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米長期金利低下「影の主役」はユーロ高?120日MA回復まで米ドル上値も重い?!



■要約

・行き過ぎた米ドル買いの反動局面。112円の120日MA回復するまで米ドル/円は上値重い?!
・世界的金利上昇主導した独金利が「ユーロ高→独株安」で一服した影響で米金利も低下。

■米ドル反落の理由と今後の行方

米ドル/円は先週、111円割れ寸前まで一段と反落が広がりました。なぜ米ドル安が続いたか、それは今週もさらに続くかについて、今回は考えてみたいと思います。
米ドル/円反落の一因は、米ドル買われ過ぎ、円売られ過ぎの反動でしょう。CFTC統計によると、投機筋の円売り越し(米ドル買い越し)は、先週にかけて12万枚以上に拡大し、2014年1月以来の大幅となりました≪資料1参照≫。このように行き過ぎた米ドル買い・円売りの反動が入って、米ドル安・円高をもたらしていると考えられます。

□資料1=CFTC統計の円ポジション(2012年-)
出所:CFTC統計より作成
それにしても、そのような米ドル売り・円買いのきっかけになっているのは、米長期金利低下に伴う日米長期金利差の米ドル優位縮小でしょう。依然として、米ドル/円と日米10年債利回り差は高い相関関係が続いています≪資料2参照≫。その中で、金利差米ドル優位が縮小すると、行き過ぎた米ドル買いの反動で、米ドルが売られやすくなっていると考えられます。

□資料2=米ドル/円と日米10年債利回り差(2016年9月-)
出所:トムソン・ロイターより作成
では、なぜ米長期金利は低下が続き、金利差の米ドル優位縮小が続いているのでしょうか。米景気指標の弱い結果が続いたことに加え、米トランプ政権を巡る不安などが材料視されているとの見方が基本でしょう。
しかし私はそれ以上に、7月にかけて米長期金利上昇再燃のきっかけになった独を始めとした世界的な長期金利急騰が一服したことで、米長期金利も低下要因に反応しやすくなったことの影響に注目しています。では、なぜ独長期金利急騰は一服したのでしょうか。
独10年債利回りは13日にピークを打って低下傾向となりました≪資料3参照≫。そこで、独株価指数、DAX®指数も同じく13日を境に下落に転じたのです≪資料4参照≫。以上のように見ると、独株価指数が下落に転じたことから、独長期金利も低下傾向に転じたと解釈することも可能でしょう。そうであるなら、なぜ独株価は13日から下落に転じたのでしょうか。

□資料3=過去一か月の独10年債利回り
出所:Bloomberg

□資料4=独DAX®指数(2017年1月-)
出所:トムソン・ロイターより作成
この頃から、ユーロ高・米ドル安が年初来のユーロ高値を更新し、さらに1.15ドルの大台を突破、一段高が広がりました。ECBの金融緩和見直し思惑をきっかけとした独金利上昇により、ユーロも年初来の高値を大きく超えて一段高となったわけですが、独株価の下落は、ユーロ高に伴う輸出競争力悪化を織り込む影響が大きかったと考えられます。
そしてそんな独株下落に伴い独金利も低下に転じ、それによって米長期金利も低下要因に反応しやすくなったということではないでしょうか。そして米長期金利が低下すると、それと相関性の高い米ドル/円は米ドル安・円高方向に反応し、投機筋の売買転換点とされる120日MA(移動平均線)、112円を先週再び割り込みました。
すでに見てきたように、投機筋は大幅な米ドル買い・円売りに傾斜した状況が続いていると見られるため、足元112円程度の120日MAを大きく回復するまでは、行き過ぎ修正の米ドル売り・円買いが根強く動意すると見込まれるため、米ドル/円も上値が重い展開になるのかもしれません。(了)


【ニュース提供・エムトレ】




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