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NYの視点:ハードブレグジットの可能性は残る


英国のメイ首相は昨年の6月に実施された解散総選挙以降、相次ぐ閣僚の辞任に悩まされている。6日の閣議では、メイ首相が示した離脱後の通商関係を規定する基本方針で合意に達した。しかし、メイ首相のビジネスフレンドリーなソフトブレグジットに反発し、政権内の中核的存在であったデービッド・デービス欧州連合(EU)離脱担当相、ボリスジョンソン外相が相次いで辞任を表明した。辞任で離脱交渉の行方が一層不透明になるほか、メイ政権の基盤がさらに揺らぐ可能性が警戒されている。

英国では、デービス欧州連合(EU)離脱担当相やボリスジョンソン外相などの主要閣僚を含め今まで7人の閣僚が辞任。政権内から信任投票の要請が出て、メイ首相が辞任に追い込まれるとの警戒感も広がった。万が一、メイ首相が辞任した場合、新たに選出される首相がメイ首相と逆のタカ派姿勢をとり、ハードブレグジットを主張する可能性が強まる。こうなると、ポンド安に一段と拍車がかかる。

一方、保守党議長、ブランドンルイス氏が、メイ首相に対する信任投票を予想していないとしたほか、クリス・フィリップ議員は、メイ首相に異議を唱える議員もいるものの、ほとんどの議員がメイ首相を依然支持していると確認。また、EU離脱を主張する強硬派保守党議員の中心的存在であるジェイコブ・リースモッグ氏も、首相不信任案を提出する計画はなく、英国がEU離脱を予定する来年3月の時点でもメイ氏が首相を続けているだろうと述べており、メイ首相の当面の政治的地位は確保されたようだ。しかし、不透明感はくすぶる。



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