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NYの視点:FRBは超ハト派な姿勢を維持


米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を0.00-0.25%で据え置くことを決定した。資産購入ペースも現状で維持、「FRBは回復に自信が戻るまで金利を非常に低い水準で維持する」とフォワードガイダンスも据え置き劇的な修正は見られなかった。

声明の中の唯一の修正は、「ウイルスや公共衛生を保護する措置が経済活動を減速させ、失業者の急増につながった」を削除。「ここ数カ月雇用は回復したが年初の水準を下回る」「経済の軌道は主にウイルスの展開次第となる」と加えた。雇用の回復は減少したその半分にとどまり、危機前の水準には程遠い。

その後の会見でパウエルFRB議長は経済指標などのデータによると6月にウイルス感染が再燃して以降、回復や雇用の伸びが鈍化した可能性を警告。FRBの現在の焦点は経済に支援を供給することで、緩和措置の解消が視野に入るのはかなり先との見方を示し、利上げを考えることを考えさえしていないと繰り返した。

金融・財政策の持続が必要としたほか、市場が注目している追加緩和に関しては、必要とあればフォワードガイサンスの修正や量的緩和(QE)の拡大が可能としたが、その前にパンデミックで不可欠になる財政的な支援が必要と強調した。追加緩和策として最も可能性が高いとされるフォワードガイダンスの強化、明確化に関して、「マクロ経済指標とフォワードガイダンスの関連付けは決定していない」と応えた。

一部のエコノミストは1兆ドルほどの追加財政支援が決定し、米財務省が債券の発行を始めた際、FRBがQEのペースを拡大するだろうと見ている。発表は11月の選挙前となりFRBがスタッフ予測を発表する9月FOMCが濃厚だと見ているようだ。イールドカーブコントロール導入は差し迫っていないとの見方。

欧州はすでに復興基金で合意。一方、米国では追加財政策の交渉が難航しており、
ドル売り・ユーロ買いの動きはしばらく続きそうだ。

■パウエルFRB議長会見でのポイント
「利上げを考えることを考えもしていない」
「データによると回復ペースは鈍化している。雇用の成長も鈍化を示唆」
「必要とあれば資産購入を増やしたり、フォワードガイダンスを修正できる」
「財政措置が不可欠」
「マクロ経済指標とフォワードガイダンスの関連付けは決定していない」






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