月2日、参議院予算員会において、岸田首相は、「日本の領土内に米国の核兵器を配備し共同運用する『核共有』について、政府として議論しない」と明言した。立憲民主党議員の「核共有」の認識についての質問に対し、「非核3原則の堅持の立場や原子力の平和利用を規定している原子力基本法に基づく法体系から『核共有』は認められない」との姿勢を強調している。さらに、ロシアのプーチン大統領の核兵器の威嚇について、「唯一の戦争被爆国であり、被爆地広島出身の総理大臣として、核兵器による威嚇も使用も認めない」と強調した。
そして3月3日の記者会見において「非核3原則で国民の命が守れるのか」という質問に対し、「自らの防衛力と、日米同盟の抑止力で日本の安全を守ってきた。この体制が機能することにより国民の命や暮らしは守れると信じている」と回答している。岸田総理は、現状の「非核三原則」の堅持と「日米安保体制」のみで日本の安全を確保すると主張し、「非核3原則」についての議論は不必要だと断じている。
一方、自民党の高市早苗政調会長は、3月1日の記者会見で「非核3原則のうち『持ち込ませず』という部分は、民主党政権時代も含め従来から国民の安全が危機的状況になった時に、その時の政権が判断すべきことで、将来にわたって縛ることではないという立場だ」と述べ、「持たず、作らずは、堅持するものの、緊急事態における持ち込みについては、時の政府が判断するという、議論を封じ込めるべきではない」と主張した。
3月3日、日本維新の会、松井一郎代表は、「核共有」の議論を政府に求める提言を林芳正外相に提出した。さらに、「核保有国による侵略のリスクが現実に存在することから、防衛費を対国内総生産(GDP)比、2%への増額を要求した。」高市氏、松井氏は、ロシアのウクライナ侵攻の事態に鑑みて、非核三原則や核共有について、積極的に議論を行おうとの立場を取っている。
● 「非核三原則」や「憲法9条」だけで国民を守れるのだろうか
外交防衛委員会調査室によると、非核三原則とは、「我が国が史上唯一の被爆国であるとの事実に基づき、核兵器を『持たず、作らず、持ち込ませず』とする国家の基本政策である」と説明している。
1967年12月、当時の佐藤栄作総理大臣の国会答弁、1971年11月の衆議院本会議決議により、行政府の方針と国会の意思が相まって国是として確立している。また、1955年12月に議員立法により制定された「原子力基本法」の審査時にその起源が見られるという。原子力基本法第2条は、原子力の研究、開発、利用を平和目的のみに限っている。
このように見てみると1967年の佐藤内閣以来、国家の政治上の方針として「非核三原則」を堅持してきたが、これは、国際間の協定や締結された条約ではなく、政府の方針を示しただけであり、日本を巡る国際環境に変化があれば、国家生存のため柔軟に対応するのが政治の役割ではないだろうか。
日本の尖閣諸島に領海侵犯を繰り返す中国、日本固有の領土を不法占拠するロシアや韓国、日本海や日本上空にミサイルを発射する北朝鮮に囲まれているという厳しい安全保障環境に対応した政策が求められるだろう。この厳しい安全保障環境のもとで「非核三原則」や「憲法9条」が残り、国土が侵略され、国民の命が危険にさらされる事態は防がなければならない。
● 「力なき正義」になっていないか?
「国是」とは「国民が認めた、一国の政治の基本的な方針」であるが、それは永久に変わらないものではなく、「国益」保護の観点から常に見直すことを躊躇してはならないものである。
慶應義塾大学の細谷雄一教授は、「ウクライナでの戦争は、冷戦後我々が軍事力の意義を誤解し、他国への信頼や善意に依存し、国際協調や相互依存の存続を信じすぎたことが問題であった。プーチン大統領が戦争準備を整えていたにも関わらず、戦争は起こらない、回避できると思い込んでいなかっただろうか」と振り返っている。
そして「ウクライナの主権と独立が維持されれば、現在の国際秩序は維持されるだろう。ウクライナの主権国家としての地位の解体を国際社会が止められなければ、戦後の国際秩序の根幹が崩れることを意味する」と今後のウクライナでの主権維持が将来の国際秩序の形成に大きな影響を及ぼすとしている。
読売新聞社は3月初旬全国世論調査を実施し、「ロシアによる現状変更が、日本の安全保障上の脅威に繋がると思うか」という質問に対し、約81%が「思う」と回答している。フランスの哲学者パスカルは、「力なき正義は無能であり、正義なき力は圧制である」という言葉を残している。
これだけ厳しい安全保障環境の中で、安倍元総理の提言にある様に、「核共有」など、どのように国家の安全が守られているかついての議論をタブー視するのではなく、日本はどうやったら生き残れるのか、国民的議論を広げていく必要がある。今こそ、「力なき正義になっていないか」という事を自らに問いかける絶好の機会であることを認識すべきであろう。
サンタフェ総研上席研究員 將司 覚
防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。P-3C操縦士、飛行隊長、航空隊司令歴任、国連PKO訓練参加、カンボジアPKO参加、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動教訓収集参加。米国海軍勲功章受賞。2011年退官後、大手自動車メーカー海外危機管理支援業務従事。2020年から現職。
写真:つのだよしお/アフロ
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