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NYの視点:パウエルFRB議長、政策金利据え置く方針を確認、成長続く限り


米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエルFRB議長は13日、上下両院合同経済委員会での公聴会に参加し、経済が軌道上にある限り「政策は適切」との見解を示し、10月FOMCで示した年内政策を据え置く姿勢を確認した。ただ、見通しが大きく修正された場合、FRBはそれに対応していくと加えた。現在、政策据え置きを見込む判断の基盤となるもっとも可能なシナリオとして、1)緩やかな成長と2)強い労働市場、3)インフレは2%前後で推移すること、と説明した。

景気に関し、基本見通しは「楽観的」としたものの、「リスクは依然下方」で、「注目に値すべきリスクが残る」と慎重な姿勢を見せた。さらに、インフレに関しても「低インフレのリスクは上昇リスクより大きい」と指摘するなど、FOMCの次の行動は利上げよりも利下げに依然傾斜していることも確認された。

国外の不景気、貿易の不透明性がリスクを生むと指摘。今後の連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げの行方は結局、米中通商協議、関税の行方次第になると見る。

著名調印で成立間近と見られていた米中の「Phase1第1段階」貿易合意も今月中に実現するかどうかも分からなくなった。クドロー国家経済会議(NEC)委員長はタイムラインは設定しないとするなど、期待感が薄れつつある。関税の撤廃に関して米中の見解が分かれていると報じられたほか、中国が米国農産物購入の公約を躊躇しているという。米国政府は中国が米農産品を実際の購入額を確認してから、関税の段階的な解消を検討したい考えだが、中国政府は速やかな関税撤廃を望んでいるようだ。

もし、交渉が決裂し12月15日までに部分合意もまとまらなければ、米国が中国の消費関連商品に対して追加関税を発動する可能性も除外できない。トランプ大統領は12日のニューヨークエコノミッククラブでの演説でも、もし、合意成立できなければ大幅な関税を課すことになるだろうと警告している。追加関税が発動された場合、回復の兆しも見られていた世界経済で、成長悪化が再燃することになる。FRBも追加利下げを検討せざるを得ない状況にもないかねない。



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