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安川電機と米雇用統計など注目材料多数控える


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;27512.81;+40.18TOPIX;1967.69;+6.41


[後場の投資戦略]

 前日の米株高、特にナスダック総合指数の4日ぶり反発を受けて安心感が台頭し、本日の東京市場はやや買い優勢の展開。ただ、前日までの2日間で800円超も下落した日経平均の反発力はかなり鈍く、前引け時点の東証プライム市場の売買高も3億株台と低調。また、米10年債利回りの低下基調が続き、ナスダック総合指数も反発したにもかかわらず、新興市場も引き続き冴えない。マザーズ指数は朝高後に失速し、結局、200日移動平均線を再び下回っている。指数寄与度のない直近の新規株式公開(IPO)銘柄に物色が集中しやすいとはいえ、売買代金上位の銘柄は売り優勢で、個人投資家は神経質な様子。今晩の米雇用統計を控えた警戒感から、全体的に買い戻しの動きは限られているようだ。

 警戒感が高まるのも致し方ないか。今週は米2月雇用動態調査(JOLTS)の求人件数を皮切りに、米供給管理協会(ISM)の3月非製造業(サービス業)景況指数や米3月ADP雇用統計など一連の指標がそろって労働市場の逼迫緩和と賃金インフレの鈍化を示したにもかかわらず、株式は総じて売りで反応している。景気後退懸念が強まっている中、今晩の米3月雇用統計で「雇用者数の減少&平均時給の伸び鈍化&失業率の上昇」といったインフレ鈍化の組み合わせ結果が出ても、雇用者数の下振れが大きいと一段の景気悪化として捉えられかねない。

 一方、米クリーブランド連銀のメスター総裁や米セントルイス連銀のブラード総裁らは、金融システム不安が後退していることなどを理由に追加の利上げと、その後の高水準の金利据え置きを前日にかけて相次いで主張している。他方、金利先物市場は依然として2023年末までに0.25ポイントの利下げを2回以上予想している。こうした中、米雇用統計が反対に大きく上振れてしまうと、市場の織り込みが米連邦準備制度理事会(FRB)の予想に引っ張れる可能性がある。その場合、金融システム不安がくすぶる中での金融引き締め長期化による経済のハードランディング・リスクが高まり、FRBの政策ミスへの思惑が高まりやすくなりそうだ。

 このため、米雇用統計は絶妙な塩梅の結果を示す必要があるといえる。市場では雇用者数の伸びで10-20万人程度であればスイートスポットとして市場の両サイドのリスクを回避することが可能とみているようだ。今晩の米国市場はグッドフライデー
(聖金曜日)の祝日で休場のため、海外市場の雇用統計に対する本格的な反応は週明けまで待つ必要があるが、まずは結果について固唾をのんで見守りたい。

 ほか、本日の大引け後には製造業決算の先行指標として注目される安川電機<6506>
の本決算が予定されている。前回の決算ではACサーボモータの受注が大幅に減少するなど好決算とは言えなかったが、省力化や自動化の需要を背景にロボットの受注が堅調だった。また、ACサーボモータについてもゼロコロナ政策を解除した中国経済の回復や半導体市況の年央からの底入れに対する期待から過度にマイナスに捉えられることなく、株価はその後大きく上昇した。

 しかし、その後の中国購買担当者景気指数(PMI)をみると、製造業については景況感の拡大・縮小の境界点である50を超えた状態が続いているものの、サービス業に比べて力強さを欠いており、中国経済の回復期待は年初に比べると後退してきている。
外部環境の不透明感がくすぶる中、安川電機が市場予想対比でどの程度の業績見通しを示してくるかは非常に注目される。株価の水準からして、余程強い見通しを示してこない限り、ポジティブな反応には繋がりにくそうだ。一方、見通しが想定以上に弱いと、3月期決算企業の本決算が発表されるのを前にガイダンスリスクが強く意識される形となり、相場の下落が予想される。

 来週も米3月消費者物価指数(CPI)や米銀行の決算など注目材料が多い。相場の高いボラティリティーは当面続くと思われるため、安易な押し目買いやあく抜け期待を持つことは避けた方がよさそうだ。
(仲村幸浩)
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