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NYの視点:中国人民銀行は株式、債券、外為市場に対するリアルタイムの監督を強化へ


中国人民銀行(中央銀行)が今週25日に発表した年次金融安定報告において、「金融リスクを解決し、外的な衝撃が引き起こす異常な市場変動に起因するリスクに対応する必要がある」との見解が示された。金融市場が世界的な通商を巡る状況、および世界的な流動性を巡る先行き不透明性に極めて敏感になっていることから、その影響が部門を超えて波及しないよう、株式、債券、外為市場に対するリアルタイムの監督を強化する方針を示している。

さらに、債券のデフォルト(債務不履行)が継続する恐れがあると指摘し、デフォルトがシステミックなリスクに発展しないよう対応する必要があるとの意見を提示した。人民銀行によると、家計債務の対国内総生産(GDP)比率は2018年末時点で60.4%に上昇した。この比率について市場関係者の間では「中国の家計部門のGDP比の債務比率は欧米諸国や日本と比較して特に高いわけではない」との見方が多いものの、企業と政府部門の債務比率は高く、国際金融協会(IIE)によると、中国の企業・家計・政府の債務総額は2018年1-3月期においてGDP比303%に達したもようだ。

中国の経済成長率は鈍化傾向にあり、地方政府の債務残高の伸び率は経済成長率を上回る状態が続いているとみられている。人民銀行は銀行部門に関する年次見直し(昨年末時点)で、中国の金融機関4379社のうち13.5%を「高リスク」に指定しており、この大部分が農村部の金融機関、もしくは中小規模の金融機関とされている。人民銀行は、将来的な政策について、景気支援に向け信用の供給を増大させると同時に、経済成長とリスク回避の微妙なバランスを取っていく方針を示しているが、市場関係者の間からは「中国経済の成長率がさらに鈍化した場合、債務不履行が多発し、システミックなリスクが急激に高まるような状況が予告もなく出現する可能性は否定できない」との声が聞かれており、警戒感が高まっている。



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