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遠藤誉氏「米中対立の根幹は『中国製造2025』」



最近、米中の貿易戦争という形で報道を良く耳にされるかと思う。その意味するところを極めて表面的に述べると、アメリカの対中貿易赤字が巨額であることで、アメリカが中国に対してペナルティー(関税)を課すということになる。ただ、その裏には中国に覇権を握らせないというアメリカの様々な思いがペナルティー(関税)として一部表面化しているに過ぎない。

アメリカを中心とした西側諸国がファーウェイ(華為技術)、ZTE(中興通訊)からの通信機器等ハードウェアの調達禁止を押し進めているが、モノの行き来が不自由になるという点において、冷戦で起こっていたことの一部が散見され始めたということだろうか。また、12月6日にはアメリカが経済制裁を科しているイランに対して製品を輸出した疑いにより、ファーウェイの孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)がアメリカの求めに応じてカナダ当局に逮捕されている(12月12日には保釈されたが、多額の保釈金、夜間外出禁止、GPSタグの装着など厳しい条件を付与された)。アメリカのなりふり構わぬ行動は何なのだろうか。

遠藤誉氏は12月22日に発売された新著『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』(PHP研究所)において、米中対立の根幹は「中国製造(メイド・イン・チャイナ)2025」にあると説いている。これは2025年までに中国がハイテク製品のキー・パーツである半導体の70%を中国製にして自給自足し、宇宙開発においても中国がアメリカを超えようという壮大な計画だ。そのために人類の誰にも解読できない「量子暗号」を搭載した人工衛星の打ち上げにも中国は成功している。中国を除く西側諸国が運営している国際宇宙ステーションは2024年に寿命が尽きるが、それに代わって中国独自の宇宙ステーションを2022年までに完成させ、宇宙制覇を狙っている。

かつて日本の半導体は世界を席巻した。同盟国である日本に対しても、安全保障上の観点からアメリカは危機感を募らせた。中国の半導体企業が力を付けるとなればなおさらだろう。日本はアメリカの同盟国であるが故に、日米半導体協議で譲歩をしてしまった面もあるが、中国は絶対に譲歩しないというのが遠藤氏の見方だ。



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