
<都市対抗野球大会西関東予選第2代表決定トーナメント準決勝:日産自動車3-2全川崎クラブ>◇14日◇横浜
16年ぶりに復活した日産自動車が、都市対抗出場に王手をかけた。川崎クラブに3-2で競り勝ち、15日横浜スタジアムで東芝との代表決定戦に進出。2回2死三塁から石毛大地外野手(24)の適時内野安打で先制すると、5回と8回に1点ずつ取った。3-0の9回に相手に2点を奪われ1点差に詰められたが、同点は許さず逃げ切った。
日産自動車野球部の公式X(旧ツイッター)を通じ、伊藤祐樹監督は「今日勝てたことで16年ぶりの都市対抗出場をかけた試合ができることになりました。我々は挑戦者として、どのチームが相手であっても全員でいい戦いをして、何とか皆さんにご報告できるよう、もう一度気持ちを切り替えて東京ドームを目指します」とコメントした。
同部は59年創部で都市対抗優勝2回、日本選手権優勝1回を誇り、元阪神の池田親興氏、元オリックスの川越英隆氏、元広島の梵英心氏(現オリックス・コーチ)らプロ野球選手も多く輩出。リーマン・ショックの影響もあって09年に休部となったが、今回16年ぶりに復活。新入部員22人は大卒1年目が大半を占め、チーム唯一の社会人野球経験者は主将の石毛のみ。チームスローガン「再翔(さいしょう)」を掲げ、今年1月から本格的に始動した。
本業の業績悪化が伝えられる中でも、野球部の活動は継続。迎えた都市対抗予選第1代表決定トーナメント準決勝では東芝と激闘を演じ、5回に石飛智洋外野手(22)の一時同点となるグランドスラムで応援席を盛り上げた。惜しくも敗れ第2代表決定戦トーナメントに回ったが、順調に勝ち進み都市対抗本選出場の最後の枠をかけて東芝と再び相まみえることに。リベンジを果たし、名門復活を示すことができるかに注目が集まる。