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NYの視点:米イールドカーブ逆転への警戒感強まる


一部投資家や連邦準備制度理事会(FRB)関係者の中で、長短債券の利回りが逆転するのではないかとの警戒感が強まっている。エコノミストの間では、長短金利の逆転は、景気後退に陥る前兆だとして度々警戒される。1975年以降の景気後退時には必ず現れる傾向。

米国の経済が順調な成長を続け、連邦公開市場委員会(FOMC)も利上げを継続しているにもかかわらず、長期金利の伸びが鈍く、2年債利回りと10年債利回りの格差は縮小を続けている。2年債と10年債の利回り格差は0.428%と2007年来で最小となった。本年始めには、トランプ政権が導入した税制改革が米国経済の成長をさらに押し上げるとの期待やインフレ率が上昇する兆候を見せたため、2月には10年債利回りが3%手前まで上昇。一時格差も拡大した。しかし、その後、再び縮小基調にある。

利回り曲線に関する米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の意見は分かれる。セントルイス連銀のブラード総裁は6カ月以内に利回り曲線が逆転する可能性を警告。現在、市場はインフレ圧力を織り込んでおらず、FRBは今、利回り曲線の問題を協議する必要があると訴えた。政策金利も据え置くべきだとした。米ダラス連銀のカプラン総裁も年2回の利上げにとどめるべきだと主張した。

一方で、クオールズ米FRB副議長(銀行監督担当)は、最近の利回り曲線の平坦化が「景気後退のシグナルではない」と指摘。NY連銀総裁として、連邦公開市場委員会(FOMC)のリーダーチームの一員に年中旬から加わるサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁も、利回り曲線の逆転が力強いリセッションの兆候になると認めたうえで、現在の平坦化は「正常」と指摘。景気が改善し、連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げとともに長期金利も上昇し、利回り曲線の逆転を予想していないとした。万が一、利回り曲線が逆転したら真剣に受け止めると加えた。

米10年債利回りは19日、米4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数の支払い価格が7年ぶり高水準に達したことなどを背景に、再び2.9%台に上昇。3%も視野に入れた展開となった。債務の拡大で、米財務省が大規模な国債供給を継続する必要があることや、成長が一段と強まり、物価も上昇が予想され利上げペースが速まる可能性などを考えると、ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁の言及どおり、利回り曲線は再び拡大する可能性が強いと見る。





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